概要
両名とも鬼であり、上弦の弐×上弦の参。
飄々とした性格で要領が良く、栄養価の高い女性を好んで食べる童磨と、真面目であるが女は殺さず男しか食べない猗窩座という、両者には対照的な面が見られる。
鬼は基本的に群れずに同族を嫌悪する性質を有するが、童磨は何故か猗窩座に絡む描写が多い。
「きせかえJump」(少年ジャンプの公式アプリ)においては、他の鬼殺隊面子が居る中での鬼キャラであり、FRIENDとして揃って登場する。
さらに、2020年に行われた人気投票では、猗窩座が17位、童磨が18位を記録。結果発表のページですら両者は隣同士並ぶこととなった。
鬼同士のカップリングということですぐに再生するため、多くの童猗窩作品では互いを傷つけることに遠慮がなく、原作程度の欠損、流血、暴力を含む描写が見られる。
基本情報
名前 | 童磨 | 猗窩座 |
---|---|---|
身長 | 187cm | 173cm |
体重 | 86kg | 74kg |
肉体年齢 | 20歳(実年齢下) | 約18歳(実年齢上) |
数字の位置 | 右:上弦 左:弐 | 右:参 左:上弦 |
モチーフ | 氷、蓮の花 | 雪、花火 |
名前を呼んだ回数 | 13回(猗窩座殿) | 0回(呼称不明) |
CV | 宮野真守 | 石田彰 |
絡みについて(※ネタバレ含む)
鬼殺隊側に比べて描写が少ない敵方であるにもかかわらず、公式からフレンド枠を設けられる程度には絡みが見られる。
◆12巻98話「上弦集結」
上弦が初めて勢ぞろいをする回。童猗窩爆誕回。
童磨は猗窩座の背後から手を伸ばし肩を組んでの再登場を果たす。遊郭編最後で「陸」だった鬼が現在、無限列車編で炎柱・煉獄杏寿郎を圧倒し読者に強烈な印象を植え付けた猗窩座よりも上位に位置していることが判明する。
多くの読者を童猗窩に突き落としただけありこの回の情報量は濃い。
〇猗窩座が玉壺に話しかけられたり、黒死牟のことを聞いたりすると、わざわざ背後から接近し「俺の心配はしてくれないのかい」と話しかける(猗窩座の背後を彼に気取られずにとれる時点で童磨の実力の高さが推し量れる)。
〇童磨が猗窩座と肩を組む時、爪が揃えられて整っている(後の戦闘シーンでは鬼らしく尖っている)。
〇童磨が玉壺に話しかけに行くと、後ろから頭を殴り飛ばす。
以上のことから、童磨だけではなく、猗窩座自身も童磨の言動を意識している節がある。
ちなみにこの時、鳴女は序列通りに上弦の壱から招致しているため(FB2より)、猗窩座が呼ばれた時にはすでに童磨は無限城のどこかにいたことになる。
玉壺は猗窩座に嫌味混じりで話しかけておりそこに気後れする様子はないが、童磨との会話ではやや強張っている。また、玉壺は参の猗窩座を「猗窩座様」と呼ぶのに対し弐の童磨を「童磨殿」と呼び、敬称が異なっているが理由は不明。
◆◆「ゴパ」と「パガ」
ゴパとは、猗窩座が童磨の下顎を裏拳で殴り飛ばした効果音。
猗窩座も問答無用ではなく一応「腕をどかせ」と一言不快である意思表示はちゃんと行っている。
童磨の実力であれば避けることも容易いが、戯れの一環であえて受け止めている。「前よりも少し強くなったかな?」と言っていることから、以前からこのようなやり取りがあったか、猗窩座の実力を童磨が知る機会があったことが窺える。
パガとは、猗窩座が童磨の頭半分を背後から殴り飛ばした効果音。
無惨の命令外のことで執拗に玉壺に絡む童磨を諫めた一撃だが、序列が下の猗窩座が上の童磨に攻撃をしたため、序列を重んじる黒死牟により猗窩座も腕を斬られて諫められた。
どちらの効果音も童猗窩を語るうえで使われることの多い単語である。
ちなみにこの時に猗窩座が童磨を止めていなければ、鍛冶の里襲撃に童磨も居た可能性もあり、鬼殺隊側と里の壊滅は免れなかっただろう。
◆12巻99話「誰かの夢」
童磨は猗窩座より後に鬼になったが、上弦の数字を追い抜いたことが判明。妓夫太郎たちを勧誘する当時の童磨が「上弦の陸」であったことから、この時点で猗窩座は童磨よりも数字が上の状態で存在していることになる。つまり童磨は下剋上を果たしたことになる。
「わざと避けなかった」「戯れ」という発言に青筋を浮き立たせる猗窩座が見られることから、童磨の発言に不快さを感じているのは確かである。
この時、猗窩座は黒死牟とのみ会話を行い、黒死牟は一言童磨を宥めただけで、両者は互いに童磨を無視して会話をしている。実際、ここのシーンで童磨の台詞を隠しても会話は成立する。
◆18巻157話「舞い戻る魂」
猗窩座が死んだ気配を察した童磨が、聞かれてもないのに突然対峙中のカナヲに「猗窩座殿」について話し始める。彼女に猗窩座との面識はない。
「俺は言ったんだよ!」の台詞から、童磨が直接猗窩座に女を食うメリットを説明したことも窺える。猗窩座が女を食べず殺しもしないことを許されていたことを「ずるい」と表現している。
童磨は自ら感情が無いと評価する一方で、このように猗窩座へ特別扱いをずるいと感じる心は有していた。
この話において”一番の友人”発言が出てくる。
童磨はそう思っていたようだが、この発言について当の猗窩座から童磨に対するレスポンスは原作上見られないため猗窩座がどう思っていたかは不明である…が、上弦集結時の苛立ち具合から、童磨を快く思っていないのは明白である。
この後落涙するがカナヲにより感情表現の嘘を見抜かれている。しかし友人が死んだら泣くという知識は有しており、たとえ悲しいと感じなくても童磨は猗窩座を友人と認識しているから涙を流したのは事実といえる。
◆19巻163話「心あふれる」
致死量の毒が体中に巡った童磨は首を斬られた時、首切りを克服できる進化の瀬戸際で「猗窩座殿もなりかけたんだ」と猗窩座の姿を思い浮かべている。
これまでの話数の中で童磨は猗窩座のことを煽り、下に見る言動をしていた一方で、最期まで自身が実力で追い抜いたはずの猗窩座を意識していた。
結局童磨自身は鬼の進化の原動力である強い執着や渇望が足りなかったことから、首克服の進化ができずに消滅する。それを無しにしても上弦の弐まで昇り詰める才能はあったが、大きな進化はしないという無惨の評した通りであった。
最後の最後で鬼としての才能が童磨と猗窩座のどちらに軍配があがったのかは捉え方による。
ファンブック1&2
2019年7月9日発売の「鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録」(通称FB)では、まだ本誌連載中であり童磨戦が始まったばかりであった(単行本16巻あたりの内容)。
この時点においてすでに上弦集結回に出ていた十二鬼月は黒死牟、童磨、猗窩座を残して死亡している。童磨の情報は出揃っていないが、猗窩座のページにおいて屈託なく絡んでくる童磨とそりが合わないと関係について言及されていた。
また、猗窩座は人間が好きで饒舌になる一方、無限城では無口になることが明かされている。同族嫌悪の呪いの影響もあると思われるが、12巻での態度を見ると軽薄な態度の童磨と会話したくないとも見られる。
2021年2月9日発売された「鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐」(通称 FB2)において鬼界隈が騒然とする事実が次々と判明。
猗窩座のページの大正コソコソ噂話にて、鬼が下位の鬼に対し視覚共有や脳内対話が出来ることに激震が走る。そして、猗窩座が童磨に執拗な脳内対話を強いられていたことが判明。人間時代より病人の世話を苦とも思わず、鬼になってからも無惨からの叱責などを無の感情で受け流していた猗窩座であったが、童磨のしつこさに耐えきれず無惨に苦情を入れていた過去が明らかとなった。
年始番外編「何も問題ない」
2020年のお正月に掲載された四コマ漫画。現在はFB2に収録済み。二作のうち一本が無惨と上弦の鬼たちのものである(もう一本はケツアゴ禰豆子の話)。
1コマ目にて無惨の愚痴に童磨がにこやかに賛同しながら、隣にいる猗窩座の肩を親しげにポンと叩いている。
数字の順で並ぶと童磨と猗窩座が隣り合うのは普通であるが、同意を求める素振りをした時に猗窩座を選んでいる点で、友人らしい距離感を見せている。ただし猗窩座はそっぽを向いていた。
この時点で本誌ではすでに童磨、猗窩座ともに消滅しているため、本四コマで久しぶりの登場となった。
対照的な構造
童磨と猗窩座のキャラ造詣は対照的になっている点がいくつか見受けられる。
◆生い立ち~人間時代
童磨は宗教を営む家で育ち、幼少時代より同世代に比べ裕福であったと窺える。しかし両親からの愛情は不足していたと見られる。両親により童磨は容姿を宗教活動に利用され、幼いながら祀り上げられるなど、まともに情操教育を受けずに育ったと推察される。両親が凄惨な事件を起こしても童磨自身の心には響かず、自分自身で「感情がない」と評価するほど感情の欠落が起きてしまった。
対して猗窩座(狛治)は貧乏人であり、病に伏した父のために子どもながら盗みを繰り返し、罪人として罰を受け入れ墨を流されるなど、その幼少期は苛烈を極める。後に父親は自死を選んだが、その理由は「自分のことで我が子に罪を重ねてほしくない」という子を強く思う気持ちからくるものであり、親から受けた愛情は確かなものであった。荒んだ時期を過ごしたものの、その後は大事な人が出来て、人並みの幸せを感じられる所までは来られたが…。
生まれながらに童磨は特殊な髪と眼の色から特別な子の扱いを受け、猗窩座は歯が生えており鬼子と呼ばれていた点においても、周囲の反応に差があることは予想できる。
◆鬼時代
童磨は二十歳の頃に無惨に鬼にしてもらっている。どのように出会ったのかは不明であるが、この時に無惨の存在に感激し自身が抱える万世極楽教の神に据える程崇拝している。しかし無惨から受けている評価は「あまり好きじゃない」。任務自体もあまり与えてもらえずにいた。
一部の記憶を仕舞い込んでいるとはいえ、童磨は記憶力が極めて高いことも特徴的といえる。他の鬼が人間時代の記憶を欠如させたり、一部しか覚えていなかったりするが、彼は幼少期から両親の事件、鬼になった時から記憶が残ったままである。
対して猗窩座は約十八歳で橋の上で無惨との接触事故により鬼にされた。無惨について尊敬や畏怖などせず、無の感情で接している。忠実で真面目なことから女を殺さず食わずとも生かされる特別扱いをされ、お気に入りの評価を受けている。
鬼となって以来、人間時代の記憶は全て忘れてしまっている。唯一残された思いが「誰よりも強くなること」だったため、それが鬼の猗窩座の行動原理となっている。しかし全ての記憶を失っても、素流を基礎とした近接戦や恋人との大切な思い出である花火の名を冠する技名、人を勧誘する際の表情や動作が師範にそっくりであることから、随所に人間時代の記憶が焼き付いている。
記憶があっても感情が育たなかったためにこれまでの生を無味乾燥と過ごしてきた童磨と、記憶は失っても深い感情を抱えて生きてきた残滓が香る猗窩座は対照的な存在となっている。
なお、毒に深い縁があるのは共通点である。
アニメ関連情報
◆アニメ一期12話
元十二鬼月である響凱の回想シーンにシルエットが登場する。
画面を明るくすると、童磨と猗窩座が隣り合っていることが分かる。身長差がはっきりと描かれたシーンとなった。
◆本編初登場時期
猗窩座は2020年10月16日(金)公開、劇場版無限列車編にて最後のボスとして登場。
童磨は2022年2月13日(日)アニメ遊郭編の十一話(最終回)にて流れる妓夫太郎の回想に、上弦の陸として登場。
遊郭編では一話、十一話に猗窩座も登場しているため、一応共演しているともいえる。
声の担当は両者ともトップクラスの知名度と実力を兼ね備えた声優である。
また、声優に関して猗窩座は大方のファンの予想外のキャスティングであったことに対し、童磨は大方のファンの予想通りのキャスティングであった。
余談
見た目について
鬼は異形であることが多いが、他の上弦に比べると童磨と猗窩座は人間に近しい姿のままである。これは童磨は人と接する機会が多いため見た目を弄れないこと、猗窩座は戦闘スタイル上、異形が向かないためと見られるが真相は不明。ただし、童磨は人並みの感情を得ようとして「ごっこ遊び」をしていたことから、猗窩座に対し見た目も近く「友達ごっこ」の遊び相手にしたのではないか…ということも考えられる。
また、鬼になった時の肉体年齢上では年上×年下、生きている年齢の通算では年下×年上となる不思議なCPである。見た目的なCPでは前者である。
入れ替わりの血戦について
童磨と猗窩座の序列に関してはいくつか考えられる。いずれも公式から正確に出された情報ではなく推測の域であるので注意。
- パターン① 童磨と猗窩座は入れ替わりの血戦をした
入れ替わりの血戦については詳細不明のまま連載が終了した。
FB2において、黒死牟の大正コソコソ噂話にて猗窩座に血戦を挑まれた事実が明らかになり、血戦についての情報の一片が公開された形となる。そこで「食わずに生かしておいた(通常食って吸収する。あくまで無惨の許可制)」と明記されている。この文脈からは、①血戦自体が無惨の許可制であり許可が無いと吸収できない、または②通常吸収するルールだが無惨の許可があれば食わずとも良い、と二通りが考えられる。
よって、FB2以降においても、童磨の猗窩座の血戦説は
① 童磨は猗窩座を吸収しようとしたが猗窩座を気に入っている無惨から許可が出なかった説
② 童磨は猗窩座を吸収できたはずだが何らかの事情であえて吸収しなかった説
など、血戦への捉え方は多様に存在する。
- パターン② 当時の上弦の弐に上弦の肆(以下)の童磨が入れ替わりの血戦で勝利し猗窩座の数字を抜いた
童磨と猗窩座が直接やり合わないまま数字が入れ替わった説。猗窩座は上弦の参のまま、下位の童磨に数字を抜かれて上に座られた形となる。勝者となった童磨が前の上弦の弐を吸収したとも考えられるが、確かな情報がないためあくまで憶測にすぎない。
- パターン③ 実力相応として無惨の判断で数字を入替した
無惨が実力を見定めて人事評価を下した説。自分の評価は絶対で間違えないと豪語する無惨であればあり得なくはない。しかし、童磨のことを強い執着も渇望もなく大きな進化が見込めないと判断している無惨が、その伸び代の有無を評価するかは判断しかねる。
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白馬探:お互いに中の人繋がり。