ビターグラッセ(競走馬)
びたーぐらっせ
概要
2歳上の半姉に重賞馬アナザーリリック(父リオンディーズ)、おじにポップロックがいる血統。セレクトセールで6600万で取引された。
データ
馬名について
本馬はウマ娘プリティーダービーに登場するオリキャラにあやかってか同じ名前を付けられているため、馬名決定時にウマ娘ファンの間で話題になった。
JRAの競走馬登録の際に提出された由来には「苦い+砂糖漬けのお菓子」とそれっぽいことが書かれているが、ほぼ同時期に同馬主によってリトルココン、ハッピーミークという馬も登録され、毛色もできる限り揃えられていることから、本当の由来はウマ娘からの逆輸入だと思われる。
また、別馬主ではあるが、この世代はこの3頭以外にもウマピョイやアゲマセンなど、ウマ娘由来の命名が多い。
デビュー戦を目前に控えた2022年6月14日の東京スポーツの紙面では
- 「はじめまして ビターグラッセと申します”ウマ娘”の世界から来ました今週日曜デビューしますので応援よろしくお願いします」
という見出しをつけられた。
これを見たオーナーも「こんな丁寧なキャラではなかった気がしますが」とツイートしているので、やはりウマ娘が由来なのだろう。
ちなみに、この「こんな丁寧なキャラではない」というツッコミに対し、一部のトレーナーたちからは「きっと樫本代理が代筆したに違いない」という声があるとか。
生涯/戦績
デビュー前
2020年4月26日、北海道安平町のノーザンファームにおいて生を受ける。
父であるルーラーシップはダービー馬キングカメハメハと名牝エアグルーヴを両親に持ち、香港G1クイーンエリザベス2世カップを制した名馬。
母のアンソロジーは現役時代に18戦2勝を挙げ、ビターグラッセが10番目の産駒に当たる。母父であるサクラバクシンオーは言わずと知れた名スプリンター。
同時期にウマ娘由来で命名された3頭の中ではトップクラスの良血である。
2021年、セレクトセール1歳部に上場され、馬主の山口功一郎氏が6,600万円で落札。
リトルココンと同時に馬名登録を申請したところ、トレーナーたちに見つかり、瞬く間にネット上で話題となった。
育成馴致を終えたビターグラッセは、菊花賞、天皇賞馬タイトルホルダーも管理してる美浦の栗田徹厩舎に預託され、競走馬生活の幕を開けた。
その後は美浦トレセンで調教を続け、デビュー戦の1週間前追い切りでは、年上のメサテソーロを3馬身離すなど高い素質を見せた。
厩舎陣営からの期待も高く、栗田師は「年長馬と併せて、しまいまで余裕があった。素直でカイバもよく食べて、いい馬ですよ。フレームがしっかりしていて肉付きもいい」と評価。
新馬戦に騎乗予定の福永祐一騎手も「乗りやすい。初戦から勝ち負けできるものがある」と評価している。
デビュー~2歳
2022年6月19日の東京第5R、2歳新馬戦にてデビュー予定。当日はウマ娘のビターグラッセをモチーフにしたメンコを着用することが事前に報道されている。
そして迎えたレース、ビターグラッセは白地に黒い縁取りと赤い耳あてのメンコを着用。メンコの着用は返し馬までだったが、公約を達成した形になった。
しかし、レースでは調子が悪かったのかあまり行きたがらず、最終直線でもなかなか伸びない。5着のモンテイゾラからクビ差の6着という結果になった。
福永騎手は「もう少し距離があった方がいいかも」とレース後に語っており、今後は距離延長も視野に入れていくようである。
7月24日の福島第3R、2歳未勝利・芝1800m。鞍上は田辺裕信騎手に変更。
今回はメンコを着用せず、パドックから素顔での競馬となった。
発走前に5番ドライカプチーノがゲートで暴れて競走除外され13頭から12頭になった。
レースは中団後方に控える形となり、終盤末脚をみせるも結果は3着、これが初の掲示板入りとなった。
初勝利
10月1日の中山第4R、2歳未勝利、芝2000m
前2戦の結果が響いたか単勝7.1倍の3番人気で、鞍上は田辺裕信騎手の続投となった。
最初は中団後方で脚を溜める展開となったものの。レース終盤後方から豪快に末脚を伸ばし並みいる他馬を差し切る。
2着のジュドーに1/2馬身差で初勝利を挙げた。
この結果を受け、Twitterでは「ビターグラッセ」がトレンド入り。競馬メディア関係者やファン、果ては馬主の山口功一郎氏まで
- 直線ごぼう抜きの映像を何回見ても確実に「昇り龍」と「迅速果断」(※1)のスキル発動してる
- 最後はスキル何個使ってるんだ
- 勝利への執念、エンブレス・プライド(※2)、登り龍、百万馬力!ぐらいでしょうか(上ツイートへの返答)
とウマ娘ネタも交えた祝福のツイートを投稿した。
※1:ウマ娘のゲーム内で獲得可能なスキル
※2:馬のビターグラッセの父母に当たるエアグルーヴのウマ娘の固有スキル
葉牡丹賞へ
晴れて未勝利を脱出した陣営が次に選んだレースは、12月3日・中山9Rの葉牡丹賞(1勝クラス)。1勝クラス(昔でいう500万下)のレースとはいえ、過去にはウイニングチケットやトーセンジョーダンが勝ち上がった歴史あるレースである。
当日は直前の調教で猛時計を出したと評判の新馬勝ち馬ミッキーカプチーノ号が人気を集め、ビターグラッセは1枠1番の最内枠が後方一気の脚と噛み合わないと思われたのか、6番人気。
レースでは中団後方で進めて3コーナー手前からスパートにかかるが、ミッキーカプチーノが噂通りの脚で突き放す(1着)。ビターグラッセは3馬身半差で捉えきれなかったが、さらに後方からメンバー最速の上がりタイムで突っ込んできたミヤビ号はクビ差で振り切り、2着を確保した。勝利こそならなかったが今後にも期待の持てる結果であり、次の目標は「フローラSまでに1つ勝つ」とのこと。
2歳シーズンは大負けせずに堅実に勝ち上がり、身体の仕上がりと共に適性と強みも明確になった。
ウマ娘由来の名前故の過度な注目も少なからずあったろうが、ただの珍名馬ではない手応えを魅せることが出来たシーズンとなった。
3歳シーズン
年明けは1/5の中山3歳1勝クラスの条件戦に出走。ウマ娘人気に加えて初勝利と葉牡丹賞で見せた末脚の期待もあって1番人気に。
レースが始まると馬群後方で経済コースを周りつつ脚を溜めるように走ったが、前方が詰まって抜け出せないと判断したのか第3コーナーで大外へと飛び出す。しかし同時に真正面にいたシリアルノヴェルも大外を周ろうとしたためさらに外を回される事態に。一気にコース不利を背負った反動からか思ったように末脚が発揮できずまさかの6着。クラシック路線への見極めとなる大一番で掲示板を外すという手痛い敗北となった。
無理矢理大外に出たのもあるが、ここまでで累計5戦かつ葉牡丹賞から1ヵ月という連戦が祟ったのかとも取れる。疲労の観点で見れば目標としていたフローラステークスまで残りあと1戦、クラシック路線に挑むには後が無くなった。
3/19に翌週3/26開催のミモザ賞への出走登録が発表された。ここで良い成績を出せばオークストライアルからオークス本戦への参戦が期待できるが果たして。
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リトルココン(競走馬)/ハッピーミーク(競走馬)…同じくウマ娘のオリジナルキャラと同じ名前の競走馬。同オーナーの同期で、厩舎は異なる(リトルココンは安田厩舎、ハッピーミークは尾関厩舎)。
アルクトス…同オーナー・同厩舎の先輩馬。