アヴニール
あゔにーる
概要
牡羊座のシオンより250年前に戦っていた牡羊座の黄金聖闘士。スターダストレボリューションならびにスターライトエクスティンクションの使い手でもある。
「外伝」16巻巻末のデータによると、4月19日生まれ。血液型B型。身長187センチ体重89キロ。褐色がかった肌と整った眉目を持つ美丈夫。髪色はおそらく金で、長髪。だが聖闘士星矢世界でよくあるしなやかになびく髪ではなく、どことなく羊を連想させるモフモフした独特のヘアスタイルをしている(どうやってカットするんだろう…?)。
祭壇星座のハクレイと教皇セージとは親友という関係だった。しかし、出生は彼らと全く異なり、おそらく21世紀ごろの未来世界に生まれ、その時代、牡羊座の黄金聖闘士として冥王ハーデスとの聖戦に挑みながら、アテナ軍の(何らかの理由…おそらくタナトスとヒュプノスの双子神の猛威による)完全敗北に直面し、何人かの部下とともにわずかに生き残った聖闘士である。大敗後、暗黒の時代を変えるべく大神クロノスの神力で部下たちと共に時を遡り、セージ、ハクレイ兄弟の時代にやってきた、云わば未来人である(元の時代は、星矢達が生きていた時代とは異なる平行世界)。
クロノスが彼を過去へ飛ばした理由は、アヴニールが過去の世界に現われることによって、その後継者シオンが高い能力を持つ人材として育成され、さらにそのシオンが教皇となることで後世の時代に「神殺しのペガサス」である星矢を出現させて、未来世界に訪れる滅亡を回避させるためであったようである。いかにも神らしい遠大な計画だが、アヴニールはいわば神によって運命を弄ばれてしまったことになる。
なお、元々のハクレイたちの時代に於ける牡羊座の黄金聖闘士ゲートガードは、アヴニールがハクレイたちの時代にやって来た時点で戦死している(この挿話は別の外伝で語られる)。
自称「死に損ねた男」。元の時代で経験した聖戦において、冥王軍にアテナならびに教皇を殺されながら、黄金聖闘士である自分が生き残ってしまったことに深い心の傷を抱えており、そのためか過去に飛ばされてからの戦いぶりはハクレイが見かねるほど命知らずで、ふたたび巡り会うことになったアテナへの忠誠心も篤い。
元の時代で仕えた(おそらくまだかなり年少だった)アテナに対し、聖闘士として以上の(兄から妹へのそれのような?)愛情があったようで、冥王軍に処刑された彼女の首を抱いて絶叫する場面がある。満身創痍のまま、わけもわからず過去に飛ばされてなお冥王軍と戦い続けた理由も「アテナ様の無念を晴らしたい」だった。過去世界の(やや年長の)アテナとも心を交わしており、最期は彼女を庇って戦死を遂げたようである。
「牡羊座(アリエス)の黄金聖闘士は、12宮第1宮の守護者として、一番初めに盾となって死ぬべきだ」という信念の持ち主で、この姿勢は後継者のシオンやムウに引き継がれ、彼らの生き様に影響を与えていく。
ハクレイならびにセージに看取られて死去したのち、その遺骸は彼らの故郷ジャミール地方の一角に葬られた。これはジャミールに伝わるムー大陸の高度文明の力によって、元の時代の仲間のもとへ帰りたいという願いによるものだったようである。彼のたどった人生が苦難の連続であったことを知る兄弟は、その魂が未来へ帰れたかどうかを案じていたが、そもそもアヴニールが過去に現われた時点で未来はだいぶ改変されているはずで、彼が生まれた時代それ自体が消滅している可能性が高い。アヴニール自身も生前、「仮に未来を変えられたとしても、(本当に再会したかった)元の時代のアテナにはもう会えないだろう」と予感していた。
残酷な神の思惑によって弄ばれながらも、毅然と生きた誇り高い戦士ではあったが、孤独に苦しめられた悲劇の男でもあった。
なおアヴニールを元の時代で苦しめた双子神タナトスとヒュプノスは、過去の時代でも猛威を振い、ハクレイ・セージ兄弟の同志たちを多く死に至らしめた。この怨念はさらに二百数十年後の次の聖戦に持ち越され、双子神は兄弟それぞれの命と引き換えに封印されることとなる。
下記の技は2つとも後世の牡羊座に伝わっており、結果論ではあるが、多くの聖戦を牡羊座の聖闘士が生き抜くための術を伝えたと言えるかも知れない。
技:スターライトエクスティンクション、スターダストレボリューション(聖衣に残っていた記憶としてシオンとともに放った)