CV:斧アツシ
概要
時透無一郎専属の職人であったが、心臓の病で亡くなる前に鉄穴森に彼の刀の製法を託していた。
存命時は、剣士と刀鍛冶としてのやり取りの中で過去の悲劇から怒りと悲しみを抱えつつ、記憶の障害によって悩み惑う無一郎の事を彼なりの私見で受け止め、彼の現状とその未来を最期まで心配していた。
「誰が分かってくれようか お前さんのことを」
「お前さんがどれだけ手一杯か どれだけ限り限りと余裕がないか」
その言葉通り、この頃の無一郎は失った記憶を取り戻す事も含め鬼殺の剣士として邁進する事を心の支えにしていたために、それ以外の「他人への配慮に気を配る余裕がない」状態だった事から鉄井戸の言葉に込められた気遣いを感じる事も思い返す事もできなかった。
「鉄井戸さん ごめん 迷惑かけたなあ」
「だけど俺は もう 大丈夫だよ」
玉壺との戦闘の最中で記憶を取り戻し、鉄穴森との会話の中で彼の言葉を思い出した無一郎は、自分を深く案じてくれていた事に気づかなかった事を悔やみつつも彼に感謝の意を述べた。
余談
鉄井戸の声を担当した斧アツシは、無一郎役の河西健吾の初主演作となった機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ内のナディ・雪之丞・カッサパ役で出演している。
河西が演じた主人公、三日月・オーガスを始めとした少年兵から「おやっさん」と呼び慕われていた数少ない大人の理解者たる老整備士という構図が、戦う才能を持つも天涯孤独の身の上で不安定な少年剣士を気に掛ける老刀鍛冶師という形で再演されたように見えた一部のファンの間で話題になった。