概要
古生代・ペルム紀中期に生きていた単弓類で、いわゆる哺乳類型爬虫類(獣弓類)の仲間。きわめて大きなくくりでは哺乳類の遠い祖先にあたる(直系祖先ではなく「祖先の遠縁」といったところが正確)。化石発見地は南アフリカ。
名前は「子牛の顔」という意味だが角はなく、代わりにとても分厚い頭骨が特徴。この「石頭」はオスが縄張りやメスを巡る争いに用いたと考えられているが、ヤギやシカのように頭突きしあったのか、パキケファロサウルスのように胴体などを狙ったのかは不明。
ちなみにモスコプスは体長2.4~5mに達し、体高もある上、重厚な体躯をしていたため、体重はかなりあったと思われる。そのため古生代の陸上動物としては最大級の種であり同時に当時までの陸上動物では最大級であった。なお食性は植物食で、体格の割に穏やかな性格だったとされる。モスコプスは多くの化石が発見されており、繁栄ぶりが窺えるが、ペルム紀中期末に起きた地球環境の激変で絶滅してしまった。