概要
遠山かなめと同じく、米国政府の機関ロスアラモス・エリートにより生み出された『人工天才(ジニオン)』で、元同国のRランク武偵。
なお『Rランク』とは、小国の軍隊を1人で相手に出来るという『Sランク』以上のレベルで、世界中でも7人(日本には1人)しかいない。
名称の由来は、各国首脳や王族の専属に選出される程の存在であるため、『Royal』の頭文字から取られた。
現在は、アメリカ軍非外郭戦闘部隊『ジーサード・リーグ』のリーダー。
その正体は、主人公遠山キンジの父遠山金叉の遺伝子を50%受け継いだ人工天才。つまり、遺伝子上はキンジの腹違いの弟にあたる(もっとも本人曰く、生まれたのはキンジとはほぼ同時期だったらしく、本当に「弟」であるかは不明)。
そのためHSSも使用可能で、彼の場合の「性的興奮」のトリガーは、自身が「美しい」と感じた芸術品・美術品。
長い間「GⅢ」という製品番号のみで呼ばれていたが、原作12巻でキンジの祖母セツから“金三(きんぞう)”という日本人らしい名を与えられた。ただしかなめとは違って、彼自身は気に入っていない。
ニューヨーク・マンハッタンにある、通称『ジーサードビル』という高層ビルをグループのメンバーと共に本拠地としている。
そのビルの様子や億単位のスーパーカーやプライベート機を所有している描写からして、アリアに劣らない富豪である事が窺える。
略歴
研究所に居た頃は、詳細は不明であるが唯一の理解者であった“サラ”という名の研究者がジーサード自身が原因で起きたという訓練中の事故で亡くなってしまう。
彼女を蘇らせるために、神崎・H・アリアの持つ『緋弾』の時間を跳躍する力を利用しようと、かなめを連れて研究所を脱走。
自身に差し向けられた追っ手を戦い、自身のカリスマ性により逆に部下として引き入れるという事を繰り返しながら、最終的に『ジーサード・リーグ』と呼ばれるグループを形成した。
そして「人工天才が戦争の抑止力になる」と本気で信じていたサラの遺志を継いだ事からなのか、キンジの前に現れるまでは世界中の紛争地域を渡り歩き悪党狩りをしてきた(加えて、閉校の危機に陥った近所の小学校に金銭支援をして彼の名前を冠した新校舎が再建されるなど、一部の米国市民には『ヒーロー』として知れ渡っている。そのため、敵対関係にあるはずの米国警察や軍人の中にも親ジーサード派の人間が少なくはない)。
人物
容姿
容姿はキンジに非常に似ており、側から見ても双子だと思われる程(ただし、キンジより筋肉質)。
私服においては奇抜で派手なものを好み、初登場となった原作8巻ではキンジ曰く「ピエロのような服装」で現れた。
ビジュアルについては、スピンオフの『AA』第54弾の扉絵で先に発表され、原作では30巻で解禁となった。
性格
基本的な性格はかなり短気かつ凶暴で、好戦的。一方で、かつての仲間であるかなめがアメリカに目を付けられないように工作(手加減した状態で倒し、あたかも殺したかに見えるようにした)したり、自分が万一に何かあった時に備えて部下達に予め大金を渡しておくなど、根はお人好しかつツンデレ気質(そのため、部下には非常に慕われている)。
キンジとの一騎打ちに敗れた後は、呼び捨てにしていたキンジを「兄貴」と呼ぶようになった。以降は、12巻で慣れない「一般人」の生活に悩むキンジを心配して彼を尾行したり、キンジから正式に共闘の申し出をされたりした時などに心底嬉しそうにしており、素直にはなれないもののキンジを『兄』として強く意識したり慕う様になっていった。
また、自分が横に居る時にキンジが他の女性に現を抜かしている(?)と嫉妬する素振りを見せる事もあり、かなめ程ではないものの、中々のブラコン振りを見せる様になった。
キンジと同様、女性の好意には疎く、特にツクモはジーサードから散々な扱いを受けている。
ヒステリアモードのトリガーのためか、芸術が分かる模様。作中では暴走族の特攻服を「美しい」と称賛したり、15巻の大晦日には某大御所女性歌手の歌番組での恒例の豪奢な衣装に感嘆の声を漏らしていた。
能力
290という驚異的なIQ数値を誇り、非公式ながら幾つものオリンピック記録を塗り替えているなど、金叉の身体能力が強く遺伝していると考えられる。
キンジに匹敵する能力を持っていると思われるが、キンジが近くにいると「いいところを見せようとする」ため、本来の力を発揮できない。
キンジと対峙した際は互角だったどころか、ヒステリモードの倍率で勝っていた分優勢でもあった。当時からジーサードがどれ程成長しているかにもよるが、今でも相当な能力を秘めていると考えられる。
素の能力だけでなく、かなめと同様先端科学技術を用いており、ジーサードがよく使用するのはプロテクターと光屈折迷彩の2つ。
H&K USPマッチモデル、ファイティングナイフ、FIM-92(スティンガー)を武器として所有しているが、「銃なんてオモチャ」との考え方から基本は徒手格闘で戦う。
キンジと同じく遠山家に伝わる奥義を使い、技名は独自で付けている。
活躍
『宣誓会議(バンディーレ)』の時に初登場。極東戦役に参戦したものの、『眷属(グレナダ)』、『師団(ディーン)』どちらへの所属も宣言せず、参加者全員に宣戦布告して去っていった。
次の9巻の最後に再登場。かなめと共にバスカービルを襲撃する。
原作11巻では、緋弾を持つアリアを手中に収めるため、キンジに決闘を申し込む。
互いに全力のHSSで激闘を繰り広げた末に敗北。最後はキンジを助ける形で海に落下し死んだかと思われていたが、後に生存が確認された。
それ以降は上述の通り、呼び捨てにしていたキンジを「兄貴」と呼ぶようになった。
12巻で早い再登場を果たし、キンジの実家にかなめと共にホームステイしていた。