CV:川島得愛
「その公安部とは、我々検察庁ですか?それとも警察庁の方ですか?」
概要
『名探偵コナン』の劇場版第22作『ゼロの執行人』に登場するゲストキャラクター。
東京地検公安部所属の検事で、負け知らずの凄腕として有名。40歳。
逮捕された小五郎の事件を担当することになり、否認を続ける彼を取り調べるが、サミット会場爆破の動機が全く見えてこないことに疑問を抱く。
起訴の方向で進めようとする上司・岩井に、追加の捜査を依頼しようとするが……?
余談
関連タグ
※以下、『ゼロの執行人』の重大なネタバレがあります
本作で発生した一連のIoTテロ事件の犯人。
公安警察への憎しみから今回の犯行を計画し、サミット前の国際会議場を爆破し、警備に当たっていた公安警察官を多数殺害。更に無人探査機「はくちょう」のカプセルを警視庁本舎に衝突させようとした。
動機は羽場二三一が自殺したこと。
裁判官への道が絶たれた羽場(詳細は羽場の記事を参照)を公安警察に協力する民間人「協力者」として雇っていた。公安の「協力者」は危険な捜査も多々あったものの、2人の絆は深まり、「一心同体」と言える関係になっていた。
しかし羽場を雇ってから約2年後に「NAZU不正アクセス事件」(NAZUはコナン世界でのNASA)の捜査を羽場に頼み、被疑者の出入りしていたゲーム会社を調べさせるが、そこに事件を追っていた公安警察が羽場を窃盗犯として逮捕してしまう。
公安の「協力者」は、通常はすべてゼロ(警察庁公安部警備企画課)に報告され番号で管理されるのだが、公安刑事同士は互いの「協力者」を知らない事が殆どだった。しかも日下部のような公安検事に「協力者」がいるというのは前例のない…というか殆ど禁忌同然の事態だった(劇中では公安検察は公安警察よりも人数やノウハウのレベルが劣り、立場が弱いと扱われているため)。ゆえに羽場は自分が日下部の「協力者」と知られたら日下部が公安検事を罷免される可能性から自分の素性を公安刑事に告げることはなかった。
結果、羽場は自殺に追い込まれ、上記の力関係も相まって「公安警察の力が強い限り、公安検事は自らの正義を全うできない…」という思いからテロを計画した。
しかしテロを察知した安室が小五郎を犯人に仕立て上げた事で計画に狂いが生じ、小五郎の無実を証明すべくIoTテロを断行。また、NAZUで既に犯人を追跡するシステムが完成している事も誤算となり、バグを作ったNor(コナン世界でのTor)でアクセスし、ダミーを警察に見つけてもらうために岩井のスマホを発火させた。岩井のスマホを発火させたのは、公安の言いなりで自分の立身出世しか考えていない岩井の姿勢への非難の意味合いもあると思われる(羽場の弁護を依頼されても、公安案件のため全く相手にしていなかった)。
しかし、公判前整理手続きの際に、犯人しか知りえない本当の発火物(IoT圧力ポットの破片)を証拠申請してしまい、それに気づいたコナンに犯人だと見破られる。
IoTテロという手段は極力被害者を少なくするために選んだ。それでも誰かが犠牲になる可能性は十分あったが、その事をコナンに指摘されると「正義のためには多少の犠牲は仕方が無い」と返す。
するとコナンに「そんなの正義じゃない!」と自分の信じていた正義を真っ向から否定されるのであった。
不正アクセスをして変更したコードを言うようコナン達に迫られるも黙秘を決め込むが、コナンが見せたスマホの映像により状況は一変する。その後の動向や顛末は羽場の記事を参照。
羽場が自殺した悲しみや公安警察への復讐心は切実であるが、それで大規模なサイバーテロを起こし、結果的に無関係な人間を大勢巻き込んでしまったことは許されることではなく、政治的な観点からも極刑を受ける可能性が高い。
事件後、公安の判断により、世間には日下部の動機が「「犯罪の手引書」のような警察の捜査資料に感化されたから」と公表された。曲がりなりにも信念を持っていた日下部がなんともキ○ガイな理由で犯行に及んだと世間に認識されるのは不憫である…。