千葉貴之
ちばたかゆき
やあ。驚いてくれた?
戦闘スタイル
演の極み「写し」
一度見た人間の動きと技を100%トレースする技術。口調や仕草、雰囲気まで完璧にトレースするため、千葉の顔や体格までも別人に変わったと錯覚するほどである。
トーナメント登場時までに千葉が使用できるのは48名分にも達するが、丸々取り込んでいるのではなく、必要な技術のみを再編し、つなぎ合わせている。
ただし動きをトレースできても身体能力は千葉そのものであるため、理人の「レイザーズ・エッジ」や呉一族の「外し」といった「身体能力に依存する技」はトレースできず、さらに1動作(連携)につきコピーするのに2時間かかるなどの弱点もある。
この能力により過去には「棋士に"成った"」こともあり、拳願号では大久保直也を賭け将棋でコテンパンにやっつけている。
その場の瞬時の状況から咄嗟に適切な技を使うことには秀でており、その閃きと判断力の武才そのものは作者も単行本のコメントで太鼓判を押している。
しかし、逆に対戦相手のスタイルなどから来る相性のいい技よりもその瞬間の使いやすい技を優先させてしまう点に穴があり、初見泉との試合では相手の土俵で挑む愚を犯してしまった。
活躍
以下ネタバレ注意
「写し」の能力を最大限に活かすため、雇用主の義武に観戦試合数が増える終盤のDブロックを選択してもらい、2回戦以降はトレース技を最大限に増やして覚醒する予定だった。これによりトーナメントで仕合を行った22人と、表の試合の映像があるガオランと大久保の技をトレース。時間不足でそのほとんどは実戦投入できるレベルではないものの、ブラフとしては十分通用する程度には体得した。
1回戦では初見泉と対戦。
仕合前に老人の動きから突如として元の動きに戻る演技を見せ、さらにガオランと大久保の技の一部を披露。「打てばガオラン。組めば関林。グランドでは今井コスモ。」「君が闘う相手は、『千葉貴之』ではない。24人の闘技者たちの『合成獣(キメラ)』だ」というブラフを交えた大見得を切り、精神的に初見より優位に立つ。まさに千葉は大舞台で役者を演じていた。
仕合が始まると警戒を呼び込んだ甲斐あって初撃を加え、立て続けに演技する技を替えながら優位に立つ。しかし合気道の達人である初見に合気道の技で挑んでしまった瞬間、技をかけ返されて叢雲三連の一撃で失神、敗北した。仕合開始からわずか26秒の出来事であった。
仕合後はすぐに復活し、東電のクーデター時には鎮圧を行った。最終日には他の闘技者たちと仕合を観戦している。
存在感はあまりないが、物真似を生業としているだけあって観察眼は鋭く、的確なコメントが多い印象。