セイバリオン
せいばりおん
スペック
概要
ヘリック共和国軍が鉄竜騎兵団の機体を参考に開発したライオン型SSゾイド(超小型機)。
超小型機ゆえに小回りが効き、抜群の運動性能を活かした格闘能力を最大の武器とする。全身のブレードのほか、基本装備の爪や牙まで超振動刃化されているため、接近戦なら後述のガンタイガーを上回るとされる。
薄い装甲を機動力と小型ボディーによる回避で補いつつ、機体の各所に備えた複数の超振動ブレードで敵を切り裂く技術がパイロットに求められる機体。
他の格闘系ゾイドに良く見られる火器やEシールドやブースターなどの補助装備は持たず、限られた積載量を全て運動能力に振り向け、むしろ小柄であることを活かして素の性能の発揮のみを追求するという割り切った設計である。
後述するように、実戦でも小型機ゆえの隠密性で敵の包囲網を潜り抜けるという作戦に抜擢されていた。
こうした設計が採用された背景に、共和国が追い込まれ余裕を失っていた当時の戦況が影響していると考えるゾイドファンもいる。
ネオゼネバス側のガンタイガーは、このセイバリオンを参考に開発したとされAZ105mmスタティックマグナム以外のすべての装備が共通している。それぞれ、格闘のみを追求したライオンと、一点豪華な火砲を積んだトラという、様々な要素が対照的な機体となっている。
ヘリック共和国が滅亡し、中央大陸を乗っ取った鉄竜騎兵団が建国したネオゼネバス帝国によって追い詰められた共和国軍は、より低コストな量産ゾイドとしてブロックスゾイドを主力小型量産機に採用し、セイバリオンは十分な性能を持ちながら非常に配備数の少ない幻のゾイドとなってしまった。
活躍
バトルストーリー
ZAC2101年12月に鉄竜騎兵団の侵攻でヘリックシティが陥落寸前に陥った際、完成したばかりの試作1号機がトミー・パリス大尉に与えられた。
同時にパリス大尉にはルイーズ大統領を脱出させると言う責任重大な命令が下る。
これは小型のセイバリオンならば追手の裏をかけるという判断であり、パリス大尉機の腹部には人が一人隠れられるスペースが確保され、大統領が乗り込んだ。
脱出行の中でダークスパイナーやバーサークフューラーなどトップクラスに強力なゾイドたちの包囲を突破し、最悪とも言える強敵ライガーゼロイクスとガンタイガーに捕捉された際も、「大統領を守り抜きたい」と言う強い決意を秘めたパリスのセイバリオンは戦い抜く。
ハイフリークエンシブレードでイクスの足を叩き切り、そのままヘリックシティからの脱出に成功したパリス大尉とセイバリオンだったが…激しい戦闘の中で隠し部屋のハッチが開いてしまい、ルイーズ大統領の姿は消えていた。しかし、ルイーズ大統領の遺したデータは後にゴジュラスギガ開発の礎となる。
つまり、本機は共和国の崩壊と反撃を象徴するゾイドとも言える。