◆忍◆ ニンジャ名鑑#42 【モーターヤブ】 ◆殺◆
オムラ・インダストリが送り出す、カーボンナノチューブボディ、逆関節をフィーチャーした量産型ロボ・ニンジャ。
機関砲やサスマタなど様々な武器を隠し持つ。相手の投降を受け付ける思考ルーチンにバグがあるが、仕様とされる。
(ネオサイタマ電脳IRC空間「ニンジャ名鑑」より抜粋)
「投降を受け入れました。ありがとうございます」
モーター概要
初出は第1部「スシ・ナイト・アット・ザ・バリケード」。
暗黒メガコーポ『オムラ・インダストリ』によって開発された機動兵器「ロボ・ニンジャ」の一種。
社長モーティマー・オムラが推進する『モーター理念』を体現するモーター・シリーズ栄光の一号機である。
ロボ・ニンジャという分類がされているが、ニンジャソウルを持たない純粋なマシーンであるため、正確にはニンジャではなく「ニンジャに相当しうる戦力を持つロボット」程度の意味合いである。
トットリ村の暴動鎮圧のために初出撃として3機投入されたのを皮切りに、以降の時系列でもカスタム機を含め長きに渡り活躍(?)する。
飛び跳ねながら装甲ジープに追随する俊敏な機動性とアサルトライフルの弾丸をものともしない重装甲、人間を跡形もなく血煙に変えてしまうほどの強力な重火器を装備しており、単純な火力では一機で一軍に相当すると言われる。
しかしそれらの長所が霞むほどに兵器としては欠陥があり過ぎ、作中でもヘッズからもポンコツ扱いを受けている。
- 投降を勧告するシステムが搭載されているが、投降したことを認識しながら容赦なく発砲・銃殺。
- 落とし穴を回避し踏みとどまる程度にバランス能力はあるが、ロープなどで簡単に足元を掬われる。
- 降着位置を間違えて民間のトラックや一般車両を踏み潰す。ついでに関係ない民間人も踏み潰す。
- 警察に一時期採用されたこともあったが、相次ぐフレンドリーファイアで遺族への慰謝料がうなぎのぼり。
これらのAI面での欠陥やバランス制御の不安定さを改善するべく、新たなるロボ・ニンジャ『モータードクロ』が開発されることになるのだが・・・。
攻撃を受けた時の悲鳴は「グワーッ!」ではなく「ピガガーッ!」。
被破壊時には「サヨナラ!」も言うことも。
ちなみにその後も「ヤブ改善」「ヤブ再び改善」などアッパーバージョン含めて何度も登場することになるが、登場する毎に破壊されるまでの時間が短くなっている。要はオムラ版のクローンヤクザのようなものである。ショッギョ・ムッジョ!
しかし、『アンエクスペクテッド・ゲスト』に登場したNSPD仕様モーターヤブは伝説のハッカー・サイモンジがWASD入力で操作していたこともあり、それまでのポンコツぶりが嘘のような大活躍を見せた。最後はカンゼンタイの覚醒に巻き込まれ大きなダメージを負い、機能停止に追い込まれた。
モーター外観
左腕にサスマタ(「電磁サスマタ」とも)、右腕にガトリングガンを装備。
カンガルーめいた逆関節で、背中にオムラ社紋とカタカナで「モーターヤブ」の刻印がある。
一般受注生産品にはそれぞれに合わせたカスタムが為されたものも多く、たとえば中華飯店「スコシ・シャンハイ」に配備された「後期改善型」は中華風のペイントが為され、アイサツも「ニーハオ!」である。
また、タダオ大僧正所有の「ホーリーヤブ」及び「ヘヴィホーリーヤブ」は黒漆塗りに黄金装飾とオブツダンめいた外観であり、ガトリングガンも「黄金マニ装飾ガトリングガン」とされている。
モーター武装
サスマタとガトリングガンがメインウェポンだが、頭部にも機関銃を格納。
「ヤブ改善」では両肩にガトリングが増設、更に「ヤブ再び改善」はロケットランチャーを装備している。
モーターバリエーション
モーターヤブ
本項に記述されている初期型のモーターヤブ。
主に第1部に登場し、第2部以降は改良型に置き換わっていった。
モーターヤブ改善
モーターヤブの改善バージョン。ジェットパックを装備して短時間なら飛行可能だが、この機能に関しては試作段階らしく不調が多いらしい。
両肩にガトリングガンを増設して武装が強化されているが、オジギ中に発砲するポンコツAIは改善されているようには見えない。というより、改善と言いながら「投降を受け付けないのは仕様でありバグではない」という、開発の開き直りも見え隠れする。
モーターヤブ(払い下げ品)
お役御免になったモーターヤブが市中に払い下げられたもの。
どこから流出したのかは謎だが、少なくとも乱戦中もフレンドリーファイアをしない程度にはAIが改善されている(というか、最初からオムラできちんとやっていれば良かったような気もする)。しかし、ニンジャソウルの違いまではわからないらしい。
なお、降伏を受け付けるという発言については購入者曰わくバグらしい。
特注モーターヤブ
オムラの子会社が保有する特注品のモーターヤブ。
白い外観にオレンジの社紋が特徴。太陽光発電パネルを備え、武装は電磁サスマタのみ(他は描写がないため不明)。一応、「投降は受け付けない」と言っているので、AIが多少は改善されているようだ。
所有しているのはレジャー企業なのだが、武装したロボットを配備しているところに闇を感じる?モーター理念の前にはTPOなど些末な問題なのだ。
モーターヤブ再び改善
オムラの手ではなく、オナタカミの手によると思われる改良モデル。
改善と比べてロケットランチャーが追加され火力が向上している。
フレンドリーファイアはしなくなり、サンシタニンジャ程度なら難なく撃破できる…が、センサーがダメダメで自販機の陰に隠れた不審者を発見できないというポンコツ。
モーターヤブ後期改善型
モーターヤブの後期改善型。オムラの手によるものらしい。
オムラ製らしくAIのポンコツぶりはそのままで、フレンドリーファイアを起こした(乱戦中だったので、仕方ないかもしれないが)。作中登場した機体は中華料理店に置かれていたため、中華風の装飾がしてあった。
密かにアイサツが中国語に対応している。…そこを直すならAIを直すべきだと思うのは本項筆者だけではないだろう。
ホーリーヤブ
タダオ大僧正…もとい、ブラックロータスの身辺警備・PR用モーターヤブ。
「歩くオブツダン」と評される荘厳な装飾が施されている。また、オナタカミによりAIが改良されており、10秒は投降を受け付ける。
武装は電磁サスマタと黄金マニ装飾ガトリングガン。
また余談だが、この武器は攻撃の際にマニ車を回転させる。
つまりガトリングを撃ちながら功徳を得ているというとんでもない代物。
これもマッポーの世の一側面なのだろうか。
アサルト・ホーリーヤブなる機体も存在するらしいが、詳細は不明。
ヘヴィホーリーヤブ
タダオ大僧正の特注品モーターヤブ。
通常のモーターヤブの3倍もの巨躯を誇る巨大モーターヤブ。オムラの遺産であり、AIのポンコツ加減もそのまんま。とはいえその大きさとガトリングガンの威力は驚異的…だったのだが、ニンジャスレイヤーとナンシー・リーの連携でわずか1分で撃破された。
モーターヤブNSPD仕様
ネオサイタマ市警にごく短い間納入されていたモーターヤブ。
ポンコツAIのせいで役に立たず持て余され、スガモ重犯罪刑務所に放置されていた。警察で暴徒鎮圧用に使用されていたらしく、赤色LEDと電磁サスマタを装備。
AIがマトモなら大活躍できるらしく、伝説のハッカーが外部からWASD入力で操作した結果ニンジャ妄想に取り憑かれて暴れるサイコパスの元スラッシャーを制圧電磁サスマタで瞬殺するなどの活躍を見せた。
医療用モーターヤブ
医療用に配備されたモーターヤブ。
名前の時点で色々と縁起が良くないが、それ以上にこんなポンコツ兵器をどうやって医療用に改装したのかは謎。そもそも普通に砲撃しているので明らかに武装している。
モーター元ネタ
オムラ社のモデルがロボコップに登場したオムニ社ということもあって、法執行ロボットED209が元ネタではないかと言われている。
実際、こちらもAIやバランス制御に問題を抱えるポンコツであり、物理書籍やアニメイシヨンでのデザインもED209そっくりである。
勿論「銃を捨てて投降しろ」といいつつ「銃を捨てて投降した本機のデモンストレーション参加者の社員を射殺する」のも元ネタ通りである