概要
製作者はあつきん氏。
インディーゲーム製作個人サークル『PROJECT ATSUKI』による2D格闘ツクール2nd製の同人格闘ゲーム。
80年代の少年漫画と90年代初期の格闘ゲームのテイストを踏襲しており、北斗の拳を髣髴とさせる荒廃した世界観と、劇画調のキャラクターが繰り広げる本格的、かつダイナミックなアクションが特徴。
ストーリー
一作目及び外伝(天龍)ストーリー
『アクセルシティ』それは冷戦時代、アメリカを中心に西側の各国を代表する大手8企業により同盟国の更なる統一と発展の為の第一共同企業国家として開発された人工島海上都市である。
しかし計画を進める先進国と開発途上国との摩擦、相次ぐ東側との紛争、それに次ぐ世界的な大恐慌を期に大量の難民と失業者が溢れ、街は人種のルツボと化し、結果、計画は空中分解、乱開発のままその形を留め…アクセルシティは世界で最も有名なクライムビルとして成長して行く事になる…。
だが、そんな無法の街にも人々を纏める事が出来る物があった…。それは「ストリートファイト」。
人種の壁を越えて語れる「暴力」という名の原始的にして不変の共通語…。力ある者が栄光と金を手にし、各エリアを統治して行く…。短い歴史の中でいつしかそれは『アクセルファイト』と呼ばれる異種格闘技大会へと成長し、人々はその宴に狂信した。
真の強者が到達する場所、アクセルシティ…。様々な業を背負いし者達の熱き闘いが今始まる…。
(ゲーム付属マニュアルより引用)
『2』ストーリー
『アクセルシティ』それは世界各国を代表する大手企業により開発された人工島海上都市である。
街を裏で操作する悪の組織バウマッドを中心に世界を汚染している麻薬『マッドリバース』
それに挑む世界警察『秘蔵』の活躍により製造ルートの手掛りを掴む事に成功。事件は幕を閉じる。
そして2年…海中の新たな資源の発掘により街は更なる発展を遂げていた。
世界平和サミットが迫る中開催される、異種格闘大会アクセルファイト。
その裏でうごめく新たな悪の影...それに立ち向かう秘蔵。
様々な因縁を背負いし者達の熱き闘いが今、再び始まる…。
(アーケード版リリース記事より引用)
キャラクター
※あつきん氏による『2』キャラクターイラスト
一作目より登場
- アギト
物語の主人公で殺人拳「極殺拳・闇(ぎょくさいけん・やみ)」の使い手であるアクセルシティ出身の日系人。
マフィア200人を虐殺した罪で投獄された元・死刑囚だったが刑執行寸前に公安組織「秘蔵」により釈放されたのち、世界的麻薬「MR(マッドリバース)」を流しながらアクセルシティを統治している同門の親友ケンジの真相を確かめる為、封印していた拳を解き秘蔵の捜査官としてアクセルファイトに参加している。
- レェイディ
物語のヒロイン格。ジークンドーにヌンチャクを操る「華棍連環術(かこんれんかんじゅつ)」の使い手である秘蔵の敏腕捜査官。
MRの裏ルートを探るべくチャイナタウンの組織「バウマッド」のボス・D王の部下に成りすまして潜入捜査している。
同じ秘蔵の仲間であるアギトを死刑囚として当初は快く思っていなかったものの、彼の過去や本来の心優しき性格に触れていくうちに想いを寄せるようになる。
- ギリアン
物語のもう一人の主人公格。合衆国秘密特殊部隊「ブラッドショルダー(BS部隊)」の元・隊員で軍隊格闘術「デスダストミッション」の使い手である秘蔵所属のエージェント。
世界中のテロ組織に横流しされている核兵器の入手ルートを突き止める任務を受け、レェイディと共にアクセルシティに潜入している。
ストーリー序盤はアギトの素性を怪しむなど秘蔵の捜査官としての描写で始まるものの、後半より本来の任務から離れてギリアンの過去に振れる独自の展開で進んでいく。
- ウルフファング
シャーマンの一族「サンドゥ」の血を引くスラム出身の元・プロレスラー。マフィアからの八百長試合を断った事で表舞台から姿を消しアクセルシティのストリートファイトに流れ着いた。
アクセルシティのスラム街で暮らす孤児達を育てる為にアクセルファイトに身を投じている。
妻・ロレインと街の孤児達を大切にする心優しき性格で、危険な闘いに赴くアギトに対しても過去への深入りはしないものの気にかけている。
- オリオス/オリオス・ギルガ
ローマ時代から無敵の闘士として崇められている貴族「ギルガ家」の正統後継者であるグラディエーター。
敗北を屈辱と考える誇り高い性格で、亡き父が唯一勝てなかった男・サバデに闘いを挑むべくアクセルシティに舞い降りる。
オリオスの格闘スタイル「セントグラディウス」はボクシングに近い拳のみによるパワー系の攻撃で、キックボタンでもパンチ技を繰り出す。
『2』ではライオンハードのプロレス団体「サンライト」のスポンサーにも就いている。
- ミリアス/ミリアス・ギルガ
オリオスの妹で自分よりも強い者との闘いを求めるヴァルキリー。
オリオスの後を追ってアクセルシティに降り立ち闘いを続けていくうちに、兄の仇敵・サバデの娘であるマリアと出会い良きライバル同士になっていく。
オリオスと同じ「セントグラディウス」の使い手であるものの、兄と違いキック技も用いた素早い攻撃を繰り出す。
- アザミ/冴羽アザミ(さえば あざみ)
戦国時代から続くくノ一集団「冴羽一族(さえばいちぞく)」の血を引く若き頭首。
武器を持たず徒手空拳のみで極めた忍術「冴羽竜神拳(さえばりゅうしんけん)」の使い手。
実の母である前頭首の仇であり冴羽一族に伝わる秘拳の伝書を奪って抜け忍となった実の姉・カズミを抹殺すべくアクセルシティに降り立つ。
- ライオンハード
プロレス団体「サンハート」の社長であり、齢40代過ぎてもなお格闘技最強の称号を持つ現役のレスラー。
かつて自分が唯一勝てなかった漢・ウルフファングが表舞台から姿消したのちアクセルシティに居ると聞きつけ、「最強の獅子が狼に負けてはならない!」の信念でアクセルシティに舞い降りる。
作中数少ないコメディリリーフ的なキャラクターであり、ライバル視しているウルフファングの身の上を知ってからは彼を自分の団体にスカウトしようと試みるなど大らかで度量が広い好人物。
- マリア
アクセルシティにて強き者を目指して日々修行に励む「天覇猛虎流空手(てんはもうこりゅうからて)」の使い手である少女。日本人とイギリス人とのハーフ。
尊敬する父・サバデの後を追い、己が道を究める為にアクセルファイトにて闘いを続けていくうちに終生のライバルとなるミリアスと運命の出会いをする事となる。
ミリアスや同門の弟子・ガオウからは好意を寄せられているものの、修行一筋だからか恋愛感情に気付かず別の方向に解釈する天然な一面も。
- サバデ
アクセルシティの歴史と共に生きてきた「天覇猛虎流空手」の使い手である日本出身の空手家。
アクセルシティに不穏な動きが起きているのを察し、老兵ながらもアクセルシティに身を投じる。
作中の多くのキャラクターから伝説の存在として尊敬されている格闘家であり、アクセルシティの暗部とは無関係なキャラクターのストーリーモードではボスキャラを務めている事が多い。
- ヴラド
バウマッド傘下の傭兵組織「デスドッグ」のボス。
アクセルシティにて武器密売に要人暗殺等、様々な非合法活動を請け負っている。
かつては「ブラッドショルダー」の隊長であり、ギリアンと同じく「デスダストミッション」の使い手でもある。
- D・王/ディン・ワン
物語のラスボス格。中国に伝わる非情の暗黒拳「蛇鉄千蹂拳(じゃてつせんじゅうけん)」を極めた漢。
ケンジの傘下であるチャイナタウンの組織「バウマッド」のボス。
アクセルファイトを裏で操作し、MRをはじめとするブラックマーケットの拡大を目論んでいる。
実はアギトとケンジが極めている極殺拳と深い因縁を持っており、『2』では物語の根幹として大きく描かれている。
- カズミ/冴羽カズミ(さえば かずみ)
「冴羽一族」最強のくノ一と謳われた女性で、冴羽流現頭首・アザミの実の姉。
実の母である前頭首を殺害し、一族に伝わる秘拳の伝書を奪って裏切った抜け忍として追われる身ではあるが、何か真意を持ってアクセルシティに留まっているなど彼女の行動には不可解な点が多い。
抜け忍として活動中にケンジと出会い、彼と共に行動していく中でお互い恋人同士として惹かれ合うようになっていく。
- ケンジ/月王寺ケンジ(つきおうじ けんじ)
一作目におけるラスボス格。アギトの親友にして同門のライバルである「極殺拳・闇・攻の型(ぎょくさいけん・やみ・こうのかた)」の使い手。
暗殺拳・極殺拳の一族の生まれながら、血塗られし非情な一族の歴史を拒絶し心優しき拳士として育ってきたものの、ある事件をきっかけで一族に流れる忌まわしき血を好む性格が覚醒し、やがてアクセルシティを統治する真の極殺拳拳士として君臨する事になる。
かつてはアギトの妹と恋仲であったらしいが…。
- ミスター.ジョーズ
D王に雇われた用心棒である「轟速拳(ごうそくけん)」の使い手。
黒のスーツ姿とサングラスの外見で、闘いの後では常にタバコを欠かせないが非常に無口。
一作目では殆ど素性不明のキャラクターであったが、『2』では多少喋るようになり彼の過去やさる人物との因縁が描かれている。
- ミス.タイガー
D王に使える側近の一人で、千蹂拳の分派・十創拳の一つ「王虎軌犀拳(おうこきさいけん)」の使い手。
白のスーツ姿に糸目と微笑が特徴の女性だが、発狂しながら右手に備え付けた鉤爪で相手を切り刻む事に喜びを感じる真性のサディスト。
ジョーンズと同じく一作目では殆ど素性不明のキャラクターであったが、『2』では彼女の過去やD王に仕えるようになった経緯が描かれている。
- ライホウ/來鵬(らいほう)
D王の部下にして「バウマッド」やアクセルファイトを牛耳る闇の商人である老人。
闇の商人達に様々なデスゲームを提供する一方で、千蹂拳の分派・十創拳の一つ「月光餓殺拳(げっこうがさつけん)」の使い手として、杖を武器に自らストリートファイトに参加する事も。
実は物語の元凶的な存在であり、外伝の「天龍」でもストーリーデモに幾度も登場し、『2』でも物語の根幹に深く関わっている。
- 鉄(くろがね)
肉体を自由に操る「不動峯風拳(ふどうほうふけん)」の使い手である旅の僧侶。
布袋様以上にデッカイ太鼓腹を自由自在に膨らまして操る技が特徴の一見イロモノ的なキャラクターではあるが本人自体は至って硬派。
※3サイズも「B210 W測定不能 H200(『2』では196)」となっている。
不動峯風の経典を預かっているさる漢と会う為にアクセルシティを訪れる。
『2』では冴羽一族と共に行動している。
- ヒゲタ/髭田柔蔵(ひげた じゅうぞう)
「無双電刃空手(むそうでんじんからて)」の使い手である放浪の格闘家。
武者修行の旅をしていたところ、たまたま訪れたアクセルシティにて開かれていた格闘大会に参加する事になる。
作中随一のコメディリリーフ的なキャラクターで、大粒の涙を流して感動したり、ミスター.ジョーズにタバコのポイ捨てを注意したりしている。
※たけぼー氏制作の2D格闘ツクール2nd製フリーゲーム『DOTFIGHTERS』からのゲスト出演。
原作でのヒゲタはファミコン風のドット絵によるグラフィックで、『アクセルシティ』では大幅にグラフィックが変わっているものの、必殺技に技のモーションはほぼ原作通りに再現されている。
- ガオウ
サバデの弟子で「天覇猛虎流空手」の若き使い手であるアクセルシティ出身の青年。関西弁を喋る。
3年間の修業の旅で世界中の猛者達との闘いで得た成果を試すべくアクセルファイトに参加する。
師匠の娘であるマリアには恋心を抱いているものの、彼女が修行一筋で恋愛感情に関心が無いのとミリアスの横槍も入ってなかなか想いが実らない。
※あつきん氏曰く、元々は『龍虎の拳』風のバディものとして考えていたゲームの主人公の片割れがガオウの原型であるとの事。
外伝(天龍)より登場
- 白
- 鈴
- 紫雲
- ルイ
- 明雲
- 髑髏丸
- キャットハート
- シザー
- 蒼羅
- 朱羅
- 元舟
- タオ
2より登場
- クラウディア
- サヤカ
- ハヤト
- アヤメ
- エメ
- サンドラ
- ラディア
- レイザ
システム (格ゲーマー向けの簡単な説明)
ストリートファイター式の弱中強パンチ/キックの6ボタン式を採用。
必殺技キャンセル、スーパーキャンセル、ダッシュ攻撃、ゲージ溜め搭載。
挑発は相手のゲージを奪うタイプ。
ガードキャンセルは攻撃判定有り/無しの2種類を使い分け可能(ゲージ1消費)。
なお、同時押しを比較的多用する為ジョイパッドかJoyToKeyのマクロ機能、またはアーケードスティックの使用をお勧めする。
(公式ではセガサターンパッドの使用が推奨されている)
天龍(AXEL CITY外伝)
なお、当作品と同じシステム、同じ世界観による外伝作品も公開されている。
さらなるAXEL CITYの世界観に浸りたい方は勿論、
AXEL CITYを購入する前に操作感を確かめたい方にもオススメの一作。
AXEL CITY 2
2007年に発売された1作目から16年の年月を経て、アーケードゲーム基盤『exA-Arcadia』による業務用ゲームとして待望の続編が登場。
KADOKAWAが設立した子会社でツクールシリーズ製インディーゲームの事業を手がける『Gotcha Gotcha Games』の協力の元、アーケード仕様にカスタマイズされた2D格闘ツクール2ndをゲームエンジンとして使用している(←ここ重要)。
同じく2D格闘ツクール2nd製の『稲歩町ダイナマイトボム!!』と共に2023年2月のJAEPOで初出展、同年春の中野TRFと秋葉原Heyでのロケテストを経て同年7月より新宿スポーツランド本館にて稼働開始されている。
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