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概要編集

2001年12月5日に発売されたパソコン版ツクールシリーズの一種。

正式名称は「2D格闘ツクール2nd.」だが最後の「.」は省略される傾向にある。


2D格闘ツクール95(格ツク95)』の続編にあたり、作りこみの自由度や解像度が向上している。


2D格闘ツクールシリーズは95と2ndの2作品のみで未だに後継作が出ていないものの、後述の事情からWindowsのバージョンが進んだ2023年現在もほぼ現役のツールとして使われている。


pixivではこのツールで制作された作品のキャラクターのイラストにこのタグがつけられる。


95からの主な変更点編集

  • 解像度が95の「320×240」ドットから4倍の「640×480」ドットに変更。その気になれば市販レベルのきめ細かなキャラクターや背景等のドット絵が表現出来る様に。
  • また表示色も95のゲーム画面全体で最大256色からキャラクター、背景、エフェクト等素材一つ毎に最大256色に変更された為、パレットの減色処理の手間が省けて実質ハイカラーによる多彩な画面表示が可能に。
    • 一方で95にあった間合いによる画面の拡大縮小演出は廃止されている。
  • 変数機能の実装。これによりキャラクター独自の特殊ケージや構えチェンジ、疑似タッグマッチに超必殺技KO演出など、この変数機能だけで前作以上に自由度の高いゲームデザインが組めるようになった。
  • コンティニュー機能の追加。95では地味に実装されていなかったのでストーリーモードがプレイし易くなっている。コンティニューはYes、Noの選択式。
    • 95では負けそうになる寸前で乱入対戦機能を使う事で擬似的にコンティニューをする事は可能であったが、2ndではその乱入対戦機能が廃止されている。
  • プレイヤーセレクト画面が市販のゲームと同じ顔アイコンを用いた選択式に変更。
  • 一人プレイ限定だがストーリーモードにて1vs1の対戦だけでなく1vs複数やCPU操作のパートナーとの協力プレイも可能に。また敵キャラクターにファイターだけでなく武器や回復アイテムに障害物等も設定出来るため、擬似的なベルトスクロールアクションも製作が可能に。
  • タイトル画面でのモード選択に(オプションのデフォルト設定として)3vs3の勝ち抜き戦チームバトルが追加。但しチームバトルとして使用される事は稀で、1vs1のトレーニングモードとして代用されているゲームが殆ど。
  • 95にあった対戦前のVS画面や対戦後の勝利画面はストーリーモードのデモ画面で代用された為に実質の機能廃止。その為対戦モードでは(後述のアーケード版含めて)対戦前後の演出が無い為に若干盛り上がりに欠ける事も。
    • 一応キャラクターのスクリプトを工夫したり、対戦の制限時間を無制限にする事で(キャラクターのアニメーションの一部として)VS画面や勝利画面を表示しているゲームも多い。
  • 格闘ツクールに限った話ではないが、販売当時のツクールシリーズの規約改定により製作した格闘ツクール製ゲームを商用利用、いわゆる同人ゲームやインディーゲームとしてのリリースが可能に。そしてこの規約によって後述の20年以上に渡る現役のツールとしての命脈を保つ事に…。

主な作品リスト編集

フリーソフト編集


有償同人ゲームソフト編集


20年以上も続く現役のツクールに編集

95から大幅に機能追加されてパワーアップ版として申し分ない2ndだったものの、キャラクターのアニメーションパターンに背景のCG作成、スクリプトの組み立てに対戦のバランス調整など一人で製作するのには多くのハードルが立ちはだかるのは95の時と同様で、ツクール販売当時は多くのツクラーが製作に挑んだものの、企画段階で立ち消えになったり数キャラ実装の開発途上が公開されたまま消息を絶ったゲームが多く、実際に完成してフリーソフトとして公開された格ツクゲームはRPGツクール製のと比べて圧倒的に少なかった。

2008年には実質2ndの後継作といえる『アクションゲームツクール』(※)がPCで販売されるものの、ツクールとしての使い勝手の悪さにバグ対策を施さないサポートの不手際など格闘ゲーム以前にアクションゲームも十分に作れないレベルの完成度の低さが原因で格闘ツクラーの間では殆ど話題にならなかった。

(※)2018年に発売された『アクションゲームツクールMV』ではツクールとして大幅に完成度とアップデート頻度は向上しており、対戦格闘ゲームを作るのも不可能ではないものの格ツク以上に難易度が高い。


ツクール発売から8年経った2009年、2D格闘ツクール2nd製フリーソフトとして『ヴァンガードプリンセス』が登場。元プロのドッターであるスゲノトモアキ氏が数年かけて描き続けた超美麗なドット絵による美少女キャラ達と退廃的な背景、サポートキャラによる独自の戦略等がとてもツクール製とは思えないほど市販レベルに匹敵する高い完成度で、当時の複数のパソコン雑誌にて紹介されるなどゲーム業界でも大きな話題になる。

追加キャラが登場するバージョンアップ版の開発も告知されて格闘ツクラーの間では2D格闘ツクールの復権にも大きな期待されかかっていたものの直後に東日本大震災が発生。スゲノ氏の実家が震災で被災した為、当面の間続編の開発を中断するとの告知を最後に消息を絶った事で、バージョンアップ版が幻の存在となると共に『ヴァンガードプリンセス』のブームは終わりを迎えることになる。


しかし、その後もプログラミングの知識無しで自作の格闘ゲームを作れるツールが2D格闘ツクール2nd以外には殆ど無かった事に加えて、ツクールの規約により商用活用が可能だった事が幸いして作品数は少ないながらも新たなフリーソフトや同人ソフトが生まれ続き、ここ近年活発となってきているインディーゲームの分野にも進出。僅かに残った格闘ツクラー達が隅々までツールを使いこなしツールに残る様々な不具合や不満点は自分達で編み出したテクニックで殆ど解消、Windows Vista以降はツクールの動作保証がされていないのにも関わらず最新のOSでも動作が出来るよう研究し続けた甲斐もあり、発売から20年以上経過した現在でも現役のツクールとして格闘ツクラーの間で愛用され続けるソフトとなる。


そして――――。


2D格闘ツクール2nd、アーケードゲームに進出編集


ツクールの発売から22年経過した2023年、アーケードゲーム基板『exA-Arcadia』による業務用ゲームとして2D格闘ツクール2nd製による格闘ゲームのリリースが発表。

KADOKAWAが設立した子会社でツクールシリーズ製インディーゲームの事業を手がける『Gotcha Gotcha Games』の協力の元、アーケード仕様にカスタマイズされた2D格闘ツクール2ndをゲームエンジンとして、Windowsベースで設計されている『exA-Arcadia』上にて動作している。


主な機能追加編集

  • 95には実装されてたものの、2ndでは削除されていた乱入対戦機能の復活。
  • スコア機能及びハイスコアのネームエントリーとハイスコアランキング表示機能の追加。
  • コンティニューはアーケードの対戦格闘ゲームと同じ10カウント形式に変更。
  • タイトル画面後に流れるCPU同士によるアドバタイズ対戦デモの追加。
  • トレーニングモードの追加。CPUの動作設定にコマンド入力履歴、ダメージやコンボの数値表記など市販の格闘ゲームと殆ど遜色のないトレモ機能が実装されている(2023年8月のアップデートで実装)

アーケードゲーム参入第1弾及び第2弾のタイトルとして、既に数年前に格ツク製の同人ソフトとして出ていたゲームの続編である『AXEL CITY 2』と『稲歩町ダイナマイトボム!!』の2作品が発表。2023年2月のJAEPOで初出展、同年春の中野TRFと秋葉原Heyでのロケテストを経て同年7月より新宿スポーツランド本館にて稼働開始されている。




更に翌2024年――――



2024年4月27日に開催された対戦格闘ゲームイベント『EVO JAPAN 2024』のexA-Arcadiaブースにて第3弾以降のタイトルも発表。第3弾に『AXEL CITY 2』のアッパーパージョンとして格闘ツクール限界となる全50人ものプレイアブルキャラが使用可能な『アクセルシティ2 ザ・ファイナルストーム』、そして第4弾に『ヴァンガードプリンセスR』の開発が発表。

特に『ヴァンガードプリンセスR』に関しては『カオスコード』開発元で2D格闘ツクール95出身であるFK Digital社及びフリー格ツクゲーム『Angels of Battle』を制作している台湾・香港のディベロッパー『BV体制』等のサポートを受けて、2011年1月の最終更新から長い年月を経て13年ぶりに公式での続編タイトルの発表となった。


このアーケードゲーム進出がキッカケとなり第5弾、第6弾…と続くアーケード格ツクゲームが登場するか、そしてひいては格闘ツクールの後継作が実現なるか今後の行方に大いに注目したい。


関連タグ編集

アスキー RPGツクール 格闘ゲーム 格ゲー 対戦格闘ゲーム


StudioS:2D格闘ツクール2nd製の18禁同人ゲームを長年に渡って多数製作している老舗同人サークル。作品一覧は項目内を参照。

関連サイト編集

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