概要
『トゥルー・ラブストーリー』シリーズの系譜を受け継ぐエンターブレイン恋愛シミュレーションシリーズの一作。
とはいってもシステムの一部を継承している程度で製作陣はほぼ異なっており、『キミキス』以前の製作総指揮だった杉山イチロウ氏がプロデューサーであることと音楽が岩垂徳行氏であること以外は全く異なるチーム。
キャラクターデザインもTLSシリーズのグラフィックを担当し『キミキス』以降の作品のデザインを担当してきた高山箕犀氏ではなく、ヤマザキマサハル氏が担当。
また前作『アマガミ』と前々作『キミキス』は世界観が同一だったが、本作では繋がりはない。
2012年2月2日に発売された。また、追加要素が含まれた『フォトカノ Kiss』がPlayStation Vita用ソフトで2013年4月25日に発売された。制作はエンターブレイン。
CEROレーティングは「C」(PSP)・「D」(PSVITA)。
写真をテーマとしており、PSPをカメラに見立てて各ヒロインを撮影していく要素が盛り込まれている。公式サイト上、および広告展開におけるキャッチコピーは、「ファインダーの向こうのキミに……恋をした。」。
コミカライズ、小説、アニメなどのメディアミックス展開がなされている。
ストーリー
夏休みも終わるある日に父が新しいカメラを買うために旧式のデジタル一眼レフカメラを押し付けられた高校生の主人公は色々な写真を撮りたいと思い、翌日学校にカメラを持ち込んだ。学校中で女子の写真を撮影し、多くの女性と知り合った主人公はその様子を見ていたフォト部の部長と写真部の部長からどちらかの部に入るよう呼びかけられる。カメラを通じてヒロインたちとコミュニケーションを重ねてゆく。
ゲームの目的
フォト部もしくは写真部に所属する主人公を操作して女の子と会話しつつ、時には美しく時にはエロく写真を撮影し、女の子の好感度を徐々に上げていく。そして、約2ヶ月後の最後の日曜日に行われる学園祭で自分の活動の成果を女の子に見せ、告白を成功させるのが主な目的。
特徴
ヒロイン達を実際に撮影して、画像をメモリーに保存して鑑賞できるのが最大の特徴。また、主人公が所属することになる部活を選ぶことで、ヒロインにつき2種類のストーリーが展開される(初回プレイ及び2つのルートで攻略できるのはメインヒロイン6人のみで、隠しヒロイン達は1つのルートのみ)。
登場人物
メインキャラクター ※太字はメインヒロイン
- 前田一也(CV:島﨑信長)
- 新見遙佳(CV:伊藤かな恵)
- 室戸亜岐(CV:中原麻衣)
- 早倉舞衣(CV:金元寿子)
- 実原氷里(CV:水橋かおり)
- 間咲ののか(CV:斎藤千和)
- 柚ノ木梨奈(CV:大亀あすか)
- 深角友恵(CV:沢城みゆき)
サブキャラクター
- 前田果音(CV:伊瀬茉莉也)
- 紅林かつみ(CV:水原薫)
- 成田瑠宇(CV:長谷川明子)
- 九堂博道(CV:緑川光)
- 中川行太(CV:白石稔)
- 東孝(CV:岡本信彦)
- 内田有子(CV:高垣彩陽)
- 喜多川美紗(CV:世戸さおり)
- 柚ノ木絵梨奈(CV:大亀あすか)
- 大谷桃子(CV:遠藤綾)
テレビアニメ
2013年4月から6月なかけてTBS、MBS、CBC、BS-TBSにて放送された。全13話。
第4話までは全ヒロイン共通のストーリーであるが、第5話以降は『アマガミ』同様のヒロインによってそれぞれ異なるストーリーが展開されるオムニバス形式となっており、2話で完結の新見遙佳を除き、各メインヒロイン1人につき1話ごとの構成となっているそれぞれの時系列もまちまちで、間咲ののか編においては原作ゲームにはない春季からスタートする。主人公が選択するのは写真部で、共通ストーリーは原作のストーリーH準拠だが、個別ストーリーには原作ストーリーLのシナリオも組み込まれている(個別ストーリーでLとHのシナリオが組み込まれているのは、原作同様メインヒロイン6人のみで、深角友恵と前田果音はない)。
主題歌
オープニングテーマ「恋するレンズ」
作詞 - 大森祥子 / 作曲・編曲 - 窪田ミナ / 歌 - hayato kaori
エンディングテーマ「スマイルF」
作詞・作曲・編曲 - 流歌
歌 | 話数 | |
---|---|---|
うたカノ♪ | 第1話 - 第4話 | |
新見遙佳 | 伊藤かな恵 | 第5、6話 |
実原氷里 | 水橋かおり | 第7話 |
室戸亜岐 | 中原麻衣 | 第8話 |
間咲ののか | 斎藤千和 | 第9話 |
早倉舞衣 | 金元寿子 | 第10話 |
柚ノ木梨奈 | 大亀あすか | 第11話 |
深角友恵 | 沢城みゆき | 第12話 |
前田果音 | 伊瀬茉莉也 | 第13話 |
各話リスト
話数 | サブタイトル | メインヒロイン | ルート |
---|---|---|---|
第1話 | 出会い | 共通 | H |
第2話 | 学園天国 | 共通 | H |
第3話 | 百花繚乱 | 共通 | H |
第4話 | これからの想い | 共通 | H |
第5話 | 恋の掛け違い | 新見遙佳 | L>H |
第6話 | 想いはるかに | 新見遙佳 | L>H |
第7話 | 星の笑顔 | 実原氷里 | L>H |
第8話 | 素顔を見つめて | 室戸亜岐 | L>H |
第9話 | 恋の果たし状 | 間咲ののか | L<H |
第10話 | 天使の舞い | 早倉舞衣 | L<H |
第11話 | 学園のお嫁さん | 柚ノ木梨奈 | L>H |
第12話 | フォトグラフメモリー | 深角友恵 | 共通 |
第13話 | 想い合い | 前田果音 | 共通 |
フォトカノ Kiss
『フォトカノ』本編の1/4、『キミキス』の1/2の文量のシナリオを書き下ろし!
分かりやすく言うと『アマガミ』のテレビアニメ版2期のアマガミSS+ plusの様なものをゲーム化。
季節は初秋。女の子たちが冬服制服で登場!副題の「Kiss」の通り、キスシーン満載。
『本編』と同様、移動場所を選択し、バイオリズムマッチング会話や、イベントを発生させ、女の子の好感度をアップ。1週間後の日曜日に休日デートに誘うこと。
日曜日の休日デートでは、恋人との新たなエンディングを迎えられる!
評価点
個性的なキャラクター
前作『アマガミ』のキャラの個性に比べると癖は強くないように見えるが、やっぱりどこか変わっているキャラが多い。
特にパッケージヒロイン「新見遙佳」の行動がその設定に対してあまりにも意外過ぎて、初見プレイヤーなら確実に驚かされるはず。
『アマガミ』パッケージヒロインの絢辻詞とはまた別の方向で強い印象を残し、「さすがパッケージヒロインは格が違った」とネタにされている。ファミ通人気投票では1位を記録しており、ファンからは主人公のよそよそしい態度と合わせ「新見…さん」とさん付けで呼ばれることが多い。
前作主人公(キミキスも含めて)が「変態紳士」と称される強烈なキャラクターだったのに対し、本作の主人公はところどころエロい考えに至る場面やとんでもない選択肢を見せつつも割とまとも。 代わりに変態成分は写真部の部員二名に移行した。
余談
言及されてはいないものの、『キミキス(2000年代)』・『アマガミ(1990年代)』と違って本作の舞台は現代(2010年代以降)のはずなのだが、エロ本のことを「エッチ本」と表現したりするなど、所々古臭かったり妙な表現がある(アニメ版ではスマホを所持している者がいるが)。