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鉄羅漢玄竜の編集履歴

2023-08-30 21:48:58 バージョン

鉄羅漢玄竜

てつらかんげんりゅう

TBS時代劇「水戸黄門」のシリーズ史上最強の刺客。

演:天津敏(第5部)/小沢仁志(第44部)


概要

TBSドラマ『水戸黄門』第5部のシリーズ通して登場した怪法師。

同シリーズでは定番である「シーズン通して、御老公一行の前に立ちはだかる刺客」キャラであるが、その異端なまでの強さと残虐さから、「シリーズ最強の敵」として水戸黄門ファンの間で語り草となっている。


人物像

五島藩筆頭家老・宍戸源左衛門(演:安部徹)の命によって光圀と五島藩の安里姫(演:小林由枝)の命を狙う刺客として登場。


手始めに刺客の目を欺く為に光圀が影武者として用意した偽一行を無慈悲に虐殺(影武者一行の中には弥七の女房 霞のお新もいたが、彼女だけは辛うじて生き延びて光圀一行に合流した)。

その後も、行く先々の悪党を手下にして使役しては、用済みと見るなり皆殺し(ある回では光圀暗殺に失敗した知人のヤクザ一味を慈悲もなく始末していた)、第5部最終回前では長崎の地で光圀一行を小屋に閉じ込めて爆殺寸前の危機にまで追い込むなど狡猾かつ残忍な性格。


戦闘では鎖分銅を仕込んだ錫杖と刀、そしてそれに留まらない怪力と拳法を駆使し、光圀一行でさえ道中でつけ狙う玄竜一味を退かせるのがやっとだった程の手練でもあり、基本的に悪人の事を「鼠」、自分の命を狙う刺客達の事は「狐」と称する事が多い光圀も、玄竜の事は「化け物」と称するなど、これまでの刺客とは一味も二味も違う猛者として危険視していた。

そして、とうとう最終回の決戦においても助格、弥七が全力を尽くしても全くもって太刀打ちできなかった。


最強の刺客の末路…

これほどまでに化け物じみた玄竜を唯一真っ向勝負の末に討ち果たしたのは、清に渡り少林寺拳法の修行を積んだ五島藩家臣・玉ノ浦朝勇(演:夏八木勲)だった。彼が一行の助太刀に入り、玄竜との一対一の死闘の末に形勢不利と見た玄竜が逃げようとした所を腹を殴りつけ、怯んだ隙にさんざん一行を苦しめてきた錫杖を奪い取り、渾身の一撃で胸を突き刺した事でようやく化け物・玄竜は倒れた。


この最強の助っ人の朝勇は、第5部第1話で幻竜に殺された安里姫の護衛・玉ノ浦朝英(演:横内正)の弟だった。なお、当初は朝勇も「光圀一行の後をいつの間にか追ってくる謎の怪人物」として描かれていた。


その後のシリーズに残した影響…

第五部以降の水戸黄門では『光圀または一行にゲストとして加わった人物を狙う刺客』役がシリーズ全般(もしくは半分)を通して登場するようになり、それらの刺客達は皆総じて…


  • 「光圀一行を行程の間にたびたび襲撃」

  • 「光圀一行が総力でかかっても追い返すのがやっとなほどの手練」

  • 「奥の手として光圀一行を爆殺寸前に追い込む」

という玄竜の設定、行動が流用される事となり、いわば幻竜はその王道パターンの礎を築き上げた開拓者といえる。


“最強”と謳われし所以

しかし、その後のシリーズに登場した刺客たちは、基本的に途中で利用した旅先での悪党たちを使い捨ての同志または手下にする事はあれど、形勢が不利になれば見捨てて一目散に逃亡し、残された当地の悪党たちは光圀に裁かれるパターンが基本となり、皆殺しにまでされるケースはほとんどどなかった(盗賊または浪人の一団などの例外もあり)。


また刺客たち自身も、最後は光圀一行の誰かが雪辱を果たす形で倒すか、総力戦に敗れた後、後ろ盾である黒幕が倒れた事で自ら命を絶つ形で敗北・破滅するパターンがほとんどであり(中には同志たちや首領から捨て駒にされながらも光圀一行に助けられたり、お新やお銀のように光圀の温情を前に改心し、寝返るなどして味方になった者も稀にいる)、「光圀一行ではない助っ人のゲストが単独で討ち果たす」形で勝利できたパターンは、玄竜をおいて他に例がない。


そんなシリーズ屈指の残虐性、そして結果的に「最後まで光圀一行の者たちの手では倒す事ができなかった」という特異性こそ玄竜が「シリーズ最強の敵」と称される理由である。

この「最強の敵」っぷりは、第43部最終回スペシャルでの、これまでの『水戸黄門』シリーズの名場面を振り返る特集でも扱われたほどだった。


再登場

ちなみに玄竜はBS-TBS版(第44部)においてもリブート登場している。

しかし、そちらは放送回数が圧倒的に少なかった(第5部の全26回に対し全10回)ためか、登場回数は第4~5話のわずか2回で、第5部程の最強刺客としては描かれなかった。


それでも同シリーズにおいては初めて助三郎&格之進弥七を苦戦させるなど、それまで相対した悪党とは一味違うインパクトの強さは健在だった。


余談

上述のとおり、光圀一行を追い詰めた刺客として悪名高い玄竜ではあるが、敢えて光圀一行をフォローするとすれば、この時(第5部)の時点で、光圀一行の主戦力は助格と弥七の3人だけで、飛猿のような腕っぷしが特出して高い戦闘要員がいなかった上、初期作という事もあって、助格、弥七のいずれも良くも悪くも『若さ』が強調され、中期以降の作品と比較して、彼らの殺陣の精錬さにも若干ムラがあった。

加えて、お新も後年登場するお銀ほどに戦闘に特化したくノ一ではなかった事から、中期、後期以降の御一行に比べると若干戦力が低いのが否めなかったともいえる。


その為、ファンの一部からは「お銀、飛猿(またはお娟、鬼若)がいれば、光圀一行が玄竜を打ち倒す事もできたかもしれない」と考察する声もある。


関連項目

水戸黄門

悪役 刺客 チートキャラ


一条公麿三位中納言…玄竜と並ぶ水戸黄門を代表する名悪役。こちらは一話限りのゲスト悪役だったが、玄竜とは違う意味で強烈なキャラの濃さから印象に残る悪役となった。

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