概要
2013年4月20日に公開された『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第21作目。
正式なタイトルは、『クレヨンしんちゃん バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』
主題歌はSEKAI NO OWARIの「RPG」。
浦沢氏はかねてからクレしんファンより映画の脚本を待望されており今回の満を持しての登板にファンからは大喝采が起こった。
解説
荒唐無稽なアクションやぶっ飛んだ設定が多く、感動やメッセージ性を強く押し出すことの多いクレしん映画シリーズの中では珍しくギャグに振り切った作品。
同様にギャグに振り切った作品としてヤキニクロードが有名だが、野原一家に焦点を当てたギャグ作品であるヤキニクロードとは違い、本作ではかすかべ防衛隊に焦点を当てたギャグとなっている。
ギャグ作品として見た場合、ブラックでシュールな要素を強く押し出すことの多かったヤキニクロードとは違い、キャラクターの奇抜さを押し出した一発ギャグ的な要素が強いのも特徴。
もちろん、映画としてのテーマ性やメッセージもギャグ展開の中でしっかり描かれている。
本作は一貫して「食のあり方」をテーマにしており、高級志向なA級グルメと庶民的なB級グルメとの対立が描かれており、対立していく中で「どちらが良くて正しいのか?」という問いを視聴者に考えさせるものとなっている。
また、中盤にカスカベ防衛隊が遭難して食糧難に陥った際、空腹のストレスで喧嘩になり一時険悪状態になる場面は、食べ物が無い恐ろしさを醸し出している。
他にも、カスカベ防衛隊が『キャビアから高級食材であるキャビアを振る舞われるが、子供であるが故、口に合わず「不味い」と評価し、『しんのすけがマヨネーズをかける場面』や『ひろしやみさえといった大人達が食事の正しいマナーを無理矢理やらされる場面』など、食事に関わる事柄や一面が数多く描写されている。
そして最終的にはA級もB級もどちらも肯定も否定もしない形で決着がつき、その象徴であるグルメッポーイが涙を流しながら焼きそばを絶賛する姿は、彼の過去も相まって、共感と感動があるだろう。
「お笑い実力刃presents 証言者バラエティ アンタウォッチマン!」の「クレヨンしんちゃんSP」によれば本作でクレしん映画シリーズの興行収入が伸び悩んでいた低迷期を抜け出しており、吉田有希プロデューサーへのインタビューではそれまで感動を気にしすぎていたことやギャグ路線への原点回帰があったとしている(これ以外での関係者でのインタビューでも本作以降『笑い』を重視した発言は見られる)。
また、主題歌による内容の補完も理由に挙げていた。
あらすじ
これは、ある春の日、春日部で起こった奇跡と友情と空腹の物語である——。
春日部で行われているB級グルメカーニバルに連れて行ってもらえなかったしんのすけは、カスカベ防衛隊のメンバーと親達に内緒で行こうと画策する。そしてその道中、謎の女性・「しょうがの紅子」からとあるソースをカーニバルに届けることを頼まれ、すんなりと引き受けることに。
だがそのソースは、B級グルメ撲滅を目論むA級グルメ機構の魔の手からB級グルメを救える唯一の存在・伝説のソースだった。そんな中、しんのすけ達はふとした手違いから見知らぬ土地へと迷い込んでしまう。果たして、伝説のソースを巡るA級グルメ機構との戦いに巻き込まれたしんのすけ達は、伝説のソースを無事カーニバルに届け、ソースの健の作る焼きそばを食べることができるのか?
ゲストキャラクター
B級グルメカーニバル
「B級グルメは庶民の味方でござんす…」
凄腕の焼きそば職人で、B級グルメ防衛隊のリーダー。モデルとなった人物は高倉健。恋人はいるものの、女性に対しては不器用。
「お願い、これをソースの健さんに届けてちょうだい」
ソースの健の恋人。伝説のソースをカスカベ防衛隊に託した。
- 川越シェフ(CV:川越達也)
「今日、僕は春日部B級グルメカーニバル会場に来ています」
本人役で登場。「食べもの探訪」という番組でB級グルメカーニバルをレポートしている。
B級グルメ防衛隊
- 下町コロッケどん(CV:コロッケ)
「A級のやつらに店を乗っ取られたコロ~」
コロッケのかぶり物をした男性。語尾に「〜コロ」をつける。
なお、CV担当のコロッケは次作でも頑馬博士や巨大五木ひろしロボの声を担当している。
- お好み焼きの文太
お好み焼き職人。
- たこ焼きのミナミ(CV:ジェーニャ)
たこ焼きの着ぐるみを着た女性。
- 博多もつカレーのお京(CV:矢野理香)
博多もつカレー職人の女性。気が強く喧嘩っ早いがシャイな一面もある。博多弁で話す。寿司夫婦仮面の作ったワサビ入りの寿司を食べさせられ気絶する。
- 大阪串カツの将(まさ)(CV:一条和矢)
串カツ職人の男性。女性には優しい。関西弁で話す。ステーキライダーの出す炎で店を燃やされてしまった。
世界A級グルメ機構・A級グルメラヴァーズ
「A級こそグルメ。B級は今日で、終わりだ!」
世界A級グルメ機構の最高責任者で、今作の黒幕。A級以外グルメと認めず、B級グルメの壊滅を企む。普段は丁寧語で喋っているが、激情すると子供の様に言葉遣いが悪くなる。
「私はA級グルメラヴァーズ。マヨラーになんか負けない!」
世界三大珍味のキャビアをこよなく愛するロシア美女。マヨネーズが大嫌いで、パニックになるとロシア語に戻ってしまう。
「さぁ、ピギーちゃん、お仕事よ♡」
トリュフとエレガントを好み、下品を嫌う男の娘(オネェ?)。非常に鼻の利く豚・ピギー(CV:船木真人)を自在に操る。
ちなみにCVを担当している神谷浩史は、後に2代目ぶりぶりざえもん役に就任している。
「ソースを渡すでごわす!」
力士の姿をした大柄な男性。その通り力士のような口調で話す。フォアグラを好み、ちゃんこ鍋を嫌う。
「「ソースを渡せ!」」
4つ星寿司職人。仮面舞踏会のような格好をした男女のペア。
最高級天然クロマグロと有機栽培コシヒカリを用い、コンビで華麗に踊りながら寿司を握り、攻撃を繰り出す。二人とも銀座での修行経験がある。
「ソースを追え!」
4つ星シェフで孤高のライダー。鉄板つきバイクでステーキを焼きながら襲撃する。
その他
グルメッポーイの両親で、幼少期の回想に登場。自身らもB級グルメに嫌悪感を示しており、彼に食事の作法などから厳しく教えてきた。海外出店していたソースの健の焼きそばに感銘したグルメッポーイに対し「あれは汚らわしいものだ」と咎め、「法で規制すべき」と健に罵声を浴びせた。間接的ではあるが、グルメッポーイにB級グルメへの嫌悪を抱かせた元凶である。
関連タグ
オラと宇宙のプリンセス←前作 次作→逆襲のロボとーちゃん