概要
それは魔神任務第四章第一幕で起こった。
リネに頼み、水神フォカロルスに会いに行くことになった旅人とパイモン。
しかしその前に水神本人であるフリーナが自ら旅人の前に登場し、大勢の民がいる前でこう言い放った。
「富める者も貧しき者も、グロシを持つ者も持たざる者も、杯を掲げよう!グロシが無い者は代わりに腕を」
「諸君らの見ての通り、見知らぬ旅人が我らの国を訪れた。さあ、彼らに祝福を!遠路はるばるやってきた旅人をその仲間のために、祝杯をあげようじゃないか!」
ここで多くの旅人たちが思ったことだろう。
「グロシって何?」と。
原神にはモチーフになった国由来の単語(アーカーシャなど)が多く登場するため、様々な単語に元ネタが存在する。裏を返せば、検索しなければ単語の意味を理解できないこともある。しかしグロシという単語はネット上ではなかなかヒットせず、当時は謎の単語扱いだった。
更に上記の言葉の直後、旅人が「グロシなんて持ってないけど」と発言したため、多くのプレイヤーがグロシという単語に疑問を持ちつつ、重要な単語或いは原神特有の単語と解釈していた。
しかしその後の物語ではグロシについて一切触れられることはなく、真相は闇の中につつまれた…
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衝撃の真実
実はグロシはグラスの誤訳である。えぇ…
原神は世界中に展開している都合上、日本語への翻訳がイマイチ怪しい部分がこれまでにも散見されたが、それはどれもテキストのみであった。
しかし今回はメインストーリー(つまり音声付き)でのミスであり、多くの旅人たちを騒がす結果となってしまったのである。
なお公式はすぐに声明を発表し、テキスト部分は修正され、音声は後日撮りなおすことが明らかになっている。
何故このような誤訳が起こったかは公式から明言されておらず、一般的に使用されている『グラス』という単語が誤訳された理由は不明。この件により「新しい翻訳家を雇った方が良いんじゃないか?」という声も少なくなかった。逆に何故グラスという簡単な単語を誤訳してしまったのか、という謎が残った。
音声を収録する時点で疑問に思わなかったのだろうか……?
ここからは推測になるが、結論から言うとこのグロシ事件は誤変換だった可能性がある。
フォンテーヌの魔神任務を進めていくと、『ロシ』と呼ばれる薬物が登場する。このロシは中国版だと乐斯(lè sī)になっている。
この乐斯は初め、日本語では『ラス』と翻訳された。しかしその後何らかの理由でこの『ラス』を『ロシ』に変更することになった。
この際一つ一つ手作業ではなく、『ラスと含まれる単語をロシに変換する』コマンドを打ったことにより、ラスをロシに変更したのだろう。
『グラス』の存在を忘れて。
つまりグラスはこのロシの変換に巻き込まれたことにより、グロシという訳の分からない単語が誕生したのだ。
そして原神特有の単語と解釈されてしまい、そのまま世に出てしまったというのが事の顛末と考えられる。
しかしこちらも推測の域を出ないため、無闇に騒ぎ立ててはいけないのを忘れてはならない。
……まあ、それはそれとして。
このグロシの件により、(不名誉だが)フリーナのポンコツ具合に更に拍車をかけた。
そのためpixivではグロシをネタにしたイラストが投稿されている。
今回の件はフリーナが発表当初から注目を集めていたキャラクターだったこと、クールなキャラではなく愛らしいキャラだったこと、そして何より他の四神以上のポンコツキャラだったため、逆にフリーナの株(?)が上がったのだろう。
ちなみに音声変更が何時変更になるかは不明だが、フリーナが今後登場機会の多いキャラであることは間違いないため、近いうちにグロシは変更されるだろう。なかなかお目にかかれない機会のため、この機会にグロシを聞いてみてはいかがだろうか?
余談
- 現実のヨーロッパに「グロシ・ローイ」という銘柄のワインが実在する。アルザスの言葉で「最高のテロワール」という意味とのこと。当然、本記事の「グロシ」とは無関係である。
- 上記のセリフでは旅人が「グロシなんて持ってないけど」と発言しているが、よくよく考えればグラスではないが聖遺物として杯を持っているはずである。まあ、実際に杯として使っているわけではないだろうが……。