概要
長老（メイヨール）こと海原神が率いる麻薬密売組織『ユニオン・テオーペ』がマーケット市場とシンジケート規模を拡大する為のメイン商品であり、組織の障害となる邪魔者を排除する際には抹殺手段としても用いる非常に強力な麻薬。
投与すれば人を死すら恐れない、命令をただ遂行するだけの戦闘マシンに変貌させる。
一部のヤクザ組織はこのエンジェルダストを抗争用の鉄砲玉を仕立てあげる手段に使う。
痛覚を遮断、恐怖心を消し異常な興奮作用で戦闘を強制し、人間の筋力を限界以上にまで高める。
人体のリミッターを超えた驚異的な怪力や運動力、耐久力を持った『怪物』を生み出し、マグナム弾で額を撃ち抜かれようが顔面を吹き飛ばされようが死なずに動き続け、20発以上の弾丸を喰らっても倒れない「死すら忘れた狂人」を造る。
略名『PCP』。
海原神はこの麻薬で不死身の狂人兵士軍団を作ろうと画策し、当時まだ少年ゲリラ兵だった冴羽獠を騙して投与し戦場に送り込んだ。
投与したチンピラをけしかけて槇村秀幸を殺害し、妹の槇村香の運命にも暗い影を作り、ミック・エンジェルと伊集院隼人の人生を狂わせた「悪魔の薬」である。
アニメ版のエンジェルダストは、原作では麻薬の名前として登場しているが、劇場版『シティーハンター・天使の涙』では人間を超人兵士に変えるナノマシンテクノロジーとなっている。
ただ症状に関しては原作とほぼ同じ。
映画作中で海原神により投与されてしまった人物は、直前まで冴羽獠に敗北して両腕や鎖骨などの複数箇所に銃弾が打ち込まれていたのにもかかわらず、筋肉の収縮効果によって自力で弾丸を体外へ排除し、さらに凄まじい再生能力で傷を全て塞いでしまった。
そして獠が全く太刀打ち出来ないほどのの驚異的な身体能力と動体視力を発揮し、終始圧倒していた。
ナノマシンによって凄まじい闘争心も得られるが、本来戦いたくないのにもかかわらず戦わされることへの精神疲労や葛藤が見られ(本人はたびたび声を荒げて頭を押さえていた)、最終的には自我がすり減っていく。
そうして大半のものはそのまま精神崩壊を起こす。強靭な精神の者でも、いずれ体の意思も奪われ、自決さえも出来なくなり、死ぬまで戦わされることになる。
余談
なお、エンジェルダストと呼ばれる薬品は実在しており、フェンサイクリジンのことを指す俗称である。元々は麻酔薬として作られたのだが、麻酔から覚醒する際暴力や妄想といった症状が副作用として現れたため人間には使われなくなり、動物用麻酔薬として使われるようになった。
しかしその効果から幻覚剤として乱用されるようになったため、日本では麻薬として取り締まりの対象になっている。麻薬としては大麻よりも強力という報告があるほど。当然のことながら超人を作り出す効能はない。
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