ファットマンという名称では長崎に投下された原爆が著名であるが、今日でもその他の名称で使われることがある(リトルボーイとは対照的である)。メガドライブで原爆や戦争とは全く関係ない太った人間による格闘ゲームとして存在する。
長崎原爆としてのファットマン
コードネームで、由来は広島原爆がリトルボーイ(チビ)だったことに対する比較から。実際にリトルボーイより一回り大きく、第二次大戦で使用された爆弾のサイズとしては最大級。なお原爆投下の予行演習用に、通常火薬を使用した模擬核爆弾「パンプキン」がいくつか制作され、日本空襲で実際使われている。
リトルボーイより威力は大きいが、これはサイズの問題ではなく、構造上の問題であり、この二つは同じ原爆であっても構造が全く違う。ファットマンはプルトニウムを使用した「ガンバレル方式」、リトルボーイは高濃縮ウランを使用した「インプロージョン方式」であった。広島・長崎に投下される前にアメリカニューメキシコ州で行われた世界初の核実験は、ファットマンと同じプルトニウム方式であった。
実際の被害は広島の方が死者・被害区域共にずっと大きいが、これは長崎特有の地形と、たまたま長崎では投下地点が中心市街地から外れたことによる。ファットマンが投下された浦上地区と長崎の古くからの市街地の間に立ちふさがる金比羅山(標高360m)が障壁となり、長崎市中心部の被害は比較的小さかった。
一方、リトルボーイは広島市内のど真ん中に投下され、中心部から外れた宇品地区を除く広島市街地はほぼ壊滅している。
当初は広島と同じ平坦な小倉市(北九州市)に投下される予定で、もし投下されていたら広島を遥かに上回る被害となったのは間違いないとされる。投下機は原爆投下地点を目視確認することが命じられており、北九州が雲に覆われていたので、候補地のひとつで比較的近隣にあった長崎に変更された。計画では長崎の中心部に落とされる予定だったが、ここも天候が悪く、雲のわずかな切れ目をめがけて浦上に投下された。