【殺しすぎた ただそれだけのこと】
概要
ラクリオス王国に仕えるアマゾネスの暗殺者。
アマゾネスの国・闘国(テルスキュラ)出身だが、「殺しすぎた」という理由で国を追われた過去を持つ。
常に冷徹な性格で、その強さはユーリやガルムスをも凌ぐほど。感情を殺した暗殺者だが、正面からの『殺し合い』でも凄まじい力を発揮する。
ティオネ・ヒリュテと良く似た容姿と声をしており恐らく前世。
ティオナとよく似た占い師オルナは妹であり、彼女を守るために王都の命に従い暗躍しているが、オルナとの間にもある秘密を隠している。
当初は英雄選抜の参加者の一人として紛れていたが、途中で正体を明かし、登場人物の中では終盤までアルゴノゥト達の敵として立ちはだかった。
以下、アルゴノゥト終盤のネタバレを含みます。未視聴の方は要注意。
エルミナとオルナに血の繋がりはなく、両者は赤の他人に過ぎない。そもそもオルナはアマゾネスではなく肌が浅黒いだけの正真正銘ただのヒューマンである。
エルミナは元々はテルスキュラの長き歴史の中でも、右に出る者がいない史上最強のアマゾネスとして名を馳せていた。テルスキュラでの彼女の呼び名は『戦王(ウィーガ)』であり、エルミナという名はヒューマン側の発音である。
テルスキュラという国自体、強さこそが絶対の正義だと信じられていたのだが、なんとエルミナはアマゾネスの常識から考えてもあまりに強すぎたのである。皮肉なことに、彼女は強すぎるがゆえに正義どころか異端者扱いされ、当時のテルスキュラの女王はエルミナの強さに恐れをなして彼女を国から追放し、幾度も刺客を放って彼女を始末しようとしたという。もっとも、アマゾネスすら誰も敵わない彼女が刺客に遅れを取るはずもなく、全て失敗に終わっている。
そうして刺客から逃れるうちに王都に流れ着か、先に述べておくとオルナと出会っている。
これがどういうことかと言うと、『戦王(ウィーガ)』には妹どころか姉妹の一人すら存在していない。もっと言うなら、いなくなったという表現が正しい。エルミナにはティオネ同様実の妹がいたのだが、テルスキュラの儀式、すなわちアマゾネス同士の殺し合いの中で命を落としている。そして妹の相手を務めていたアマゾネスこそがエルミナだった。もうお気づきだろう、エルミナの妹は他ならない姉自身の手で殺害されてしまったのである。この一件はエルミナにとって消えることのないトラウマとなり、やがてそれはオルナを実の妹に重ね合わせたことで歪んだ守護願望として表に出てしまったのである。
上記の過去を吟遊詩人リュールゥに暴露されたことで冷静さを失い、ボロボロになりながらもオルナへの守護願望を吐露し続けるも、当のオルナ自身に諭され、ついに戦意喪失。ミノタウロスが討たれ、楽園が崩れ去る末路を見届けた。
王都に平和が訪れたことでやることが無くなってしまったエルミナだが、喜劇を紡ぐことに決めたオルナから王都の防衛と彼女の用心棒を命じられた。用心棒にしたのは、エルミナは目を離すと何をするかわからないという単純な理由だったが、それはつまりいつも一緒にいられることと同じであり、エルミナは喜びながら快諾した。そしてオルナからついに「姉さん」と呼ばれ、二人は晴れて血はつながらなくとも姉妹となったのである。
ちなみに、後にエルミナも知るところとなるが、オルナの正体はアイズに似た容姿の第一王女アリアドネの腹違いの姉である(本名はオルナティア・ラクリオス)。つまりエルミナは図らずも第1王女の姉を自称し続けていたことになる。もっとも、オルナは自身の正体をアリアドネに明かすつもりは毛頭ないので、この先こじれる心配は皆無となった。
「ナイツ・オブ・フィアナ」第二部の最後の最後で登場。「アルゴノゥト」から二十年も経っているが、見た目の変化がほとんどない。
復讐を成し遂げ空虚な心のまま死を求めるフィンに対して英雄の戦いに参加を求める。だが、復讐を果たして生きる気力を無くしたフィンが死を望もうとしていたため、彼を殺そうと襲い掛かる。そのままフィンと交戦し、死にたがっていたにもかかわらず抵抗するフィンの行動の矛盾を指摘した際、フィアナとの誓いを思い出したフィンの一撃を受けて倒される。
だが、それによって強い雄(オス)に惹かれるアマゾネスの性で、初めて自分を負かせた雄(フィン)に一瞬で恋に落ちてしまう。以降、フィンにゾッコンとなり、幾度もフィンとまぐわおうと迫ってはフィンが全力で逃げるやり取りを繰り広げている。
恋する乙女(というよりも野獣)となった彼女の豹変ぶりにリュールゥ達からドン引きされている。
余談
エピローグで、ヘルメスの口から世界に伝えられた英雄として「争姫エルシャナ」と言う人物の名が挙げられるが、『デート・ア・ライブ』との二度目のコラボイベントである「剣姫エンゲージ」においてエルミナと同一人物であると判明した。カサンドラ・イリオン曰く「人類反撃の礎を築いた亜人の誇り」。