アレックス・マーフィー
あれっくすまーふぃー
曖昧さ回避
- ロボコップシリーズに登場する警察官。フルネームはAlex James Murphy。
- アメリカ出身のバスケットボール選手。Alex James Murphy
この記事では1について解説。特に言及がない場合は映画版の設定に準拠する。
概要
民営化により、巨大複合企業オムニ社に運営権を握られたデトロイト市警に所属する警察官で、階級は巡査。
ロボコップ2の劇中、心理学者のリサーチにより、アカデミーを首席で卒業した優秀な人物である事や、アイルランド系のカトリックである事などが語られている。
家族構成
既婚者で、妻エレンとの間にもうけた息子ジミーがいる。
装備品のP226を西部劇のようにガンスピンするシーンがあり、本人曰くこれは息子が夢中になっているドラマ“T・J・レイザー”の主役を真似しているとの事。
映画版においては彼の両親にまつわる描写は特に無いが、小説版では他界した父親に関する言及がある。
それによると、父親パトリックは生前デトロイトの自動車工場で働いていた。しかし自動車産業衰退によりオムニ社に就職した後、ある日凶弾に倒れて帰らぬ人となっている。
父の非業の死を目の当たりにした事によってアレックスは人々の安全を守る仕事を志すようになり、警察官になる道を選んだ。
ほか、1994年のテレビシリーズは映画版からの変更点が多く、妻の名がナンシーに変更されている他、父ラッセルと母ドロシーが登場する。
劇中の動向
ロボコップ
元々デトロイトの南署に勤務していたが、オムニ社主導の人事異動によりデトロイト西分署へ回され、アン・ルイス巡査とコンビを組む。ところが転任初日にクラレンス・ボディッカーとその一味から凄惨なリンチを受け、殉職。その後オムニ社の手により遺体の一部を素体とし、サイボーグの警察官ロボコップとして蘇生される。
改造の際にそれまでの記憶を消されているが、オート9の収納前にガンスピンを行ったり、メンテナンス中に悪夢と言う形でリンチの記憶が蘇るなど、完全な抹消は免れている。後にルイスやクラレンス一味など生前関わった人物達との接触を経て、次第に殉職前の記憶を取り戻してゆく。
ロボコップ2
アレックスの死後、妻子は真相を知らされず転居しており、前作はそのまま再会する事なく幕を下ろしたが、本作ではアレックスがその転居先を突き止めており、新しい生活を送るかつての家族を遠巻きに見つめていた。未亡人となったエレンも、幾度となく現れるロボコップの姿に亡き夫の影を見ており、オムニ社に対し訴訟を起こす姿勢を見せていた。
彼らの接触を禁じたいオムニ社とエレンの弁護士達は、エレンとの再会は死別の苦しみをようやく振り切った彼女に再びその苦しみを与える事になるとアレックスを諭し、更によしんば再会したとしてサイボーグとなった今の彼に人間として何が出来るのかと詰問する。
しばしの沈黙の後、アレックスは自分が人間ではなく単なる機械であると認める発言をし、面会を許されたエレンにも同様のにべもない対応をする。夫との再会を望んでいたエレンは、悲しみに打ち拉がれながら署を後にし、アレックスもその様子を署の窓から物憂げに見つめるのだった。
また、本作ではロボコップを超える後継機開発にオムニ社員が心血を注いでいるが、アレックスと同じく警察官を素体とした試作機達が現実を受け入れられず自ら命を絶ってしまうため、開発は難航していた。その有様を見た開発部顧問の心理学者が、殉職した警察官を改造すれば誰でもロボコップとして運用可能になる訳ではなく、アレックスの場合は本人の強靭な意志と、自殺を禁じるカトリックの教えがあったからこそロボコップとしての第二の生を受け入れる事が出来たと言う旨を主張する一幕がある。その素体の意志の強さのみに重きを置いた心理学者の意向が、後に多大な死傷者を出す鬼子ロボコップ2号機を生み出す事となる。
ロボコップ3
前作のエレンとの面会を最後に彼の家族は登場していないが、本作でもアレックスの記憶に刻まれている家族の姿が度々描写される。オムニ社私設部隊リハッブの手により引き離されようとしている親子や、レジスタンスに加わった少女など、歳の頃が近い子供達にジミーの姿を重ねる場面があり、またルイスや機体メンテナンスを行うラザラス博士など、自分を理解する女性とエレンの顔を重ねる場面がある。
指令にただ従うのではなく自分の判断を優先するようになり、窮地に立たされたルイスを救うために本部の指令を無視してギャングの縄張りへ直行する場面がある。後半はラザラスの手により第四指令が消去され、これにより手出し不可だったオムニ社役員も干渉可能となっている。
2014年版
諸々の設定が異なるリブート版においても『アレックスが深刻なダメージを受けた後に、オムニの差し金でサイボーグへの改造を施される』流れは踏襲されている。こちらでは致命傷を負いながらも死を免れた本人として周囲から認知されており、改造も事前に妻クララの同意を得る過程がある。そのため改造後も記憶や感情が失われる事はなかったが、ロボコップとして要求される性能を引き出すためにドーパミン分泌の制御を行なった結果、感情が著しく抑制され家族や身内を見てもロボットのような無機質な反応を示すようになる。
しかし捜査中に妻と再会した事で彼の内面に変化が生じ、己の意思で捜査を進め始める。かつて自分を殺めようとした武器密輸組織を仕留めた後、警察内部の汚職を暴くなど、当初のオムニの思惑を超えた存在となったため、先を危ぶんだオムニCEOはアレックスの抹殺を謀るが…
演者
俳優
テレビシリーズ
- リチャード・エデン(1994年 “New Battle” “The Series”)
- ペイジ・フレッチャー(2001年 “Prime Directives”)