概要
2017年9月25日、アニメ「けものフレンズ」の監督たつき氏が突如Twitterに投下したツイートに始まる一連の騒動に対する総称。「9.25けもフレ事件」、「たつき監督降板事件」等表記ゆれがあるが、pixiv上ではたつきショックタグの使用を推奨する。
発言の内容
「突然ですが、けものフレンズのアニメから外れる事になりました。ざっくりカドカワさん方面よりのお達しみたいです。すみません、僕もとても残念です」※原文ママ
アニメ版『けものフレンズ』の第一期が人気を博し、その監督を務めていたたつき氏によるこの発言は極めて大きな衝撃と混乱を持って受け入れられ、瞬く間に波及。たつき氏の監督続投を求める声が続出し、一部の過激なファンによってWikipediaが荒らされた他、一時期カドカワのに対する署名活動が発生した。
ちなみにカドカワとは2017年当時ではKADOKAWAグループの持ち株会社であるグループの会社の経営を管理する持株会社のことであり、出版事業、映像事業を行う株式会社KADOKAWAとはグループが同じであっても会社としては別である。つまりこのツイートはKFP(けものフレンズプロジェクト)に参加していない企業を名指ししてツイートしているということになる。要領を得ない内容で一方的に降板を宣言してきたKFPに対し、外部が調査に動いて助けが来る希望を求めた可能性も考えられる。
KFPからの公式発表
9月27日、公式サイトのニュースリリースより以下の発表がなされた。
「けものフレンズ」に関しまして、すでに新規映像化プロジェクトの制作を発表させていただいておりますが、発表当初より同体制での継続か、新体制での新たな表現かも合わせて検討中で、現時点においてもまだ何も決定していない状況です。
そのような中、今年1月~3月に放送されたTVアニメーションと同様の体制を優先として、視聴者のご期待に沿えるべく調整をしておりましたが、アニメーション制作会社であるヤオヨロズ株式会社より8月に入った段階で辞退したい旨の話を受け、制作体制を一から模索することになっているのが現状です。
(中略)
しかし、アニメーション制作を担当していただきましたヤオヨロズ株式会社には、関係各所への情報共有や連絡がないままでの作品利用がありました。映像化プロジェクトとしては次回の制作を引き続きお願いしたかったため、情報は事前に共有してほしい旨の正常化を図る申し入れをさせていただきましたが、ヤオヨロズ株式会社からは、その条件は受け入れられないので辞退したい、とのお返事でございました。
(中略)
今後とも様々な「けものフレンズプロジェクト」をよろしくお願いします。
つまり
- ヤオヨロズが情報共有の連絡がないまま作品を利用をしていたため、情報共有の正常化をしてほしいという旨の申し入れをしたが、ヤオヨロズ側が情報共有の正常化という条件を受け入れられないため二期の製作を辞退する
というものである。
たつき氏の「ざっくりカドカワ方面」というツイートと相反する内容であり、ファンの混乱は加速した。
交渉開始
10月3日、KADOKAWA代表取締役の井上氏とヤオヨロズ取締役の福原氏により、以下のツイートが投稿された。
- 「けものフレンズ」の件につきまして、KADOKAWAは製作委員会の一出資企業にすぎないことから今まで発言を控えていました。私としても「けものフレンズ」におけるたつき監督の功績は大いに認めております。(1/4)
- この度の騒動にいたるまでの事態を正確に把握してなかったのは不徳のいたすところです。先週ヤオヨロズのみなさんと2回のミーティングを行なう機会を得ました。その際、製作委員会のご意見とヤオヨロズ様のご意見に大きな溝があることが分かりました。(2/4)
- 特に「監督降板」の経緯、版権使用についても認識相違があることと、監督のツイッターでのご発言の真意にはそういったことが積み重なったことが原因であるということが分かりました。そこで私としては、ヤオヨロズのみなさんと今後のことについてどうするべきか相談に入ったところです。(3/4)
- 「けものフレンズ」のファンの皆さまにおかれましては、ご理解のほどよろしくお願いいたします。(4/4)
- ファンの皆様にお伝えする事が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした。影響の大きさを鑑みて発表の方法に関して協議しておりました。発表を受けて川上社長、井上専務が迅速にヒアリングして下さり今回の発表に至った事を感謝しています。(1/2)
- この度は皆様にご心配をお掛けしてしまいました。これから話し合いを始めますので何卒よろしくお願いします。(2/2)
この発表により騒動は一時終息。たつき氏も変わらずアニメを作っていくことを宣言して、自身が無事であることを公表し、実際に2019年1月クールに「ケムリクサ」が放送された。
交渉結果
しかし12月27日、福原氏により以下のツイートが投下された。
- 今回はお騒がせをしまして誠に申し訳ございませんでした、皆様を不安にさせてしまった事をお詫び致します。最終的な報告になりますが、2期を外れる事に関しては覆りませんでした。井上専務と共に皆様のご期待に応える為、精一杯取り組んで参りましたが、力及ばず大変申し訳ございませんでした。
- 3月には2期の依頼があり実制作を続けておりましたが、8月頭にコアメンバーで行われた会議にてヤオヨロズに対して今後続投は無いと明言され、降板を宣言されたと認識しています。私としては突然の通達で、何に対して不満を持たれていたのか要領を得ず困惑していたと言うのが正直な所です。
- 9/27の公式発表にあった情報共有についても、12.1話は委員会へ報告の上制作しておりますし、各企業とのコラボ動画に関しても委員会からの正式な依頼の元で作りました。コミケにおける同人誌についても吉崎先生からの許可があり、その際のご提案により特別許諾と明記して頒布しました。
- 特にコラボ動画は厳しい条件もありましたがファンサービスの為にと制作スタッフが尽力致しました。疑義の対象になった事、一部はけものフレンズ公式でも触れていただけなかった事をとても寂しく思います。
- 今回井上専務には大変真摯に対応頂き、迅速な調査と調整にとても感謝しています。最後にファンの皆様、制作中のご声援ありがとうございました。この様な残念な報告となり申し訳ありません。短い間でしたがご一緒できたことを誇りに思います。
この報告によりヤオヨロズの降板は確定済みであり、事態は変わることが無かった。
また12月31日、ニコ生の年末生放送にてテレビ東京アニメPの細谷氏による(個人的見解ではあるが)発表がなされた。(※要点のみ抽出、全文は白紙改訂前版を参照)
- 製作委員会一同、たつき監督の2期を見たいと思っていた
- ビジネス的にはそっちの方が絶対上手くいくと分かっていた
- しかし製作委員会で何があったのか突き詰めると個人攻撃になるから言えない
- 9月27日の声明が我々の見解である
加えて自身のTwitter上にて
- 真意が伝えられなかったので少し補足。個人攻撃、と言うのは何か権力を握っている誰か個人に行き着くと言うことではないです。全ての話は細分化していくと言い出した人がいて、それはその時々によってまちまち。僕の時もあれば他の人のこともある。(続
- でも、その提案にみんなで意見を出して集約して通る時もあれば却下になる時もあるわけで。だからその個人を特定しても本質ではない。と言うことが言いたかったのです。それはきっとヤオヨロズさんも一緒。組織、チームってそう言うものかと。 別に圧力があって書いてるわけじゃないですよw
であると補足した。つまり、KFPとしては「ヤオヨロズ側が降板を申し出た」というのが公式見解であり、それはテレ東Pの立場としても変わらないが、一方で福原氏は「(意味も分からず)降板を宣言された」と証言、公式の発表にあるような情報共有に関する問題は存在せず、降板についても辞退などではなく委員会からの一方的な通達であったという認識を示したため、双方の意見の食い違いが発生することになった。
- ただし、両氏の発言はあくまでも個人の発言であること、KFP参加企業の中にはヤオヨロズの親会社であるジャストプロも含まれている点に留意する必要がある。
2018年カドカワ株主総会
参照元:https://togetter.com/li/1239109 https://michsuzuki.hatenablog.com/entry/2018/06/20/000519
株主総会にて何件か降板に関する質問があり、それについての回答を列記する。
- KADOKAWAは製作委員会出資13社の1社に過ぎず、主導権はない。その上で各社に意見を窺ったが、最終的には制作会社との折り合いがつかず、全社一致で降板という決定に至った
- たつき監督解任というより、制作会社が製作委員会の要望に必ずしもマッチしなかった。たつき監督のツイートの後、私と川上で一緒に制作会社に会って意見や要望をうかがった。製作委員会各社にも個別に話を聞いた。その上で合わないとなった
- いろんな提案をしたが、監督降板というより制作体制の折り合いがつかなかった。もちろん、たつき監督のすばらしい才能と貢献には感謝している。第二期はまだ未定
- KADOKAWAは批判の矢面に立たされたが、特にドワンゴとしては事故に巻き込まれたという認識。尽力したが意見の不一致を埋め合わせることができなかった
- それを声高々に「僕たちは悪くない」と宣言するのも違うと思い、敢えて釈明はしなかった
またTwitter上にて、ドワンゴ執行役員(当時)の栗田氏が「たつき氏とカドカワに認識の違いがあったのか?」という質問に対して「その認識で合っています」と回答した。
9月27日の発表よりは踏み込んだ問答がなされたものの、“意見の不一致”について具体的な内容は一切明かされず(企業間の守秘義務があるため仕方のないことではあるが。これは栗田氏が「言えるなら株主総会で答えてる」と反応している)、騒動を終息させるには至らなかった。
降板の原因について
はっきりとした原因は現在も明かされていない。KFPとしては9月27日の見解が全てであり、KADOKAWAも「委員会とヤオヨロズの意見の不一致」が原因であると説明したがその内容は不明である。またヤオヨロズ側の説明は殆どなく、福原氏が「突然降板を宣言されたと認識している」とツイートした以外はこれといった否定も肯定もしていない。
一方で、ヤオヨロズという会社自体が
- 福原Pが武勇伝として「いちいち確認を取ったらスピード感が無くなる」と語る
- 12.1話を事後承認という形で楽曲の使用許諾を得た
- コミティア及びコミケ(後者は吉崎氏の許諾有)でけものフレンズ関連の同人誌を出す
福原氏は製作委員会方式についてメリットを挙げつつも度々問題点を指摘しており、この点がより意見の不一致が原因であるということを補足している。
更にこの説を補足する要因として、Twitterのけものフレンズ公式アカウントが声優や主題歌に対する受賞に祝福の言葉を送っているのに対し、アニメそのものに対する受賞に関しては一切反応を示していないことや、後述の“第二次たつきショック”にてたつき氏が「しんどい」「けもの」といった言葉遣いをしていることからも、KFPとヤオヨロズの関係が決して良好なものではなかったということが窺える。
検証の結果、「情報共有や連絡がないままでの作品利用」は未だに不明である。
- ばすてき:細谷氏や吉崎観音に許諾を取っており、12月27の福原Pの報告でも委員会へ報告の上制作している事が報告された。但し、公式声優などを用いた動画が2次創作と言えるのか、など、その許諾の範囲の認識に各人で齟齬があったという証言がいくつか確認できる。
「細谷P「ロイヤリティ取るぞ」(笑)福原P「これは同人です」「冗談で13話待機とかやってるじゃないですか。そしたら何か上がったというので、え、ほんとに?という感じだった」」
細谷氏は権利関係の申し立てができると発言しているが、制作会社降板という大事件を起こしつつも動画の削除は行われていない。
- コミティア:著作権の譲渡契約は本放送分のみしか行わないのが普通なので、KFPAが著作権を持っているのはあくまで本放送のみで、別途で自主制作したばすてきの著作権はirodoriメンバーが持つと思われていた。コミティアで出された没作画集はアニメ本編と無関係ではあるものの、公式の情報資料を同人感覚で出すのは著作権侵害にならずとも別の問題が生じる可能性がある。そもそも8月コミケを出している以上、「正常化を図る申し入れを受け入れられないと返答された」とする文言と矛盾する。しかし、そもそも、コミティアでは原作者自身以外の作品は2次創作扱いとなり、例外があるとは言え、2次創作部分は総ページの半分以下などの厳格なルールを守らなくては、販売できないはずである。なぜコミティアで販売できたのか、長らく謎であったが、2021年に、CHOCO氏が自身のFGO本をコミティアで販売する際、条件、規約などを説明し、そのリプライで「当時、一部のコミティアスタッフは(どういう経緯でか不明だが)『irodoriがけものフレンズの原作者である』と認識し、販売許可を出していた」という証言が確認された。没作画については著作者はirodoriメンバーとなり、コミティアの出版物の原作者はirodoriと考えるのが自然と思われる。また、それらに問題があるのであればKFPはそれを素直に言及すれば良いのでは。「けもフレ物扱ってるサークルが有るけどいいの?ってスタッフさんに聞いたら、「あそこ作者本人だから大丈夫よ」って回答があった記憶…」
- 8月コミケ:吉崎観音の許可があり、再販した同人誌の表紙にも「けものフレンズプロジェクト特別許諾」の文字が記載されている。
- JRA(日本中央競馬会)や日清とのコラボ:コラボ先から窓口を通して正式な契約を結んでいると声明が出された。
第二次たつきショック
注:第二次たつきショックの名称は本記事執筆の為、便宜上付与したものです。
- 第2期新ユニットオーディション台本の盗作
2018年9月2日、ユニットオーディションで使用される台本について、個人サイト「目指そう!声優」の管理者が同サイトで公開されているものと一致していることを指摘し、この台本は素材フリーとしているが著作権は放棄していないと宣言。その後、台本は内容が不適切だったとして取り下げられた。
2018年9月14日20:08、先の台本盗用に関連して、たつきによるツイートが再び投下された。
「台本無断使用のお話教えてもらいましたが、台本作者さんへの言及の無さに創作への蔑視が見えて…うーん…」
「同じ文字まわりで脚本料全話と脚本印税いまだ1円もお支払いいただけてないんですよね。けもの。しんどいので忘れるようにしてたんですが、やっぱりこういうのも声をあげた方がいいのかなー…」(原文ママ)
ツイートの内容からして先のオーディション台本盗用の件について言及しているのは明らかであるが、それにかける形で
「けものフレンズ1期の為に書いた脚本料・脚本印税が自身に1円も支払われていない」
という内容の声を上げたのである。この発言はKFPが本来払うべき金をたつき氏に支払っていないという意味に取れ、そのセンセーショナルな予測に9.25と同様ネットは大きく反応し、ネットニュースでも即座に配信された。(ねとらぼ)(ライブドア)この時点ではネット上では「KFPがたつき氏に金を払っていない」という予測の声が大きく、KFPに対する批判が展開された。
が、後年では脚本料などの制作費は制作会社(=ヤオヨロズ)から支払われる流れである事が明かされているので、監督の発言が本当であればヤオヨロズが監督への支払いを滞らせている、という事にもなる。
9月15日、この件について細谷氏がTwitter上にコメントを発表。
「製作委員会としてたつき監督を含んだヤオヨロズさんとの契約、発注なのでそこから先のお金の流れは我々にはなんとも言えないです。恐縮ですがこれ以上のことはお答えできません。すみません。」
また、ヤオヨロズに参加していた経歴を持つアニメ監督、石ダテコー太郎氏も以下の内容をツイート。
この発言により、たつき氏に何らかの誤解があるのではないかという声が上がり始め、次第に憶測(という名の中傷)合戦が発生する事態となった。
9月16日、たつき氏により以下のツイートが投下された。
台本盗用騒動において加藤氏による謝罪が行われている事と併せて本件も一応は幕引きとなった。
2019年テレビ東京株主総会
2019年6月25日、テレビ東京の株主総会にて株主からたつき監督の脚本料と脚本印税が未払いは下請法に違反しているのではないかという質疑に対して、テレビ東京の田村明彦氏は「脚本料と二次使用は契約書に則り支払いをしている」「交代については制作委員会の総意であり、アニメ業界ではままあることと認識している」と回答した。
- アニメ2期炎上騒動
上記の監督降板騒動もあり、アニメ2期に対しても少なからず批判の声が上がっていた。このうちニコニコ生放送では、2019年3月12日に配信された第9話の放送後アンケートにおいて、5段階評価のうち最高評価に相当する「とても良かった」が3%となり、公式アニメ配信でのワースト2位(当時)を記録した。同じく第12話のアンケートにおいては「とても良かった」が2.6%、最低評価である「良くなかった」が95.3%となり、公式アニメ配信での最低記録となった(それまでのワーストは遊戯王ARC-V第148話の2.8%と94.2%)。
アニメ2期にここまで極端な中傷や低評価が集まった理由の一つとして、多くの視聴者が2期の内容等が制作陣による1期ファン・制作陣に対する"悪意"で満ちているように感じたという感想がある。1期と対照的な内容ゆえに「1期をとにかく潰したいという悪意を感じる」という声が一部で上がった。しかし、当時は冷静な判断・分析による批評を下す意見が個人的な主観による多数の声に埋もれがちだったのもそのように捉えられていた原因の一つと言える。
また、アニメ2期の制作を担当したトマソンにも一日に200件のメールや数十件の電話による問い合わせにより業務に支障が出ている事、さらに自身の名前を無断で様々なサービスへの登録に使われている事がトマソン所属のアニメーターの沼田心之介より語られており、外部からの妨害もアニメ制作に支障をきたしていた事が示唆されている。
中にはまとめサイトで集めた情報を頼りに評価を下す者(いわゆるネットイナゴ)も複数存在し、結果的にそれらの者達の声が大多数になった事によって擁護派の意見が捩じ伏せられていた事、また低評価に集中するよう一部の人間が悪意をもって計画していた事も指摘されており、さらにそこからの延長線として誤った情報を信じて作品叩きに便乗した人間も今なお多く、当時から数年経過した今でも炎上騒ぎを根幹とした真偽不明の情報の拡散や公式及びファンへの理不尽な攻撃が終息せずにいる。
ただし、上記の数字はあくまでもニコニコ生放送の中での数字であり、あにてれなど別のサイトでの評価は概ね上記とは異なるものとなっている。
4月15日、テレビ東京は同社の『けものフレンズ2』公式サイトにて、同社スタッフがSNSで「視聴者の方々を不快にさせる」不適切な投稿をした事を認め、謝罪するコメントを発表した。日本では発言を行ったスタッフの実名や不適切発言の具体的な内容は示されなかった(海外のギーク系ニュースサイトでは細谷氏の発言と報じており、実際に細谷氏はTwitter上で自身に届いた批判または中傷目的のリプライに対して相手の感情をさらに逆撫でしかねない返信をしていた)。
2019年4月25日、テレビ東京定例記者会見でライツビジネス本部長の川崎由紀夫氏は、細谷氏のSNS投稿に対して、同局が謝罪した問題で彼をアニメ以外の他の部署に異動させ、アニメ制作業務から退かせたが、社内処分ではなく定期異動の一環であると発表した。また、同本部長は細谷氏のSNS上での発言が、視聴者の意見を皮肉ったり、煽ったりしたものであり、不適切だったことを認め、宣伝するつもりが対応を誤ったということで反省している、と述べた。同局の小孫茂社長は、視聴者の意見に対しては常に真摯であるべきで、どのような反応を届けられたとしても、正面から受け止めなければならないとしている。
なお、2020年6月24日に細谷氏はテレビ東京を退職し、アニメバーを経営している。
- ブルーレイ全巻購入特典の景品表示法違反の指摘
第2期ブルーレイ全巻購入特典の「全話一挙見ディスク」がプレゼントされることになっているが、ブルーレイ購入者が封入されたチラシの中に全話一挙見ディスクに1000円の手数料が必要と記載されていることを公表した。カドカワストアと松竹DVD倶楽部には手数料が必要との但し書きがなく、景品表示法違反が指摘されていた。6月7日に誤記を認め謝罪した。
pixivへの影響
これらの炎上による影響はpixivにも及んでおり、当該ツイートから広がった根拠のない憶測やけものフレンズ2の作風に対して批評の域を超えた中傷、さらにピクシブ百科事典における関連する記事でもヘイトに偏った編集が多く見られた。
さらにpixiv本サイトでも、以下のようなアンチ・ヘイトや誹謗中傷を目的としたイラストが日常的に投稿されるという異常な状況が長らく続く事となった。
2021年カドカワ株主総会
漫画家ピョコタン氏によるリポート(9:21~15:30)
数年にわたり、この件に関する質問が株主総会で繰り返し行われたが、この年の総会では、長時間にわたる要領を得ない質問内容が他株主からの不興を買い、氏から「他の多くの株主が集まる場で、自分のことだけを考えて、貴重な質問の機会を奪うべきでない」と苦言を呈されるに至った。
これを皮切りに、当時から活動していたKFPアンチの所業が騒動の詳細をあまり知らない層にも知れ渡る事となり、アンチや対立煽りの活動規模が少なからず収縮している。
炎上の要因
元々けものフレンズというプロジェクト(KFP)は、アニメ放送前から、ゲーム、舞台を交えたメディアミックスを計画していた企画であったが、アニメの完成が長期に及んだこともあり、放送を待たずしてNEXON版アプリは終了、漫画版も放送中に連載終了したため、当時は単純に「けものフレンズの魅力=たつき監督に依存するもの」という認識を持つ人間が多かった。そのような層からすれば「たつき監督の降板による作風の変化はコンテンツの魅力の喪失に直結する重大事」と受け取られ、コンテンツ自体の存続が危惧されることとなる。
(NEXON版アプリから触れていた層からすれば、アニメ版を見て『園長(NEXON版プレイヤー)とアニマルガールによって守り通したジャパリパークが滅んでしまっている』といった感想を抱いたファンがいたりもする)
更にアニメ二期の制作決定が発表されていたことと、正式発表前にたつき監督が「2」のロゴを含んだビジュアルをフライングで発表していたこととを合わせ、「二期もたつき監督が製作するもの」という意識は広く行き渡っていた。年末の福原Pの報告でも、3月には2期の依頼があり実制作を続けていたと証言している。そこへ突然の降板発表であり、その落差もパニックを助長したと思われる。こうした衝撃・驚愕はKFPに対する疑惑という形で爆発し、長く続く炎上の主原動力となった。
KFPの対応の遅れ
たつき氏が最初のツイートした直後にKFPがファンを落ち着かせるような対応を取っていれば、あるいはこの時点で「大きな認識の相違がある」ことを発信していれば、ファンに冷静な判断を促し、炎上も小規模ですんだ可能性が指摘される。
しかし実際にKFPが発表を行ったのは上記のとおり2日後であり、「認識の相違」が明言されたのは2018年に入ってからである。KFP内での意思疎通など察すべき事情はあるものの、少なくともパニックに陥ったファンを落ち着かせるには遅すぎた対応と言えるだろう。
この間にファンのやり場のない感情ははけ口を求め、分かりやすい「悪者」を求めて「(たつき監督のツイートに名前が出た)カドカワという悪者がたつき監督をのけものにした」という無根拠な疑惑を固めてしまう。
また、対応の遅れとは関係ないが、この騒動の前後にKFPの信頼度を削ぐような事案も(一部真偽不明もあるが)多発している。構成会社であるKADOKAWAのコンテンツ潰しとしての黒い噂や二期声優オーディションの台本盗用騒動などがそれにあたり、間接的に炎上の燃料になったのは間違いない。
KFPのように多数の企業が共同してプロジェクトを組織する方法は、リスクの分散や各企業が得意分野で活躍できる等のメリットを齎す反面、デメリットもあると目される。具体的には「一つの組織として行動する場合、一々企業間での情報共有・意思統一を行わなければならないため極めてフットワークが重くなる」「綱紀粛正が全体の隅々まで行き渡らない」等が予想される。前述したようなKFPの対応の遅れやインシデントの多発を見る限り、こういった組織体系の悪い面が事あるごとに出ているのではないかとの指摘もある。
ヤオヨロズ側の対応の問題
KFP側への動きに批判が集まりがちだが、対してたつき監督及びヤオヨロズからは、先述のように問い合わせに対して責任者不在を理由に騒動に関する回答が行われずじまいで、それ以前に事の発端となったツイートの数々も現状ハッキリとした証拠や続報がうやむやになったままの為、見方によってはヤオヨロズ側が事態の終息を放棄したようにも取れてしまう。
実際、炎上がピークの時期にけもフレ側への過激な攻撃が繰り返されている中、たつき監督やその他関係者から過激なファンへの注意喚起が行われる事は一切ない状態だった。
その後の流れ
当時と比較すればある程度落ち着いたものの、騒動から数年が経過した現在でもファン同士の論争が後を絶たない。
現状は当時のアンチ層が「あの時暴れていたのは真フレがなりすまし工作を行なっていた」と当時の出来事を隠蔽によって無かった事にしようとする動きも確認されており、まとめサイトを主に陰湿な手段での責任転嫁行為も後を絶たない。
ただし、たつきショック当時~けものフレンズ2が放映された2019年にかけてX(旧Twitter)や匿名掲示板、ニコニコ大百科やPIXIV百科事典に作成された記事の編集履歴やコメントには当時の過激な論調や記述が確認できることもあり、サジェスト汚染も相まって完全に痕跡を消すのは困難である。
また、元プロデューサーの細谷氏は当時の騒動から執拗に攻撃を続けていた悪質な人物に対して法的な措置を取っている事もtwitterで語っており、目に見えていない所で一部の人物が未だモラルに欠ける行動を続けている事が示唆されている。
https://twitter.com/nobutx_0517/status/167287392842162176