概要
CV:山本圭子
ライオンの様な髪にケンタウロスの様な四本足を持つ魔物。全身を頑丈な鎧で覆っている。
腹部には第二の口があり、主にそこから術を放つ。パートナーであるバニキスを隠しておくこともできる。
特殊な杖を所持しており、一族に伝わる呪術を使う事で対象者(作中では魔物の本の持ち主に対して使用)にファウードの封印を解かなければ数日以内に命を落とす「呪い」をかけることができる。
しかし、この呪いには自分自身の命を削るリスクもあり、回想においてバニキスから心配されている描写もあった。
冷静ではあるものの、高慢かつ挑発的に相手を罵るようなことが多い。しかし、それは彼が元から性悪であるというよりも、一族からの過剰な期待で「必ず王になる」と脅迫めいた責任感を自身に課してしまったが故の行動であるとも見受けられる。
(現に作中序盤で登場したレイコムやマルス等、「王を決める戦い」に参加する中で性格が歪んでしまった魔物は他にもいる)
石版編におけるゾフィスと似た立ち位置におり、無関係な人間も平気で巻き込もうとした点はリオウも同じだが、ゾフィスと違ってバニキスとは良好な関係を築いており、戦闘中に彼の身の安全を配慮していることからも、少なくともゾフィス程外道では無い。
また、ゼオンやザルチム、ロデュウと比べると少々鈍い所があり、ファウードの鍵破壊には向いてないとはいえ汎用性ある術を複数抱えるパピプリオを終始放置してたうえ、ゼオンの腕前に依る所も多々あるとはいえ、敵に自分の体毛を掴まれてることにすら気付かないまま移動した事も。
呪文
- ファノン
腹部の口から獣型のエネルギー弾を放つ。
- ファノン・ドロン
獅子の頭部に似たエネルギー弾を放つ。たてがみで相手を絡め取ることも可能。
- ガルファノン
腹部の口から高速回転する獣型のエネルギー弾を放つ。ザグルゼム1回分のザケルガを相殺できる程の威力がある。
- ゴウファノン
腹部の口から角に覆われた獣型のエネルギー弾を放つ。
- グルガ・ドルファノン
口(牙?)がドリル状になった獣型のエネルギー弾を放つ。ザグルゼムで2回強化したラシルドでなければ防げない程の威力。
- アーガス・ファノン
地中から巨大な獣の口が現れ、自身を飲み込むように防御する。上記の強化ラシルドで跳ね返されたグルガ・ドルファノンを無傷で防ぐ程の強度。
- バーガス・ファーロン
自身の腹部の口に生えた牙を勢いよく伸ばし、相手を突き刺す。牙の動きは自在に操れる。
- ウイガル・ファノン
腹部の口から放つ風圧で相手を押し潰す。
(作中の描写から「重力」「衝撃波」の類にも見えるが、「ウイガル」が風属性の呪文であるため「風圧」だと考えられる)
- ファノン・リオウ・ディオウ
リオウの最大呪文。腹部の口から三つ首の巨大な獣のようなエネルギーを放つ。
頭の一つ一つは「ザグルゼム」の連鎖で強化・分裂した「バオウ・ザケルガ」を相殺できる程の威力がある。
- ギガノ・ファノン
獅子を模した巨大なエネルギー弾を放つギガノ級呪文。
- ギルファドム・バルスルク
「禁呪」と呼ばれている術。リオウが二本足で立つ巨大な獣の姿へと変貌し、パワーが10倍近く跳ね上がる一方、パートナーをも攻撃する危険があるほどの獰猛さを併せ持つようになる。バニキス曰く「狂戦士(バーサーカー)状態」。
ゼオン戦の描写を見るに、大きなダメージを受けると元に戻る模様。
本の持ち主
バニキス・ギーゴー
CV:滝知史
リオウの本(ライムライト)の持ち主である長髪の男性。
ガッシュ達と戦うまではリオウの第二の口に隠れて呪文を唱えていた。リオウが倒された後はコントロールルームの柱に閉じ込められており、後に他のパートナーと共に脱出した。
活躍
一言で表すならば、「ファウード編の仕掛人」。
魔界の王となるために、一族から託された強大な兵器といえる魔物・ファウードの復活を目論む。
ファウードの封印はディオガ級の術を12発は同時に打ち込まなければ壊せない程の強度だったため、ファウードの復活を餌にディオガ級の術を持つ世界各地の強力な魔物を勧誘し、一時的に傘下に引き入れた。
無論、ファウードを復活させた後に彼らが謀反を行うのは折り込み済みだったので、ファウードは鍵である石を持つ存在=自分にしか動かせないという情報は口外していなかった。
それでもディオガ級の術を持つ魔物の数が足りず、自身を危険に冒しながらもアリシエ、リィエン、エリー、ニコルの計四人に呪いをかけ、彼らとその魔物たちを(事実上の脅迫に近い形で)傘下に引き入れた。
ファウードを解放した後はファウードの「主砲」を海に放ち、その圧倒的な力を知らしめ、(やっぱり寝首をかくチャンスを狙っている)ロデュウやキースなどの魔物達を改めて手下に引き入れた。そしてファウードの力を使いガッシュたちと交戦。
「ファウードをケルマディック海溝に瞬間移動させ、海の底に沈めて転送装置が起動するまで時間を稼ぐ」という、清麿が事前に仕掛けた予想外の策に一度はピンチに陥るも、ファウードは平泳ぎできたため事なきを得た。
その後、ファウードを魔界に返す装置のロックを解除させるべく、ガッシュペアを拉致し交戦。
ファウードの回復液による心の力を無視したバニキスの術の配分もあれど、ガッシュペアを相手に完全に優位にたち、彼らの捨て身の作戦にも耐えきり、清麿を作中で初めて死亡させることに成功。
このとき、怒りにより潜在能力が一部もれ出たガッシュに狼狽えている内に、ウォンレイ達も駆け付けてきたため、分が悪いと判断しコントロールルームへ撤退。
ファウードの栄養液に浸かり、バオウで負わされた傷を完治させたリオウ。後はファウードを魔界に返す装置を解除さえすれば、最早彼が王になるのは決定的と思われた。
しかし、現実はそう思い通りにはいかなかった。
ガッシュ戦後、なんとゼオンが彼の前に襲来。
ザルチムですら(何か得体の知れない嫌な予感は抱いていたものの)存在を感知していなかった相手の登場に驚かされるのも束の間、鍵たる石をかけて戦闘になる。
ガッシュを追い込んだ肉体は完全にゼオンに凌駕され、ガッシュ戦では使わなかった切り札足る禁呪すら「(素の肉弾戦と)中級呪文一発で十分」と一撃で強制解除の目に遭い、終始一方的に叩きのめされてしまう。
最後に放った渾身のファノン・リオウ・ディオウでさえもジャウロ・ザケルガによって破られ、鍵たる石を奪われた後に本を燃やされてしまった。
回想シーンではファウードを管理していた一族に、魔界の王になるためにそれを渡されるという過剰すぎる戦力と期待を託されていて、それに応えるべく非情な手段を使ってでも王になろうとしたことが示唆されている。
王になるためにガッシュ達は勿論、自分自身をも追い込んでついにファウードを手に入れた矢先に、あまりにも呆気なく哀れに終わりを迎えてしまったのだった。
余談
ゼオン戦でのあまりのボコられっぷりから「弱い」「噛ませ」のようなイメージを持たれがちだが、
- 歴戦の魔物たちすら「一人一人では勝てないから手を組んでリオウを撃退した後、ファウードを手にいれる」と考えていたこと
- 清麿に対して個人的に敵視しながらも、彼を「知将」と評し素直にその頭脳を認める度量
- (バオウ覚醒前とはいえ)ラウザルク状態のガッシュと肉体強化無しで押し合える筋力
- ザグルゼムで強化されたバオウ3発分を相殺する最大術
- (作中で確認できる限りでは)千年前の魔物の中でもトップクラスであるデモルト以外に使用者がいなかった「バルスルク」系を習得している
等、むしろ魔物の子全体で比較すれば充分に強キャラといえる実力を持つ。
彼の戦闘面での悲しさはただひとつ、「相手が悪かった」としか言いようがない。
なお、彼に従っていた多くの魔物はあくまで上記の通りファウードの力を狙うか、パートナーにかけられた呪いにより心ならずも協力していたかに過ぎないが、唯一ザルチムだけは(本人もその気持ちが友情だと気がつかぬままとはいえ)リオウに純粋に協力してくれていた。
リオウも彼を側近役に置いて、作戦を共有するなど信頼していたようである。
最終回ではザルチムとの友情に気がついたのか、それとも王になるという過剰な責任感から解放されたためか、集合写真に写っている彼はザルチムの隣でウインクをした爽やかな表情を浮かべている。