概要
第一印象の悪い人が良いことをすると、まるでその行為がその人物の総評であるかのように過大評価(ゲイン)をされ、第一印象の良い人が悪いことをすると、まるでその行為がその人物の総評であるかのように過小評価(ロス)してしまう人間の心理現象を指す。
ゲイン効果の方は一時期ヤンキー効果とも呼ばれた。
ゲイン効果の例
- 普段は素行の悪いことをしている不良が掃除をしたり、人を助けたりする。
- 特に成果や成功を期待されていなかった者が功績をあげる。
- DV男がたまにみせる優しさ。
- 何らかの理由で非難されている対象のそれ以上に素行の悪いアンチの存在により対象の評価が相対的に保護される。
ロス効果の例
この現象の厄介なところは、ゲイン効果を受けた第一印象の悪い人が『悪いことをしていない第一印象が良い人以上の善人』、ロス効果を受けた第一印象の良い人が『悪いことをしている第一印象が悪い人以上の悪人』という烙印を押されがちなところである。つまり第一印象の悪い人は何をやっても損にはならないのだ。
その結果、見た目も中身もバリバリのヤクザが世間から聖人君子の評価を受けるという摩訶不思議な現象が発生する。正直者が馬鹿を見るのはこの心理現象があるからこそだといえる。
匿名によるインターネットが普及した現在、ゲインロス効果の影響は弱まるどころか益々強まっている。特にロス効果に至っては、かつてはそれほど騒がれなかった不倫などの不祥事がインターネットでの監視社会やマスコミの過剰報道の影響で針小棒大に騒がれるようになった影響で以前よりも無視できない影響力を持ちつつある。
特に近年はネット上で犬笛で自分と敵対する人間を見せしめで攻撃し、民衆を防衛機制によって萎縮させた後、まともな発言や行動を取ることでゲイン効果を発生させて「人格者」だと人気を博す詭弁家が急増しているのが社会問題化しており、これはやってる事はほぼストックホルム症候群と変わりないかなり悪質な手法である(以前からヤの付く人とのつき合いが深い実業家の間では多用されていた)。
ゲインロス両方の効果が発生した例
「魔法少女まどか☆マギカ」の美樹さやかと佐倉杏子
- さやかは序盤では仲間思いな一面が強調されていたが、次第に己の正義に暴走することで周りの意見を聞かなくなり、最期には魔女化して周りに多大の迷惑と被害をかけた。
- 一方、本編登場まで魔法少女の力を悪用してたびたび盗みなどの犯罪行為を働いていた杏子は魔女化したさやかを救おうと説得したがすでに手遅れで最期はソウルジェムを使った自爆でその魔女を道連れに命を散らした。
そのため、本編終了後は杏子>さやかという総評になってしまい、この評価はグッズの売上にも影響し、当時さやかのグッズだけが売れ残るのも珍しくないほどだった。
もちろん当時から「杏子の方がずっと悪いことしてるのになんでさやかより聖女扱いされてるの?」と疑問視していた者もいたのだが…
関連タグ
ギャップ萌え(ある意味で類義語)