概要
最初の時間軸でミーアの専属メイドだった少女。ティアムーン帝国の中央貴族であるローゼンフランツ伯爵家の三女。
原作第12巻の電子書籍版特典の番外編「専属メイドになりそこなった少女」では、彼女が主役を務める。
人物像
要領が良くお世辞を言うのが上手いが、主人に対する忠誠心は低く、ミーアの知らないところで陰口を叩いていた。
作中での動向
最初の時間軸
前述の通り、ミーアの専属メイドに抜擢され、セントノエル学園に同行する。しかし、「うつされたくないから」という理由で風邪をひいたミーアを放置して友人とお茶会を楽しむなど、メイドとしての仕事は不真面目であった。
その後、帝国全体に不穏な空気を感じ取ると専属メイドをあっさり辞職し、実家であるローゼンフランツ伯爵家に出戻った。しかし、革命の炎は実家のローゼンフランツ伯爵領にも及びあっさりと失陥。両親は暴徒に捕らわれて処刑され、二人の姉は消息不明となり、一瞬にして天涯孤独の身となる。
途方に暮れた彼女は帝都ルナティアにあるローゼンフランツ伯爵家の別邸に向かうが、その別邸も既にもぬけの殻。それはかつて風邪をひいたミーアに対して行った所業が、全て自分自身に返ってきた瞬間であった。
さらに、帝都ルナティアで流行していた流行病に冒されて衰弱していた彼女の身体は限界を迎えており、そのまま新月地区で行き倒れ寸前になるが、そこへ偶然通りがかったミーアに発見され、彼女にメイドとして雇い直される(という名目で実際にはミーアがペトラを看病する)という形で命拾いする。
その後、帝都ルナティアと白月宮殿が革命軍の手によって陥落すると、彼女は「ミーアに虐められて衰弱したメイド」として保護された。一旦は否定しようとした彼女だったが、自身が貴族の娘でありミーアの専属メイドだった過去を知られることを恐れ、それを否定する事はできなかった。
体調が回復した後、ミーアの世話をするために地下牢に向かおうとするが、そこで同じくミーアの世話をしにきたアンヌの姿を発見。自分よりミーアに冷遇されていたはずのアンヌがミーアの世話をしようとしていること知り、その姿に自らがミーアにした仕打ちを顧みて「もはや自分にはその資格はない。今更どんな面を提げて姫殿下の御前に出られるだろうか」と自身の身の振る舞いを恥じ、アンヌに母の形見でありミーアに使おうとしていた櫛を託した。
その後は、新月地区にある小さな教会で孤児の面倒を見ていたようだが、革命政府の分裂瓦解を経て小国となった元各領と周辺国が覇を競い弱肉強食を是とするヒャッハーだらけの戦国地帯となった"旧ティアムーン地方"においては、いかな手段を以てしても弱き孤児たちを守るような事は出来ず、子どもたちの生死や荒み(ヒャッハー化)をただ無為に見送るしかなく、結局は運命の荒波に潰され無意味に過ごす、終生自分を許す事の無い人生を送った。
本編の時間軸
アンヌが専属メイドに任命されたことにより、メイドを続ける意味をなくしていたが、実家に戻る気もなかったためメイドを続けていた。その際、アンヌが専属メイドになったことに不満を持つ下級メイドたちをたびたび嗜めていた。
その後、ミーアが聖ミーア学園を設立すると実家の反対を押し切り入学。その学園生活を楽しむ中で、年少の子供たちの面倒を見ることを懐かしく感じていた。卒業後、学園から教師にスカウトされ快諾。自身の貴族としての教養や礼儀作法を生徒たちに教え込んだ。
その功績により、女帝となったミーアから勲章を賜ることを提案されたが、自分には忠義もなくミーアを裏切った人間であると告白。その言葉を聞いたミーアから自身の記憶にない裏切りを許され勲章の代わりにミーアの髪を梳くことも許可される。
後年の歴史書では聖ミーア学園を代表する教師であると同時に、ミーアの良き友人として記載されることになる。
余談
元々はミーアが最初の時間軸を回想したシーンにのみ登場するモブキャラの一人に過ぎず、「伯爵家の三女」などの基本情報以外は特に設定されていなかった。しかし、コミカライズ版で設定された容姿を原作者が気に入ったことから、番外編「専属メイドになりそこなった少女」が執筆されることになり、名前などの詳細な設定はこの時に明かされた。
アンヌとペトラは様々な設定が対になっている。
- アンヌは平民出身で、ペトラは中央貴族出身
- アンヌはきょうだいでは一番上(長女)で、ペトラは三姉妹の末っ子(三女)
- アンヌは要領はあまり良くなくドジだが、敬愛する主人が相手でも言うべきことは面と向かってハッキリ言う。ペトラは要領が良くお世辞を言うのが上手いが、裏で主人の陰口を叩く
- アンヌはメイドの仕事に対しては真面目で主人への忠誠心が高い。ペトラはメイドの仕事に対しては不真面目で主人への忠誠心が薄い
関連タグ
アンヌ・リトシュタイン(後任)