概要
MacBook Airは、米Appleが2008年から製造・販売している薄型のポータブルMacintoshのシリーズ名である。
発売当初は薄型・軽量のプレミアムモデルとして位置づけられていたものの、2011年7月のMacBook(ポリカーボネート)の取り扱い中止に伴い、ポータブルMacのメインストリームモデルとして位置づけられ、Macintoshの再量販機種となっている。
最初の世代からディスプレイサイズは13インチだったが、現在は15インチモデルも用意されている。過去には小型の11インチモデルが用意されていた時期もある。
各世代
Early 2008 - Mid 2009
2008年1月に1.36kgという当時史上最軽量のMacintoshとして登場。ボディは最も厚い部分は1.94cmだが、エッジが薄く絞られたデザインのためさらに薄く見える。光るキーボード(バックライト付き)を内蔵し、一枚のアルミニウム板のようなデザインだが、筐体は実際にアルミの塊から削り出し加工されている。このようなデザインのノートパソコンは今でこそ珍しくないが、当時としてはとても斬新なものであった。光学ドライブはなく、USB 2.0ポートは1基のみ搭載し、ビデオ出力端子・ヘッドフォン端子とともに開閉式I/Oドアで隠れるようになっていたため、MagSafe電源ポート以外で外形上目につくポート類はなく、非常にスマートであった。
薄型ボディを実現するため、1.8インチのハードディスクドライブを搭載した(当時のiPodと同様のもの)が、このドライブはとてもアクセススピードが遅く、パフォーマンスの足を引っ張っていた(オプションでSSDも用意されていたが、最上位モデルはMac Proなみに高価となった)。CPUも当時のMacBookよりクロックを抑えた低電圧版のCore 2 Duoを搭載していた。
Late 2010 - Mid 2017
SSDを標準化し、ストレージの遅さを解消。13インチと11インチの2モデルを用意し、大幅に値下げされた。I/Oドアを廃止しボディの左右にUSB 2.0を2基搭載し、普通のノートパソコンと同様の感覚で使えるようになった。13インチは1.32kgと少し軽量化され、11インチは1kg強の軽さである。11インチもAppleらしくフルサイズキーボードを搭載しているが、上列のファンクションキーと最下列のキーが少し小さくなっている。13インチのみSDカードスロットも搭載している。
Late 2010ではキーボードバックライトの搭載がなかったが、ユーザーの熱望を受けてMid 2011から復活した。またMid 2011からビデオ出力を兼ねたThunderboltポートを搭載した。Mid 2012からはUSBポートが3.0に対応した。
2015年3月、初期のMacBook Airにコンセプトの近いミニマル志向のMacBook(Retina)が登場し、MacBook AirはMid 2017で11インチが廃止され13インチのみとなった。
Retina, 13-inch, 2018 - 2020
2,560×1600ピクセルの超高解像度Retinaディスプレイを搭載。筐体デザインを刷新し、それまでの銀縁ディスプレイから黒縁のデザインとなった。ボディーカラーはそれまでのシルバーに加えてゴールド、スペースグレイの3色が選択できる。MagSafe電源コネクタが廃止され、USB-C/Thunderboltポートから給電を行う方式となった。重量は1.25kgと少しだけ軽量化された。SDカードスロットは廃止された。セキュリティチップのT1チップを内蔵し、指紋認証のTouch IDを搭載。SSDは基盤に直付けとなったため、ユーザーによる交換はできない。
この世代のノート型Macは薄型のバタフライキーボードを採用していたが「タッチが悪い」「ペタペタして打ちにくい」と評判が悪い。接触不良などのトラブルも相次ぎ、結局Intel最後の2020年モデルから従来のパンタグラフ型に戻された。
M1
初のAppleシリコン搭載Macとして2020年11月にMac mini、13インチMacBook Proとともに登場。前世代の2020年モデル比較してパフォーマンスが3.5倍、グラフィックスが最大5倍の高性能でありながら、バッテリー持続時間が1.5倍となっている。筐体デザインや外部インターフェースは2020年モデルをほぼ踏襲するが、USB4に対応した。バッテリー容量自体は全く変わっていない。従来のIntelのチップに比べSoCの発熱が少ないためファンレス化された。
M2
2022年6月に発表。それまでのMacBook Airの特徴だったエッジが絞られたデザインをやめ、端まで厚みが均一な新たなデザインになった。ボディカラーは従来のシルバー、スターライト、スペースグレイに加えミッドナイトを追加した。
Retinaディスプレイは上部にFaceTImeディスプレイの切り欠き(ノッチ)があるが、macOSは画面上部に固定メニューバーがあるため、違和感がない。従来のノート型Macでは小型だったファンクションキーは他のキーと同じ大きさになった。MagSafe電源コネクタが復活し、充電中にUSB/Thunderboltポートが2ポートとも使えるようになった。空間オーディオ対応の4スピーカーサウンドシステムを搭載した。重量は1.24kgと先代とほぼ変わらない。
2023年6月に15インチモデルが追加された。15インチモデルは2,880 x 1,864ピクセルの15インチディスプレイ、大型のバッテリーに加え、6スピーカーのサウンドを搭載している。
