概要
米Appleが2006年から現在販売しているMacintoshシリーズの中でも特に処理能力と拡張性を重視した、フラグシップ機種である。デスクトップ型のMacintoshでは唯一、拡張カードスロットや2基以上の光学ドライブベイ、HDDベイを装備した機種であり、ハイエンドBTO構成では本体価格だけで150万円を超すプロフェッショナル向け製品である。
販売モデル
Mac Pro 2023
2023年6月、新型のMac Studioとともに登場。外見は2019年版と変わらないが、Mac Proとして初のAppleシリコン「M2 Ultra」(M2シリーズの中で最強のもの)をすべてのモデルで搭載している。
過去モデル
Mac Pro 2019
WWDC 2019にて発表されたMac Proである。前モデルLate 2013からは一新されているものの、どちらかというとMid 2012に先祖返りしたような形で一般的なタワー型デスクトップパソコンの形状をしている。
通気口が特徴的であり、日本では「大根おろし」やら「おろし金」とも称される。
海外ではチーズの塊を削る「チーズグレーダー」と称されることも。
Late 2013
2010年以降はメジャーアップデートに恵まれておらず、Macintoshシリーズの中でも取り残された感が否めなかった。そもそも内部拡張を嫌う故スティーブ・ジョブズから見れば忌み子と呼ぶべき存在であり、2013年当時は今後が不安視されていた。
ところが!
2013年6月11日(日本時間)に開催されたWWDCでついにユーザー念願の中MacProが発表された。だが基調講演の場に現れた“それ”は…
なんなんだこれは!!
それはパソコンデザインの革命とも言えた初代iMacの発表を上回る衝撃であった。
そこに現れたのは一見してパソコンとはとても思えない円筒形でのっぺりとした漆黒の物体であった。
しかもサイズは先代よりもはるかに小さい。コイツをなんと形容すればいいのだろう?
えてして単純なデザインというものは見るものの想像力を掻き立てるものである。それがお祭り好きの日本のネット民ならなおのそらであろう。その日からtwitterにはMacProでご飯を炊いたり、焼肉を焼いたり、涙を理解して溶鉱炉に飛び込んだりといったコラ画像が大量に出現することとなった。
さらには何者かがamazonからとても他人とは思えないゴミ箱を発見。直後売上が急増しベストセラー商品ランキング3位まで上昇。カスタマーレビューはとてもゴミ箱のそれとは思えないネタで溢れかえり、ついにはamazon自らtwitterとfacebookに「こちら新型 Mac Proではありません...」と“公式表明”をする異例の事態となってしまった。
では実際の性能は?
新型MacProを一言で言い表すならば、
「従来のMacProから“売り”をすべて取り払ったワークステーションのような何か」
…と称するのが妥当であろう。CPUは最新型のIvy Bridge系12コアXeon。メモリは最大128Gbyteまで拡張可能。GPUはAMDのワークステーション向け「FirePro」を2基搭載(交換可能)し、4K2Kディスプレイを3基同時表示可能、と基本性能は申し分ない。だが…
MacProをMacProたらしめていた拡張カードスロットが無い。というかそもそも拡張カードが入るサイズではない。それどころか内蔵HDDや光学ドライブすら無い。OSは内蔵SSDからブートされ、その他の拡張機能はThunderbolt 2(転送速度20Gbps)で外付けするのが基本コンセプトなのである。
新型MacProは良くも悪くもジョブズ色(ついでにデザイナーのジョナサン・アイヴ色)の強いMacとなってしまったようだ。拡張性の高さから従来機を使用していたユーザーは今も不安を隠せずにいる。
Mid 2012
一般的なタワー型デスクトプパソコンの形状をしている。
フルスペックモデルの場合には160万円近い価格である。
Mid 2010
初の2.8 GHz クアッドコア Intel Xeonを採用したMac Pro
Early 2009
初のIntel Xeon Nehalemマイクロアーキテクチャ版である。
Early 2008
Mid 2006からのマイナーチェンジ。
Mid 2006
『Power Mac G5』の後継として発売された初代モデル。このモデルからIntel製チップを採用している。
関連タグ
ワークステーション, Macintosh, OSX, Macmini