概要
中新世(約2000万年前から530万年前)の南米大陸に生息していた大型のワニで、現在南米大陸に多く生息するカイマンの仲間。名前は最初に化石が発見されたアマゾン川の支流の一つ・プルス川に由来する。化石はアマゾンの熱帯雨林だけでなく、コロンビア、パナマ、ベネズエラからも産出している。
現生のカイマンは2メートルほどの小型種が多いが、プルスサウルスは小さく見積もっても10メートル、最大で13メートル近くに達する巨体を誇ったとされ、デイノスクスやサルコスクスと並び史上最大のワニと考えられている。
食性は肉食で、他のワニを含めた様々な動物を捕食する、当時の生態系における頂点捕食者だったと推測されている。
短く幅広な吻から繰り出される咬合力は69,000ニュートン=約7tに達したと推測され、歴代の陸上生物で最強クラス、あのティラノサウルスの倍以上に達したともされている。加えて、現在のワニと同様にデスロールも可能だったと判明している。
一方で巨体故に環境の変化には弱く、現在のカイマンのように泥に潜伏したりすることは(不可能ではないが)難しかったとされ、それが原因で徐々に寒冷化する地球環境の中、絶滅したと推測されている。