概要
国境離島警備隊とは、沖縄県警察と福岡県警察に設置されている離島警備部隊である。
尖閣諸島などの離島への上陸を試みる不法入国者は、上陸前であれば海上保安庁が、上陸後は沖縄県警が、上陸の前後を問わず上陸者が軍隊であれば自衛隊が対処することになる。
しかし上陸者が武装した民間人(民間人を装った武装工作員)の場合、上陸後なので海保は管轄外であり、表向きであっても軍隊でない民間人に自衛隊が対処することは宣戦布告とみなされる可能性があるため、沖縄県警が武装民間人への対処をする。
そのため2020年4月に発足したのが本部隊となる。隊員数は約150名。離島に不法上陸した武装民間人への対処をすることから、RPG-7や自動小銃などへの対処を想定した訓練も行われている。装備はH&K G36やサブマシンガン、隊員防護用のボディアーマー等、警察組織としては重武装で、警察航空隊でもないのに自前のEC225LP大型ヘリコプター等を装備する。
県警組織だが、予算は国庫から出されており、隊員の約40名も全国から出向してきた警察官で、事実上は国の指揮下にある組織といっても過言でない。福岡県警にも9名のみ配置されているが、こちらはヘリの操縦要員と整備士だけとなっている。
警察組織でありながら野戦を専門としている、という日本警察としては他に見られない特徴も併せ持つ。なお、特殊部隊SATも民間人を装った武装工作員への対処を想定した野戦訓練を行っているが、立てこもり事案への出動も多いことから、野戦を専門とした部隊ではない。
離島警備という性質上、部隊に関する情報が極めて少なく、謎に包まれている。