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概要

てんとう虫コミックス6巻及び、藤子・F・不二雄大全集5巻に収録「こいのぼり」に登場。

「雲製造機」で作った雲の池に泳ぐこいのぼりを好きに操縦することができる。

ストーリー

スネ夫は皆に自分の大きなこいのぼりを自慢し、「僕はつくづく幸せだと思う」や「こいのぼりも買ってもらえない子は、哀れだよなあ」などとも嫌みを言うが、これを聞いてその場にいたてっちゃんは泣いて走って行ってしまった。訳の分からないスネ夫だったが、てっちゃんは母親と二人暮らしで、家のタバコ屋にもお金が貯まっていないことを見せられ、のび太ジャイアンしずかから非難の嵐を受ける。

これにやけになって怒ったスネ夫は泣きじゃくりながら「分けてやればいいんだろ」と自分のこいのぼりをハサミで切ろうとし出す。だが皆が止めに入ったことで何とか収まり、ドラえもんはいい方法があると言って、スネ夫のこいのぼりを貸してもらい、のび太と協力して家まで持ち帰った。

そして部屋に「雲製造機」で雲の池を作り、「こいのぼりそうじゅうき」を起動させると、こいのぼりが泳ぎ出し始めた。さっそくのび太はドラえもんに言われた通り、餌となる柏餅を持ち出し、途中ママに見つかって「そんなに食べちゃいけません」と注意されるも、「こいのぼりが食べるんだよ」と言って説明し、ママも一旦は納得したがすぐに説明が変なことに気付いて驚いていた。

一方部屋では、こいのぼりの稚魚たちが卵から孵化していたので、ドラえもんとのび太は柏餅を小さくちぎって与え続けた。こいのぼり達がだいぶ大きく育つと、ドラえもんはタバコ屋のてっちゃんの家まで行くよう、こいのぼり達に指示。これにより、てっちゃんとその母親は家の中にやって来たこいのぼり達に大喜びし、スネ夫は外でこの光景に「いいなあ、こいのぼりがあんなにたくさん!!」とびっくりすると共に羨ましがっていた。

アニメにおける原作との主な相違点

大山版は1979年5月5日に、水田版は2021年5月1日にそれぞれ放送している。

1979年版

  • スネ夫は「子供の日にこいのぼりがないなんて寂しいもんだよな」とも言っている。
  • スネ夫を責めた際のしずかのセリフはのび太のに変更され、しずかは「ホントに思いやりがないんだから!」と怒った表情で行っている。そして皆は原作以上のセリフでスネ夫を責めていて、特にジャイアンはそれが目立っている。
  • スネ夫がこいのぼりを切ろうとした際、止めに入ったのび太とジャイアンはスネ夫からこいのぼりを奪って走っていて、スネ夫も取り返そうと追いかけたため、3人で円を描くように追いかけっこをしている。またスネ夫は更に止めに入ったドラえもんの言葉にも耳を傾けていなかった。
  • こいのぼりはキスをすることでカップルになっていて、ママは自分がバカにされたと思ってのび太を注意しにきたが、ふすまを開けると出て来たこいのぼりにキスをされ驚いている。
  • やって来たこいのぼり達は家の中には入っておらず、てっちゃんはこのこいのぼり達を庭に上げて飾っている。またこの場にスネ夫はいなかった。
  • 本編終了後のショートアニメは、手綱を付けたこいのぼりの上にドラえもんが乗っているというもの。

2021年版

  • サブタイトルが「ペットはこいのぼり」に変更。
  • 冒頭スネ夫は「屋根より高いこいのぼり 値段も高いこいのぼり」と歌を歌っている。ちなみにこのこいのぼりは一流の職人が手書きで作った最高級品らしい。また「こいのぼりも買ってもらえない子は哀れ」のセリフは「屋根より高くないこいのぼりなんて、もはやこいのぼりと呼んでいい物かとすら思っちゃうね」に変更され、これに怒ったジャイアンはスネ夫の胸倉をつかみ殴ろうとしていた。
  • 子供の名前は「てっちゃん」になっていて、母親も髪型はそのままだったが若い見た目になっている。そして実家もたばこ屋ではなく普通の家で、大きなこいのぼりが飾れないのは家のスペースの問題であり、母親は夫が買って来た小さなおもちゃのこいのぼりのことを言ったり、柏餅を食べようかと言ったりして慰めている。
  • のび太がスネ夫に言った一言は「大きなこいのぼりを飾れない家だってたくさんあるんだぞ!」に変更され、しずかはこの時発言はしていない。ちなみにスネ夫は「三枚におろして分けてやる!」と泣きじゃくってこいのぼりを切ろうとしている。
  • 餌にした柏餅は皆が協力して分けてくれたものの、途中で柏餅が足りなくなってしまい、ドラえもんが代わりにどら焼きをあげてみたがダメで、その時スネ夫が超高級の柏餅を持ってきてくれた。
  • こいのぼり達はてっちゃんの家に向かう途中で和菓子屋の柏餅の臭いにつられて寄り道をしてしまっていて、更にその後降雨にも見舞われたため、雲の上まで急上昇して日光に当たり濡れた体を乾かして、ようやくてっちゃんの家に到着した。
  • 今回はスネ夫もドラえもん、のび太と一緒にこいのぼり達を誘導していたため、ラストでスネ夫も「来年は僕のこいのぼりと泳がせてあげたいな」と共に喜んでいる。

余談

てっちゃんの声は1979年版はよこざわけい子氏が、2021年版は広橋涼氏がそれぞれ担当している。

2021年版の冒頭には、「アニメ『ドラえもん』の主題歌『ドラえもんのうた』をはじめ多くの楽曲を手掛けてくださった作曲家、菊池俊輔さんがお亡くなりになりました。たくさんの子供たちに夢を届けて頂いた、菊池さんのご冥福を心からお祈りいたします」という追悼テロップが表示されている。