フィリックス・ザ・キャット
ふぃりっくすざきゃっと
概要
黒猫をモチーフにした、アメリカ合衆国の漫画・アニメーションのキャラクター。大きな目と口、二本の足ですっくと立つスタイルが特徴。
漫画家でアニメーターであるオットー・メスマーが創作し、1919年にカートゥーンアニメとして公開された「フェリックスの初恋」で初登場。一時はアメリカで一番人気のあるキャラクターだったが、海賊版や無許可商品が氾濫したことや、サイレント作品に固執して制作したことからフィリックスの人気は凋落。ディズニーが生み出した「しあわせウサギのオズワルド」そして「ミッキーマウス」にその座を奪われる。
しかし、1958年に製作されたテレビシリーズが放送されて以降、魔法のカバンを持つ不思議な黒猫のキャラとして、再び人気を取り戻した。翌年には日本にも上陸し、テレビ放送や雑誌などで人気を獲得した。
90年代には三菱石油(現:ENEOS)のCMキャラとして雛形あきこと共演したこともある。
その後は人気は衰える事はなく、2000年には、日本オリジナルアニメである「ベイビーフィリックス」が放送されるなど、21世紀になった今でも親しまれている。
元々は、足の短い丸っこいスタイルのキャラクターだったが、第二次世界大戦後、ほっそりした体型と長い脚を持つ新しい容姿となって復活。今知られるのはこの時以来のスタイルである。
「ミッキーマウス」や「のらくろ」があのようなデザインになったのもフィリックスの影響抜きには語れない。
ちなみに、第2次世界大戦から現在に至るまで存在しているアメリカ海軍の空母航空隊"VFA-31 トムキャッターズ"の部隊マークは、このフィリックスである。
担当声優
日本語吹き替え版の担当声優は、時代が進んだり、新シリーズや新作が製作される度に変わるため、「トムとジェリー」などとは対照的に、現在でも全く一定しない。
中尾隆聖(フィリックス)
関俊彦(大人)(ベイビーフィリックス)
冬馬由美(子供)(ベイビーフィリックス)
浅野まゆみ(フィリックスのクリスマスを救え!)
作品
短編映画
- フェリックスの初恋
原題:Feline Follies
公開日:1919年
製作:パラマウント・ピクチャーズ
あらすじ:家の方角から猫の鳴き声を聞いたフィリックス(マスタートム)は、急いで追いかけた。するとそこには、とても可愛い白い猫がいた。一目ぼれしたフィリックスは、白い猫に白い花を贈った。すると彼女は喜び、フィリックスに「キスをして」と頼んだ。フィリックスと白い猫は愛情深く染まっていき、フィリックスは次のデートへ向かうために心の準備を整える(歯を磨くなど)。フィリックスは白い猫のために、歌を披露した。しかしあまりにも音痴で住民は大騒ぎして物を投げつけられてしまった。次の夜、フィリックスは曲を弾き、その曲に合わせて白い猫が踊った。その後の2匹は、車のような乗り物で帰り、フィリックスは家で睡眠を取った。しかしフィリックスの飼い主は、散らかった部屋をみてフィリックスを追い出した。フィリックスは再び白い猫の側へ戻ったが、彼女の家にはフィリックスに似た17匹の小さな黒い猫が住んでいた。それでショックを受けたフィリックスは急いで逃げて、水分補給をしたのであった。
- フェリックス ハリウッドへ行く
原題:Felix in Hollywood
公開日:1923年
製作:マーガレットJ.ウィンクラー
- フェリックスとおとぎの国
原題:Felix in fairy land
公開日:1923年
製作:マーガレット・J・ウィンクラー
- フェリックスのパズル解決
原題:Felix All Puzzled
公開日:1924年
製作:マーガレット・J・ウィンクラー
- フェリックスの喰いしん坊
公開日:1927年
製作:エデュケーショナル・ピクチャーズ
- フェリックスのロミオ
原題;Roameo
公開日:1927年
製作:エデュケーショナル・ピクチャーズ
- フェリックスのシャーロック・ホームズ
原題:Felix the Cat in Sure-Locked Homes
公開日:1928年
製作:エデュケーショナル・ピクチャーズ
- フェリックスの占い師
公開日:1928年
製作:エデュケーショナル・ピクチャーズ
- フェリックスの酔っぱらい
公開日:1928年
製作:エデュケーショナル・ピクチャーズ
- フェリックスの石油成金
原題:The Oily Bird
公開日:1928年
製作:エデュケーショナル・ピクチャーズ
- フェリックスと春の嵐
原題:April Maze
公開日:1930年
製作:コプリー・ピクチャーズ
- フェリックスの五里霧中
原題:Woos whoopee
公開日:1930年
製作:コプリー・ピクチャーズ
- フェリックスのボートレース
原題:Oceantics
公開日:1930年
製作:コプリー・ピクチャーズ
駄菓子として
「フィリックスガム」といういちご味のガムは10円で当たり付き。駄菓子屋での人気商品であったため、フィリックスを知らなくてもガムのキャラクターとして見たことがあるという人も少なくないと思われる。
SONY BLACK TRINITRON
FDトリニトロンの前に開発されたブラウン管TVのCM