概要
1981年に公開されたアニメ映画「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」及びその原作漫画である大長編ドラえもん「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」、そして2009年に公開されたリメイク作品である「新・のび太の宇宙開拓史」に登場。
本作の悪役であるガルタイト鉱業が雇った用心棒で、ストーリー後半に差し掛かる頃にコーヤコーヤ星に到着、コーヤコーヤ星を破壊してガルタイトを採掘する為のコア破壊装置を持ってくる。
コア破壊装置が確実に起動するよう危険を承知でギリギリまで現地に留まろうとしたり、ドラえもん達のひみつ道具による岩石への擬態をたやすく見抜くなど、悪党ながら高いプロフェッショナル意識を持つ。
冷徹な銃の名手であり、強い相手に臆することなく、弱い相手でも見くびらず容赦もしないという人物。
同じく銃の名手であるのび太との一騎打ちの際も、並の小物のように相手が子供だからといって見た目から侮ったりはせず、むしろ「このチビ、只者ではないな」と腕前を一目で見抜き警戒しており、対するのび太もそんなギラーミンを凄腕のガンマンと直感し戦慄していた(本人いわく「おっそろしい相手」)。
おそらく「ドラえもん」シリーズの中では、共に銃に秀でる者としてのび太の拳銃の腕前を最も正当に評価できた人物だろう。
クライマックスにてショックガンの一撃で倒れるのは原作・旧アニメ版・新映画版それぞれで共通しているものの、原作漫画版及び新映画版はのび太との1対1での銃での決闘の末に敗れ去るのに対し、旧アニメ版ではのび太は照準を合わせているもののショックガンを撃つのはロップルの役割になっている等、描かれ方は作品によって異なっている。
これらの中で、最後まで強敵の風格を保っていた原作漫画版のギラーミンはとりわけ高く評価されており、本作におけるのび太とギラーミンの決闘は大長編ドラえもんの名シーンの一つである。
また原作及びアニメ版では彼はあくまで雇われ用心棒のイメージが多いが、リメイク版の「新・のび太の宇宙開拓史」では立ち位置上、バカラ(原作におけるボーガント)より上の立場(ボーガント/バカラの地位は採掘場の主任であるのに対し、彼の地位は差し詰め本社の係長あるいは課長クラス)になっている。また、性格面も作中のび太達にドアの秘密を教えた方法も原作ではボーガント達がブブを脅しているに対して、リメイク版ではアニメオリジナルキャラに当たるモリーナに「自分はバーンズ博士(モリーナの父親)の仲間で博士が行方不明になった事故は仕組まれたものだった。」と嘘を吹き込むなど残忍で狡猾なものになっている。
原作・旧アニメ版では撃ち合いに敗れたあとは登場せず、生死不明となっているのに対して(ショックガンで撃たれたので死んではいないとは見なせる)、新映画版ではのび太との一騎討ちの撃ち合いに敗れながらもすぐに立ち上がり、のび太を狙うもモリーナが庇ったことで失敗。コア破壊装置を起動させた後、バカラの部下のダウトおよびウーノと共に離脱するも宇宙警察に逮捕される。牢屋に入れられた直後、自分たちを倒したのび太を尊重するような発言をした。
「お前の・・・勝ちだ。」
ドラえもん&Fキャラオールスターズ ゆめの町、Fランド
川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムにて限定上映されている『Fシアター』にてまさかの再登場。
しかしこのシリーズ自体「Fキャラオールスターズ」として特に深い設定もなく様々なキャラクターが集まる物であり、実際の役柄もSF短編作品『休日のガンマン』の相手役というちょっとしたものであり、ガルタイト工業に所属する本人ではない模様。
とはいえ当シアター作品にカメオ出演以外で映画ドラえもんシリーズのキャラクターが登場することは異例であり、声優もリメイク版の大塚氏本人を呼んでいるなど特異な扱いであった(余談ながらFシアター作品はギラーミンに限らず異様なまでにオリジナルキャストを起用していることが特徴の一つである)。
備考
- 名前の元ネタは、「タワーリング・インフェルノ」や「キングコング1976年版」などのハリウッド映画を手掛けた映画監督ジョン・ギラーミン。
- のび太との一騎打ちで、ニヤリと笑った直後に倒れるシーンは西部劇映画「ヴェラクルス」のオマージュ。