早乙女のどか
さおとめのどか
「武道家の妻ですから」
概要
CV:池田昌子
早乙女乱馬の母親。夫・早乙女玄馬いわく「一途で真面目で素直な人」であるが、あのスチャラカ親父の奥さんらしく、その様はかなり度が過ぎており真面目どころか、いわば生真面目の範疇にある。
夫の玄馬が幼少の息子を連れて修行の旅に出る際、夫婦間で「乱馬が男の中の男に育たなければ、父子揃って切腹する」という誓いを交わした。そのため、乱馬が男らしく育っていなかった場合、自身が父子の介錯を務め、返す刀で後を追う覚悟を抱いている。
そして、その覚悟を示すため、常に大太刀を刀袋に入れて持ち運んでいる。ただし刀の扱いは苦手で抜刀すると手から太刀がスッポ抜けたりする事がある。
幼い乱馬(おそらく3,4歳くらい)は意味もわからず誓約書に手形を押しており、約束を知らされたのは天道家の居候となっている父子をのどかが訪ねて来たからであった。
当然、のどかは父子が呪泉郷に落ちた影響で夫・玄馬と息子・乱馬が水をかぶると、それぞれパンダと女の子になり、お湯をかぶると元に戻ることを知らされておらず、のどかもまた誓約を忘れてはいなかった。それゆえに乱馬はのどかの前では「乱子」と名乗り、必死に別人としてふるまうこととなった(ちなみに、ペットのパンダを装った玄馬はあっさりと正体を見破られている)。
表情は天道三姉妹の亡き母と瓜二つ。乱馬(らんま)はどちらかと言えばのどか寄りの顔の似方をしていると言える。
ほぼ生き別れ同然となった息子の事を常に案じているが、思いが募りまくっているせいで息子のイメージ像がかなり美化されている部分が否めない。
その一方で同様の理由から息子と同年代の男子を見ると、明らかに違う相手であっても息子と勘違いして迫ったりすがったりする事がある。
早乙女家の墓参りのときに、元の姿の乱馬と玄馬に初めて再会するが、再会直後に親子3人とも海に転落。乱馬が「乱子」と同一人物であったと知る。だが、乱馬と玄馬の特異体質が分かった後、乱子の時の言動が男らしかったため、2人は切腹を免れることになった。
その後、乱馬と玄馬を天道家から自宅に迎えて再び3人で暮らすことになるが、シャンプー、久遠寺右京、九能小太刀に自宅を壊されてしまったため、一家で天道家に居候することになる。
アニメ版での登場はTVアニメ最終2話とOVAのみ(原作での初登場話をTVアニメの最終章とした)で、アニメ版では最後まで親子の正体を知る由はなかった。
ちなみにのどかが思う「男らしさ」の基準はかなり偏っている。というかホンネでは息子を切腹になど追い込みたくはなかったからムリヤリにでも乱馬から「男らしさ」を拾い上げようとしていた素振りが見られる。
さらに自らが「格闘家の妻」すなわち「夫から息子、さらにその先へと受け継がれるべき伝統の守護者のひとり」という立場である事から時折「男らしく」のみならず「女らしく」という部分(つまりジェンダー)にも、そこそこ(保守的な)こだわりのある発言が見受けられる。
また生真面目で心優しいがゆえ、そして夫のせいで苦労してきた事もあって「最悪を想定して備える」考えが生活の基本と化している事から、結構ネガティブな考えを起こす側面もあり、乱馬に会えない思いが募った挙げ句、息子を切腹させ介錯する悪夢に幾度となく苛まれている(この時には寝ぼけて泣きながら「乱馬、どうして男らしく育ってくれなかったの」と悲痛な寝言を上げながら刀をぶん回している)。
危険なレベルの生真面目で思い詰めやすく事あらば即座に大太刀を持ち出しておろおろしながら物騒な言動をし出す(心は迷っているくせに、体だけは心に相反して過激な即断行動を起こす)ところを除けば母親属性全開なので、実の母を幼い頃に亡くしているあかねはのどかを通じて母親というものを感じている様子。かすみが倒れたとき、あかねが料理をしようとするのを見て周囲がドン引きする中、ただ一人、料理を教えてくれようとするのどかにあかねは心底感激していた。
のどか自身もあかねを乱馬の許婚(事実上、早乙女家の次代の嫁)として認めていて、彼女に料理を教えてあげたり(失敗したときは励ましてあげたり)、ダメダメな結果でも決して否定はせず「よかった探し」をしてあえて出来た事を褒めてあげたり、自分の薬箱を彼女に譲るなど、なにかと面倒を見ている。