概要
現在に生きている樹上性ナマケモノはニホンザルくらいの大きさで中南米の熱帯雨林に住み、もっぱら樹上をのんびりと移動する姿がよく知られているが、このオオナマケモノは肩高2m、全長6m、体重3tもあったので、流石に木には登れなかった。しかし骨組みは頑丈かつ柔軟に出来ており、尾と後脚で体を支えて上体を起こすことが出来、木の枝を鉤爪で引き寄せ、木の葉を長い舌でしごき取って食べていたようである。代表種のメガテリウムは前歯がなく、頬の内側に杭のような歯が並んでいるだけである。彼らは栄養価の低い木の葉を大量に食べる必要があった。メガテリウムの頑丈な顎には逞しい筋肉が付いており、口に入れた植物を強く磨り潰して食べることが出来た。現生のナマケモノも元々は地上生で、彼等はオオナマケモノの祖先と枝分かれして「木の上で緩慢に動く生活をする」という進化をとげたようである。一方で地上に残った者達は捕食者に対抗したり、寒冷化に適応するために巨大化していったようだ。