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トレノの編集履歴

2012-11-07 23:52:33 バージョン

トレノ

すぷりんたーとれの

トヨタ自動車が生産していた自動車で、1.6Lクラスの小型のスポーツクーペである。 カローラレビンと車台を共用する姉妹車である。

歴史


初代 TE27型(1972年 - 1974年)

1972年3月、スプリンタークーペ「SL」、「SR」に対し、よりスポーティなホットモデルとして登場した。当時、スプリンタークーペには「普通」のモデルも存在したため、グレードでの区別を超えた、あくまで高性能バージョンとして用意されたサブネームが「トレノ」であった。

搭載エンジンは、上位車種であるセリカ1600GTから移植された2T-G型1.6L DOHCエンジンが搭載された。正確に言えば、レギュラーガソリン仕様の2T-GR型 (110ps) とハイオクガソリン仕様の2T-G型 (115ps) が設定されていた。外観上の特徴として、当モデルと姉妹車のレビンには、トヨタ製の市販乗用車として唯一のオーバーフェンダーを装備している。

また、1973年4月のマイナーチェンジの際に追加された「トレノJ(ジュニア)」には、2T-B型1.6L OHVエンジン (105ps) が搭載されており、こちらはDOHCが省かれた廉価モデルであった。レビンにも同様のモデルが存在した。


2代目 TE47型(1974年 - 1975年)

1974年4月、トレノとして初めてのフルモデルチェンジ。カローラがE30型、スプリンターがE40型と分かれたことから、レビンはTE37型、トレノはTE47型を名乗ることになった。また、レビンはクーペに替わり、クラス初の2ドアハードトップにラインナップされたことにより、歴代モデルの中で唯一このモデルのみ、レビンとトレノのボディ形状が異なっている。

基本的にグレード名扱いだったレビン/トレノだがトレノのみ豪華装備のGTというグレードが誕生し、レビン/トレノ系で初のグレード展開となった。エンジンはTE27型に引き続き2T-G型/2T-GR型エンジンを搭載したが、TE27型と比較してホイールベースが35mm延長され、さらに車両重量が60kg増加してしまったため、TE27型ほど強いスポーツ性を発揮することができなかった。

1975年、2T-G型/2T-GR型エンジンが昭和50年排出ガス規制をクリアできず生産中止されたため、その年の11月にトレノはレビンとともに生産中止となり、このモデルは短命に終わった。販売台数が少ないうえに人気が低く、いわゆる旧車としてレストアされている例はごく稀である。


3代目 TE61型(1977年 - 1978年)

電子制御燃料噴射(EFI)と酸化触媒を使うことで、2T-G型エンジンを昭和51年排出ガス規制に適合させることに成功し再び同エンジンの生産が可能になったため、1977年1月、レビンとともに復活した。この時期、レビンはTE51型、トレノはTE61型を名乗った。

マイナーチェンジ時に、カローラにクーペシリーズが、スプリンターにはハードトップが追加され、それぞれ同様の車種体系となった。レビンは、ハードトップではなく、クーペに設定されたため、TE27以来の同一ボディを使用することとなった。ただしAピラーから前半部分のフロントフェンダー、ボンネット、フロントグリル等はそれぞれ独自のデザインとなっており、この手法は伝統的に最終型のAE111型までに続くことになる。

なお、トレノと同時にスプリンターのリフトバックにも2T-G型エンジンを搭載し、「1600GT」を名乗った。型式はトレノと同一のTE61である。


4代目 TE65型(1978年 - 1979年)

1978年4月に登場。昭和53年排出ガス規制をクリアして型式変更したもの。この時期、レビンはTE55型、スプリンタートレノはTE65型を名乗ることになる。型式は変わっているが外観はTE61型と大差はない。車両重量はTE27型を110kg上回り965kgとなったうえ、年を追うごとに強化される排出ガス規制のあおりを受け、TE27型のようなスポーツ性とは程遠いものとなった。


5代目 TE71型(1979年 - 1983年)

1979年3月、フルモデルチェンジが行われた。ボディは3ドアハッチバッククーペのみで、最後の2T-G型エンジン搭載モデルとなる。#E7系へのモデルチェンジに伴い、乗用車系のリアサスペンションが同じリジッド方式ながらリーフリジッドから4リンクコイルへと進化し、操縦性のアップに貢献した。

スプリンターのセダン及び2ドアハードトップやリフトバックにも2T-G型エンジン搭載グレード「GT」が設定され、また1981年8月より発売の後期型からはトレノ単体にもサンルーフを標準装備した豪華装備の「アペックス」及び、衝撃吸収バンパーをDXなどに装着されていた単純構造のバンパーへ変更するなどし軽量化を図るとともに、機械式LSDを標準装備した「S」というグレードが設定された為、「トレノ」という名称の意味が変化し出したモデルでもある。


6代目 AE85/AE86型(1983年 - 1987年)

1983年5月、E80系カローラ&スプリンターシリーズのフルモデルチェンジが行われる。

この代よりE80系カローラおよびスプリンターのセダンとハッチバックは前輪駆動(FF)レイアウトに移行したが、走りを最優先したスポーツモデルであるレビン・トレノは当時のFF駆動方式に対して、スポーツカーとして求められる高い走行性能などにおいては未知数であったことや、当時の生産工程の改編スケジュールの都合といった要素が絡んだこともあってセダンとハッチバックは実用重視のFFレイアウトを採用し、走りを重視したレビン・トレノに関しては従来どおり後輪駆動(FR)レイアウトといった“2本立て”でリリースする事を決定した。

カローラ・スプリンター史上、後にも先にも同じファミリー内でFFとFRという駆動方式の大きく異なる車種がリリースされたのはE80系だけである。

前述の事からシャシーは先代TE71型のものをベースとしているが隅々に渡って改良が行なわれ、TE71のネックだった1tに迫る重量は大幅に軽減された。但し、それでもGT-APEXは1tを越え、重量税が他のグレードより高くなった。エンジンは旧式化した「2TG型」の後継機となる「4A-GE」型を新規開発する。ボディは2ドアノッチバッククーペと3ドアハッチバッククーペの2本立てで、トレノでは当時のスポーツカーの“アイコン的存在”ともいえるリトラクタブル式ヘッドライトを採用し、レビンとの差別化を図った。

また、このAE85型/AE86型はレビン・トレノとして最後の後輪駆動車である。

AE86型

その形式名称から「レビン」とともに「ハチロク」と呼ばれ、幅広い世代に親しまれている。

このモデルから最終モデルのAE111型に至るまで、一貫して4A-GE型1.6L 直4 DOHCエンジンが搭載されている。最上級グレードである「GT APEX」の3ドアハッチバックの白黒ツートン仕様車(当初はGT APEX専用カラーであったが、1984年のマイナーチェンジ以降はGTVとAE85型のSRにもオプション設定されるようになった)がコミック「頭文字D」の主人公(藤原拓海)の愛車ということも手伝って、一部の自動車ファンの間で再びAE86型の人気が高まった。なお、原作者のしげの秀一、アニメ版で主役の藤原拓海の声を演じた声優である三木眞一郎も実際に所有している。

それ以前に、AE86型の性能を褒め称え、その後の「ハチロク」人気を高めることに貢献した人物は元レーシングドライバーの土屋圭市であるともいわれる。彼は1984年の「富士フレッシュマンレース」で自身が運転する「ADVANトレノ」で6連勝を果たした。当時の自動車雑誌にも「ハチロク使いの名手」として度々紹介されていた。土屋自身もフルチューンしたAE86型トレノを現在も所有しており、XaCAR誌のインタビューで「トレノとNSXだけは絶対に手放さない」と語っている。

ただし、販売チャンネルの力関係から、実際の販売当時は「レビン」の方が圧倒的に人気が高く、販売台数も多かった。この為、『頭文字D』のヒットの際には、中古在庫が不足し、一時期価格急騰の事態も発生した。

1984年、一部改良。目立った部分ではドラミラーを可倒式へ変更し、オプション設定の一部変更等が行われる。

1985年、マイナーチェンジ。新意匠の前後バンパー(GT系グレードにコーナリングランプを追加。新意匠前後バンパーにより全長が若干ながら伸びている)やリアコンビランプといった外装部分をはじめ、新意匠のフロントシートやブラック・グレーの内装色など内外装ともに質感が向上した。

また、4A-GE型エンジンを搭載するGT・GT APEXにAT仕様も追加されたが、製造台数は少ない。

1986年1月、AE86型レビン・トレノで唯一となる特別仕様車「ブラックリミテッド」が400台限定で発売。3ドアの最上級グレード「GT APEX」をベースとしてモノトーンのブラック外装色にゴールドのエンブレムステッカー、及びドアサイドに張られた「BLACK LIMITED」のステッカーとピンストライプ、リアガーニッシュにプリントされた「BLACK LIMITED」の文字やゴールドに塗装された専用の14インチアルミホイール(GX70系マークIIと共通部品)が外観上の特徴となる。内装はメーターの照明や目盛りがオレンジ色に変更された専用品となり、フロントシート表皮の材質が一部変更され、オレンジ色で「APEX」の刺繍が入れられる。また、シートバック部分にはオプションでも設定のないネット状のポケットが装備されるなど、形状こそ「GT APEX」のものと共通となっているが、細かな部分で標準車と差別化を図っている。

ステアリングのホーンパッドにはゴールドで「TWINCAM 16」の文字が入り、シフトノブのシフトパターンの文字もオレンジ色で統一、さらにワインレッドの専用フロアマットを装備するなど、内装・外装ともに隅々まで特別感を演出した。また、オプション設定だったパワーウインドウがAE86型で唯一標準装備されているのも「ブラックリミテッド」の特徴である。

1987年、トヨタオート多摩(現・ネッツトヨタ多摩)が2ドアトレノをオープンカーに改造した「スプリンタートレノ・コンバーチブル」を地域限定発売した。

また、レースゲーム「グランツーリスモ4」には、通常のカタログモデル(前期型)と“しげの秀一バージョン”なるAE86型トレノのチューニングカーが登場する(「グランツーリスモ3」にも登場)。この“しげの秀一バージョン”はしげの自身が所有する愛車をモデルとしたものであり、大ヒット作品「頭文字D」の主人公である藤原拓海の愛車をモデルとしたものではない。

AE85

通称「ハチゴー」と呼ばれる。AE70型より受け継いだ3A-U型 1.5L SOHCエンジン搭載モデル(AE85型)も「トレノ」の名称を得て、3ドアモデルは「トレノSR」、2ドアモデルは「トレノSE/リセ/XL」として販売された。AE86型と比べると仕様面で大きく劣った為に人気は今ひとつであった。ただし、AE86型よりも軽く、また安く手に入るため、一部のマニアにはAE86型並みの改造を施す為のベース車として使われる。最大出力が130psのAE86型に比べ、こちらのAE85型は83ps/5,600rpm(後期型は85ps)である。

発売当時はターボや前輪駆動(FF、フロントエンジン・フロントドライブ方式)など先進性や利便性を追求した新メカニズムの取り入れが日本車の主流であったため、従来のレビン・トレノと同じ自然吸気(NA)の1.6Lエンジンと後輪駆動(FR、フロントエンジン・リアドライブ方式)の組み合わせ、そして先代の「TE71型」から流用した旧態的なフロントストラット、リヤラテラルロッド付きの5リンクリジッドアクスルサスペンションは、当時のレベルからしても単純な構造であり、数多あった国産スポーツカーと比較して見劣りした。しかし、基本的なサスペンション仕様が先述した先代「TE71型」と同様だったため、サスペンションの改造が容易であったこと、そして当時新規開発された4A-GEU型エンジンを搭載されたことが、チューニング志向の強い層の支持を受け、その後の人気が続く理由になっていった(発売から1週間後にはジムカーナ仕様車やラリー仕様車が完成したと言われている)。

1987年5月、レビン・トレノが次代の「AE92型」へとモデルチェンジを果たして駆動方式が前輪駆動に変更された事で、国産車として希少となった軽量後輪駆動車として存在が再認識され、新車による販売当時以上にモータースポーツ関係者やドリフト走行愛好者の間で注目されるようになった。

また、プロレーサーの土屋圭市が事ある毎に、当時から現在に至るまで取り上げ続けたことで注目を集めるようになる。

1990年代後半からは漫画『頭文字D』の主人公の愛車(正確には父親の愛車で、後に譲り受ける)であるという理由で、漫画に影響された若者の間でAE86トレノが人気となった。それまで、新車/中古車問わず人気の中心はレビンであり、AE86といえばレビンの事を指すのが普通であった。一方のトレノは新車時の販売台数も少なく、中古車としての流通も少なかったため、漫画での紹介以降、旧式のメカニズムを持つ中古車としては異常なほどのプレミアム価格で取引され、カルト的な人気を博すことになった。絶版直後ならいざ知らず、絶版から20年以上経った現在でも中古車価格は高値安定傾向にある。過酷かつ乱暴とも称される運転により疲弊した個体が多いため、極めて状態の良い個体には新車並みか、それ以上の価格がつけられることもある。

異常な人気の為、アメリカなどから左ハンドル仕様を逆輸入して販売する業者も現れた。北米仕様は当時の北米の法規で、規格型ヘッドライトを使用することが義務付けられていたため、リトラクタブルヘッドライトを採用したトレノマスクのみ。逆輸入左ハンドル車の注意点は、カローラ/スプリンターが実用車であるという性格上、足車として使われていたため走行距離が多い個体が多いこと、エアフロ方式を採用しているので、インテークパイプに加工が必要であること、排気側もEGR(排ガス還流装置)があり、右ハンドルの物を無加工流用できないこと、などである。

マカオグランプリ博物館に展示されているAE86 カローラレビン

それでも長年培った様々なノウハウや社外パーツでのチューニングに加え、後に登場したレビン・トレノに採用されたスーパーチャージャー、4連スロットルボディー、20バルブ4A-GEエンジン等を流用する純正品でのチューニングメニューも多い。さらには、原形を留めない形での改造としてSR20DETやRB26DETT、2JZ-GTE、F20C、V8 (1UZ-FE) 、RE等を搭載した例もある。AE85(1.5L車)


同年式(E80系)のレビン・トレノの3A-U型1.5L SOHCエンジン搭載車はその型式名(AE85)から「ハチゴー」と呼ばれる。AE86同様、実用車としては十分な83ps(グロス値。後期モデルは85ps)を出力するエンジンがスポーツ走行には向かないとされ、AE86ほどの人気車種ではない。ただし、3ドアSRだけは、車両価格が安価であること、AE86より軽量であること、AE86と共通のストラット構造のリアサスペンションを持つことなどから、改造ベース車のボディとして重宝がられる。特にエンジンスワップ車(※『頭文字D』の武内樹が施したようにボルトオンターボやボルトオンスーパーチャージャーによって3A-Uの軽さを維持したまま強化するものや、4A-Gを搭載し「85改86」を制作するというライトなものから、なかには2JZを搭載する過激なケースもある。)に使われる。 なおハチゴーにもトレノにはライム、レビンにはリセといった当時流行した「女性仕様」なるものも存在しタコメーター非装着・ピンクなど明るい色のシート・AT仕様を選びやすくしたグレードもあった。これらのグレード名はカローラⅡやスターレットにも存在しこれらも同様のコンセプトであった。

モータースポーツでの活躍

レースでの大きな活躍として挙げられるのは1985年から始まった全日本ツーリングカー選手権(グループA)での活躍で、1985年と1986年にスポーツランドSUGOでスカイライン勢などを押さえ、それぞれ1勝している。しかし、1987年以後は上位に入ることもなく低迷していった。

1984年の富士フレッシュマンレースで土屋圭市の搭乗するADVANトレノでシーズン開幕以来6連勝を果たし、土屋の翌年のグループAへのステップアップに繋がった。

活躍の場はサーキットばかりではなく、ラリーやジムカーナにも参戦しており、現在でもさまざまな競技で活躍が見られる。

また当時、市販車無改造の2輪駆動車でパリ・ダカール・ラリーへの挑戦を続けていた横田紀一郎が3代目カリーナの後継車としてレビン(2ドア)を選択。1984年と1985年に参戦しているが、結果はリタイアに終わっている。

全日本GT選手権のGT300クラスにも参戦していたこともあった。エンジンは3S-GTEで、GT500クラス用をディチューンしたものである。足回りは規定上ノーマルのサスペンション型式名の上では踏襲していたが、原形を留めないほどの改造が施されていた。しかし最高で5位と健闘するも大きな成果は残せなかった。また、2001年にスポーツランドSUGOで行われた引退レースは、炎上、リタイアという形になってしまった。

ホモロゲーションが切れた現在においてもJAF公式戦として岡山国際サーキットで行われているチャレンジカップレースなど、AE86を使用したレースが行われていることを見ても生産終了から20年以上経過した車両が公式レースでのベース車として使用されることはまれなケースであり、ここでもハチロクの人気の高さが伺える。

D1グランプリではハチロクの車両重量の軽さを活かした走りを見せている。多くのD1選手が使用するシルビア、180SXとの大きな馬力差を埋める為にエンジンのターボ化やNOS搭載、AE101型やAE111型のエンジン換装、シルビア、180SXのSRエンジンに換装などさまざまなハチロクが参戦している。2002年に植尾勝浩の搭乗したハチロクがシリーズチャンピオンを獲得。2004年には日比野哲也の搭乗したハチロクが2位入賞を果たし、2005年に吉岡稔記の搭乗したハチロクが優勝を果たす。D1グランプリ2009シリーズでは日比野哲也が、5バルブエンジンには珍しい排気量アップ版5A-GにNOSを搭載したMAX370馬力のスプリンタートレノ2ドアクーペを駆り参戦。軽量で機敏な動き、ウェットコンディションでもアグレッシブな攻めの走りで、ライバルとの圧倒的なパワー差を翻し、シリーズ5位に入賞した。だが、最近ではやはり馬力差が大きくなってきているため、ハチロクで参戦する選手が少なくなっている。

アメリカでの人気

アメリカでは、前述したようにトレノのフロントマスクを持ったハチロクしか正規輸入されなかったが、頭文字Dの影響でハチロクの人気が再燃し、アメリカにおけるパワーアップの常套手段ともいえるV8エンジンの換装が行われている。シボレー・コルベットに搭載されるLS1型エンジンや、セルシオ(レクサス・LS)に搭載される4.0L V8エンジンが主に用いられる。日本でも、頭文字Dの熱でハチロク人気が高まっていた。

関連イベント

東京都江東区の臨海副都心にあるトヨタ自動車のショールームスペースMEGAWEBでは2005年10月18日から2006年2月19日まで、ヒストリーガレージにて「レビン&トレノ展」を開催し、頭文字D仕様のレプリカなどが展示していた。

また、2007年11月14日から2008年2月17日まで、同じくMEGAWEBのヒストリーガレージで「劇中車展」が開催されており、カーランドの頭文字D仕様のスプリンタートレノが展示されている。

7代目 AE91/AE92型(1987年 - 1991年)

1987年5月に登場。このモデルから前輪駆動化され、ボディも2ドアノッチバッククーペに1本化された。

AE92

当時、4A-GE型エンジンの最高出力は120ps/6,600rpm、トルクは14.5kgm/5,200rpm(ネット表示)。1989年5月のマイナーチェンジでT-VIS廃止に伴うポート形状の変更に加え高圧縮化され、ハイオクガソリン指定となり、140ps/7,200rpm 15.0kgm/6,000rpmを得ることとなる。このモデルからスーパーチャージャー付き4A-GZE型エンジン搭載のグレード「GT-Z」が登場した。通称「キューニー」。4A-GZE型エンジンは前期型で出力は145ps/6,400rpm、トルクは19.0kgm/4,400rpm、後期型で出力は165ps/6,400rpm、トルクは21.0kgm/4,400rpmを発生した。

AE91型

普及グレードであるAE91型には、5A-FE型1.5L ハイメカツインカムエンジン(片プーリー、片ギア駆動による鋭角DOHC)が搭載された。後期型では95psの出力を得ている(5A-F⇒5A-FE)。グレードは上位からXi/G/リセ/L。また、後期型にはEFIをチューンした5A-FHE (EFI-S、105ps) 搭載ZSも登場した。通称「キューイチ」。

8代目 AE100/AE101型(1991年 - 1995年)

1991年6月に登場。同時にレビンもモデルチェンジ。グレード構成は下記の通り(レビンも同様)。

AE101型

「GT」、「GT APEX」に搭載される4A-GE型エンジンが1気筒あたり5バルブ(吸気3、排気2)の20バルブに進化。通称「トイチ」「ヒャクイチ」。

SJ - 1.6L 4A-FE型エンジン搭載。最高出力は115ps/6,000rpm。

GT - 1.6L 4A-GE型エンジン搭載。最高出力は160ps/7,400rpm。GT APEXに比べ、パワーウインドウ等の快適装備が簡素化されており、競技向け車両である。後期型は5速MTのみ。

GT APEX - 1.6L 4A-GE型エンジン搭載。最高出力は160ps/7,400rpm。オプションとして、スーパーストラットサスペンション装着車も存在した。

GT-Z - 1.6L スーパーチャージャー付4A-GZE型エンジン搭載。最高出力は170ps/6,400rpm。スーパーストラットサスペンション、ビスカスLSDを標準装備。変速機はMTのみであった。ただし、過給器(スーパーチャージャー)付きの4A-GZE型エンジンは16バルブのままである。

カローラ・スプリンタークラスであるのにもかかわらず、バブル景気を反映し「GT APEX(スーパーストラットサスペンション装着車)」と「GT-Z」は販売価格が200万円を超えていた。なお、「GT APEX」は1991年度のグッドデザイン賞を受賞している。

AE100型

通称「ヒャク」、「イチマルマル」。

S - 1.5L 5A-FE型エンジン搭載している。最高出力は前期後期共に105ps/6,000rpm。

9代目 AE110/AE111型(1995年 - 2000年)

1995年6月にモデルチェンジし、AE11#型が登場。BZ系グレードには通称「黒ヘッド」と呼ばれる4A-GE型エンジンを搭載する。エンジン制御方式を、エアフローメーターを使用するLジェトロからAE92以来のDジェトロに戻し、燃焼室形状の変更、4連スロットル径の拡大などの改良により、4A-GE型エンジンの最高出力は165psに向上した。テレビCMには武田真治が「オレのトレノ」のキャッチコピーで出演した。また、プラットフォームは変更されず、スーパーストラットサスペンションも先代より引き継がれたが、ボディは先代に比べ70kg軽量化され、走りのパフォーマンスは向上した。

このモデルからスーパーチャージャー付のグレードは廃止され、グレード構成もそれまでのGT系に代わり、新たにBZ系と呼ばれるようになった。これまでの「GT APEX」に代わる装備を充実したグレードはBZ-Gとなり、かつてのGTやGT-Vのように装備を抑え、走行性能を重視したグレードはBZ-Vとなる。スーパーストラットサスペンションはBZ-Vに標準、BZ-Gにオプション装備される。また、ハイメカツインカムを搭載するベーシックグレードも4A-FE型1.6Lエンジンを搭載するモデルはXZ、5A-FE型1.5Lエンジンを搭載するモデルはFZ(型式名はAE110)を名乗った。

1997年のマイナーチェンジでは、初の自社開発となる6速MTが採用されたが、同時に衝突安全ボディ「GOA」の採用により車両重量がモデルチェンジ前と比べ若干重くなった。グレード名称も一部変更され、BZ-G スーパーストラットサスペンション装着車がBZ-Rとなり、それまでのBZ-VはBZ-R V仕様と改称された。

折からのクーペ販売不振のため、2000年8月、このモデルをもってトレノの生産・販売は終了した。

AE111型

通称は「ゾロメ」「ピンゾロ」。

XZ - 1.6L 4A-FE型エンジン搭載。最高出力は115ps/6,000rpm(後期型は110ps/5,800rpm)。

BZ-G - 1.6L 4A-GE型エンジン搭載。最高出力は165ps/7,800rpm。

1995年 - 1997年まで発売されたグレード

BZ-V - 1.6L 4A-GE型エンジン搭載。最高出力は165ps/7,800rpm。スーパーストラットサスペンション標準装備。

BZ-G スーパーストラットサスペンション装着車 ・・・ 1.6L 4A-GE型エンジン搭載。最高出力は165ps/7,800rpm。

1997年より発売されたグレード

BZ-R V仕様 - 1.6L 4A-GE型エンジン搭載。最高出力は165ps/7,800rpm。スーパーストラットサスペンション標準装備。

BZ-R - 1.6L 4A-GE型エンジン搭載。最高出力は165ps/7,800rpm。スーパーストラットサスペンション標準装備。

マイナーチェンジによりヘッドライト、テールランプがブラックアウト化された。

AE110型

通称は「ヒャクトオ」、「イチイチマル」。

FZ - 1.5L 5A-FE型エンジン搭載。最高出力は100ps/5,600rpm。

特別仕様車

FZリミテッド(1995年12月) - FZをベースとし、運転席SRSエアバッグ&専用ウレタン・4本ステアリングホイール、ストップランプ付リヤスポイラー、UVカットドアガラスを特別装備し、専用色ライトマリンブルーマイカメタリックを設定した。

FZリミテッド・XZリミテッド(1996年12月) - FZ・XZをベースとし、デュアルエアバッグ、ストップランプ付リヤスポイラー、電動格納式リモコンカラードドアミラー、ワイヤレスドアロックリモートコントロールなどを特別装備した。

車名の由来

トレノとは、スペイン語で「雷鳴」の意味。

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