概要
マカロニウエスタンの草分け的な映画。
原案は黒澤明監督の『用心棒』で、流れ者が2大勢力を焚きつけて共倒れを図る。
イタリアではこれ以前から西部劇をまねた映画が作られていたが、、正義感の無いアウトローによるバイオレンスアクションを売りとした本作はそれらと一線を画した。
『荒野の用心棒』の大ヒットでレオーネは大幅に上回る予算を与えられ、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』のドル箱三部作を製作した(ただし三作ともストーリー的な繋がりはない)。
セルジオ・コルブッチが監督した『ジャンゴ』は日本の配給会社から『続・荒野の用心棒』という邦題を与えられたが、内容は無関係。
物語
アメリカとメキシコの国境にある小さな町サン・ミゲル。この街ではメキシコ系ギャングのロホ一家と保安官バグスター一家の2大勢力が常に縄張り争いをしていた。
流れ者の男が立ち寄った酒場の親父シルバニトは街の惨状を話し、早々に出てゆくように勧めるが、男は両勢力に自分を用心棒として売り込み、共倒れを謀る。
登場人物
名無しの男(クリント・イーストウッド)
主人公。劇中名を呼ばれることはなく、配給会社からは便宜上「ジョー」と名付けられている。
ドン・ミゲル・ベニート・ロホ(アントニオ・プリエート)
密輸ギャング団、ロホ一家を束ねるボス。サン・ミゲルの支配を目論む。
エステバン・ロホ(ジークハルト・ルップ)
ミゲルの長男。気性が荒く、凄腕のガンマン。
ラモン・ロホ(ジャン・マリア・ヴォロンテ)
『用心棒』の新田の卯之助にあたる立ち位置のギャング。ライフルの名手でジョーのたくらみを見抜く。
ジョン・バクスター(ウォルフガング・ルスキー)
バクスター夫人(マルガリータ・ロサーノ)
とても怖い。
マリソル(マリアンネ・コッホ)
ラモン・ロホの妾。夫がギャンブルではめられ、ラモンに差し出された。
シルバニト(ホセ・カルヴォ)
酒屋の親父。名無しの男を狙撃しようとするエステバンをショットガンで撃つ。
ピリペロ(ジョセフ・エッガー)
棺桶屋の親父。
ホワン(ダニエル・マーティン)
鐘つき係。