概要
本来であれば株式や投資信託などの金融商品に対する投資で得られる利益(売却益や配当益)にかけられる約20.315%の税金が、一定の範囲内で非課税となる、日本の『少額投資非課税制度』。
NISAという名称のルーツは英国の「ISA(Individual Saving Account、個人貯蓄口座)」であり、これの日本版として、NipponのNをつけて『NISA』と呼んでいる。
制度は2018〜2023年までの『旧NISA』と、2024年1月から新しくなった現行の『新NISA』で大きく二つに分かれる。両者の比較については新NISAを参照されたい。
同じく投資運用益が非課税となる制度に、個人型確定拠出年金制度のiDeCoがあるが、個人用年金であるため60歳まで現金化できないiDeCoに対し、NISAは自由に売却して現金化することが可能。その代わりNISAは積み立て時・受け取り時ともに所得控除は受けられないので、どちらを使うか(もしくは併用するか)は慎重に考える必要がある。
NISA口座は一人につき一つのみであり、金融機関を替えたい場合は正規の手続きに従って届け出をする必要がある。これは年単位でしか変更できない点に注意。
外国籍でも住所確認書類とマイナンバーカードがあれば開設可能である。
NISA口座の所有者が死亡し相続となった場合、同じ金融機関で口座を開いている相続人の課税口座(特定口座・一般口座)に移管される。
余談
- NISAは決して国民を投資だけで生きていけるようにするための制度では無いし、ましてや人生一発逆転のための制度でもない。基本的には短期売買によるハイリスクな投機で儲けるためではなく、(主に中年~老後のための)超長期に渡る資産形成を目的とした制度であるという点を念頭に置いてご利用されたい。例えるなら赤ちゃんが立派な大人になるまでじっくりと見守るような、いうなれば資産を「育てる」という視点が大切である。
- NISAから含み損が出たというだけの理由で動揺して反射的に売却してしまう投資初心者は、投資界隈でバカにされる。そのため、最初に大金を突っ込む前によく勉強して、将来有望そうな投資商品を予め厳選することが必要となる。ただし「投資に"絶対"は無い」「投資は自己責任」という前提に立てば、もし何らかの理由でその投資商品の長期的な将来性に対する疑問をどうしても拭えなくなったというのなら、非課税枠が復活するルールを活かして傷の浅い内に損切りし、別の投資商品に乗り換えるのも一つの手ではある。
注意事項
本記事はNISAの説明を目的に作成されたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。
またその正確性、完全性に対する責任は負いません。