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概要編集

2018〜2023年までの旧制度から大幅改良され、2024年1月から新しくなった現行のNISAのこと。


「少額投資非課税制度」という点では旧NISAと同じであるが、ルールシンプルになった上に運用の自由度が格段に高められており、投資らしい投資ができるようになっている。

そのため、この制度から本格的に株取引に参加し始めた投資初心者も多く、彼らを「新NISA民」と親しみや皮肉を込めて呼ぶことがある。


新旧NISA比較編集

口座の構成編集

  • 旧NISA

「つみたて」「一般」「ジュニア」の3種類の口座が存在し、併用はできない。

「つみたてNISA」「一般NISA」は18歳以上、ジュニアは0~17歳までが新規開設可能。

  • 新NISA

「つみたて投資枠」「成長投資枠」の2つの投資枠が存在しており、1つの口座で併用することができる。18歳以上であれば開設可能。


※「つみたて投資枠」は「つみたてNISA」を、「成長投資枠」は「一般NISA」をそのまま拡張したものである。


非課税保有期間編集

  • 旧NISA

「つみたてNISA」は1年分の枠に対して最大20年(つまり最後に積み立てを行う年は、最初に積み立てた年の枠の非課税期間の最終年でもある)。

「一般NISA」と「ジュニアNISA」も同様に枠1年分につきそれぞれ最大5年。

いずれも期間を過ぎた枠の分については、課税口座(特定口座または一般口座)へ自動的に移管される。


ただし"ロールオーバー"の手続きを行った場合は

「つみたてNISA」は最大40年間、

「一般NISA」は最大10年間、

「ジュニアNISA」は18歳まで(継続管理勘定)

にそれぞれ延長することができる。


なお「ジュニアNISA」は非課税期間中にに口座名義人が18歳を迎えると、一般NISA枠へロールオーバーするか課税口座に移管するかを選ぶことになる。逆に18歳になる前に売却したい場合は、口座そのものを廃止して全ての枠を現金化する必要がある。


新NISA施行後も、旧NISA枠で購入した分は保有し続けられるが、ロールオーバーはできないので、保有を続けたい場合は一旦売却した後で、新NISA枠を消費して買い戻す必要がある。


  • 新NISA

無期限。


年間投資枠編集

  • 旧NISA

「つみたてNISA」は最大40万円。

「一般NISA」は最大120万円。

「ジュニアNISA」は最大80万円。

  • 新NISA

「つみたて投資枠」は最大120万円。

「成長投資枠」は最大240万円。

併用できるので、実質最大360万円となる。


※「つみたてNISA」「つみたて投資枠」は必ずしも毎月同じ額を積み立てる必要はなく、年間の利用額がそれぞれ40万と120万円に収まっていれば問題ない。


全体の非課税限度額編集

  • 旧NISA

「つみたてNISA」は年40万円×最大20年=800万円。

「一般NISA」は年120万円×最大5年=600万円。

「ジュニアNISA」は年80万円×最大5年=400万円。

  • 新NISA

1800万円。

成長投資枠の利用は最大1200万円までに制限されており、つみたて投資枠600万円分と併用しないと限度額まで使い切ることはできない。

一方でつみたて投資枠のみで1800万円分を埋めることは認められている。


非課税枠の復活編集

  • 旧NISA

無し。売却したらその部分の枠については永年終了となる。

  • 新NISA

有り(ただし売却の次年以降)。


投資枠の比較編集

  • つみたて投資枠

その名の通り、毎日もしくは毎月決まった額を積み立てるための枠である。積み立て額はいつでも変えられる上、積み立て自体をストップすることも自由にできる。

金融庁が手数料・信託報酬・信託期限などについて定めた厳格なルールの下に選びぬかれ、国民の長期資産形成に適していると認められた公募型投資信託やETF(上場投資信託)のみが購入可能となる。


  • 成長投資枠

年初に一括で使い切ることが可能で、購入対象の範囲も広く、総じて自由度が高い。逆に積立設定をすれば、つみたて投資枠と同様に運用することも可能である。

成長投資枠対象の投資信託は選定基準が緩く、つみたて投資枠に比べるとかなり広い範囲の投資信託から選んで購入できる。それに加えて、上場している個別の株式も対象(外国株式も含む)となるのが大きなポイントである。


  • 両枠共通事項

どちらの枠でも購入できない金融商品の例を列挙すると、毎月分配型の投資信託、信託期間が20年未満の投資信託、スワップ・オプション取引・先物取引などの複雑な仕組みを主軸に利益を狙うタイプの投資信託(レバレッジ型など)、非上場の個別株式(プライベート・エクイティ)、ワラント(新株引受権)、FX関連商品、暗号資産仮想通貨)、個別の債券(いわゆる「生債券」)などが該当する。


NISAは基本的には長期保有を前提に設計された制度である。売らずに持ち続けていれば、資産価値が上がっても枠を消費することは無いが、短期売買による利確(利益確定売り)で増やした金を再度投資する場合は枠を消費してしまうため、長期的には利益を伸ばしづらくなってしまう。また非課税枠の復活に時間がかかる点や、課税口座との損益通算ができないという点からも短期売買には不向きといえる。

そのためどんな乱高下に見舞われても自信をもって保有を続けられるような将来性のある資産を予め厳選し、当分の生活に支障が無い程度の現金を確保した上で余った資金のみを用いて、一度金を入れたらよほどのことが無い限りは売らないことが重要である。


NISA口座を開設した金融機関によっては、選べる投資信託の選択肢が非常に限られてしまったり、上場株式を一切買えない場合もあるので、開設の際はよく調査する必要がある。

その他編集

  • なるべく多くの金を最速で突っ込みたい場合、1月の時点で購入できる最大金額はつみたて投資枠10万円+成長投資枠240万円の最大250万円分までとなり、以降はつみたて投資枠で毎月10万円分ずつ購入していくのが通常は最速となる。しかしNISA口座を開いている金融機関次第では、1月につみたて投資枠に「ボーナス払い」で120万円分設定することで、1月時点でその年のNISA枠360万円分全てを埋めてしまうことが可能となる。

  • 旧NISA施行の以前より、クレジットカードによる積立投資では月5万円までポイント付与が認められていたが、新NISAの施行と同時期の2024年3月8日以降、内閣府令によって、毎月の積立投資において月10万円までに拡張される。このルールはつみたて投資枠・成長投資枠・課税口座全ての毎積立投資に適用される。ただし毎積立の場合はポイント獲得は認められないので注意。

注意事項編集

本記事は新NISAの説明を目的に作成されたもので、投資勧誘を目的としたものではありません。


またその正確性、完全性に対する責任は負いません。


関連項目編集

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