概要
ブリテン島南西部に位置するグレートブリテン及び北部アイルランド連合王国を構成する地域の一つ。ウェールズ語ではCYMRU(カムリ 同胞の意)と呼ばれる。
ちなみにウェールズとはイングランドの古語で外国人という意味がある。
イギリス構成四地域の中で唯一、国旗(メイン画像参考、詳細は後述)からユニオンジャックに意匠が取り入れられていない地域であり、一部からはウェールズの意匠を取り入れた新国旗を制定すべきとの声もある。
それに伴い、英紙「デイリー・テレグラフ」では新国旗の試案を募集し投票を行ったのだが……どうしてこうなった。
国旗には、ウェールズの象徴である赤い龍(Y Ddraig Goch)が描かれ、背景は国章のネギ(西洋ネギ/ポロネギ/ニラネギ/リーキ(leek) - ウィキペディア)の色彩を表現している。
守護聖人は聖デヴィッドであるが、土着の聖人で「聖コセン(St. collen)」という方がいらっしゃって、妖精どもをばったばったとやっつけた話が伝わっている。
歴史
元々は1066年のアングロ・サクソンの侵略から逃れたケルト人たちが住んでいた地域。統一はされておらず、イングランドに対しては常に抵抗していた。13世紀にウェールズ北部に位置するグウィネッズ王国が勢力を拡大。ルウェリン・アプ・グリフィズの代でウェールズの大半を支配下に治め、「ウェールズ大公」を名乗るようになった。
しかし、その後間もなくしてイングランド王エドワード1世との戦争に敗れ、ルウェリン及びその一族が死亡。そしてエドワード1世は長男のエドワード(後のエドワード2世)に「プリンス・オブ・ウェールズ」の称号を与え、ウェールズはイングランドの支配下に入った(ここから、「プリンス prince」(「君主」「公」)が、「皇太子」の意味を持つようになり、やがて広く「王子」の意味をも持つようになった)。なお、イギリスにおける第一王位継承者が「プリンス・オブ・ウェールズ」を名乗るようになったのは、この頃からの慣例である(ただし女性には当てはまらない)。その後、バラ戦争やクロムウェルによる独裁などで度々政争の舞台となっている。
ウェールズ人は性質勇猛で王朝で重きをなす者も多く輩出したという。21世紀になった今でもなおウェールズ人としてのアイデンティティーは強い。