アニメの原画は多くのアニメーターの手によって分業されて描かれるが
どうしても画力の差や個人のくせや得手不得手、キャラデザとの相性などによる
バラツキがでてしまう。そこで作画監督がその絵を修正するのである。
とはいっても時間の制約があるため、実際的には目に余る絵や特に重要なカット
を直して行くのみ、ということも多い。
作画の責任者でもあるため、それなりにベテランのアニメーターが担当する、、
のだが、実際アニメーターは慢性的な人手不足が長年続いており、必ずしも
画力が高い者がいつも作画監督を務めるわけにはいかない場合も多々ある。
そこで画力にかなり難のある作画監督もたまに紛れ込み、作画崩壊の原因の一つともなる。
また、作画監督自体の力量はそんなに悪くないが、レベルの低い原画があまりに
多すぎたり、スケジュールの逼迫で直しきれないこともある。
またキャラクターデザインや原作絵のクセが合わせ辛い絵柄というものもあるので、
作画監督により大きな絵柄のばらつきがある場合もある。
通常は各話数ごとに1人だが、複数の作画監督を立てる場合もある。
作画監督という役職が最初に登場したのは、昭和38年に東映動画が公開した映画『わんぱく王子の大蛇退治』であり、森康二がその任に当たった。
pixivやニコニコ動画では遊戯王の作画監督ネタの作品が特に多い。
(原作の絵がクセが強くアニメーター毎の差が出やすいせいかもしれない)
総作画監督
上記のように作画監督同士の絵柄のばらつきも大きいので、
それを修正する総作画監督がシリーズ通して置かれる場合もある。
キャラクターデザイナー本人が担当する場合も多い。
現実的にすべて直すことは時間的に不可能なため、重要なシーンやキャラの
アップのみを修正するのもよくある。
そのためネタバレチェッカー的には「あんまりウマくない作画監督回で
ちょろっと出た新キャラのアップ顔に綺麗な修正入り→こいつは今後の重要キャラだ!」という
読みの助けになる場合もある。
比較的近年のアニメで取り入れられるようになった制度であり、昔はそういった制度はない。
そのため、昔のアニメは作画監督がハズレだとその回は作画が崩れっぱなしになることも
多かったが、総作画監督制度が取り入れられる作品が増えた現在では
重要なシーンは崩れずに済むことも多くなってきた。