概要
キルト(kilt)はスコットランドのスカート状の伝統衣装。通常はタータン柄(タータンチェック)である。キルトは英語名で、ゲール語ではフェーリア(Feileadh)と呼ばれる。『現代人が見ると男のスカート着』 ハイランダーが着用したことで有名である。
詳細
この衣装はプリーツスカートのように見えるいしょうであり、その成り立ちからポケットは付いていない。また、本来着用時にはパンツをはかないとされる(出典不明)。
歴史
キルトに関する最古の記録はヘブリディーズ諸島における16世紀後半の記録といわれ、それ以前のことはわかっていない。
また、この頃のこの衣装(現在フェーリア・モールと呼ばれる)は現在のものと異なり、「長い布を複雑にひだをつけ、そのうえに横になって着用、ベルトやピンでとめる。ひざ上10cmくらいになり、余る部分は下にたらしたり肩にかけたりして着用」するものであったとされる。
現在見られる形、フェーリア・ベック(すなわちプリーツのあるスカート)となったのは18世紀前半ごろである。
18世紀中盤以前のハイランドではキルト、すなわちフェーリアを普段から身に着けることは一般的だったが、ハイランド人がみなキルトを着ていたわけではなく、ズボンの類を着用していた記録も少なくない。
しかし、この地域で宗教(この地域に居住する人はカトリックが多かった)関係の上で盛んであった王政復古運動(ジャコバイト運動)が失敗した際、ハイランド人に対する厳しい弾圧があり、姓の禁止、民族衣装やバグパイプの禁止など行われた。18世紀末にこの制限はなくなったものの、昔の衣装のみが民族衣装として認められた。新しい形の衣装が民族衣装として認められたのは19世紀前半になってからであった。