概要
短髪黒髪。細身。目が鋭く、白目がち。世界の秩序を取り戻す鍵である「ネット端末遺伝子」を求めて、都市構造体の探索を永い間続けている。成人男性の容姿を持つが、その体には高度なサイボーグ化がなされている。
能力
武器は銃型の「重力子放射線射出装置」。
凄まじい破壊力を持ち、敵を一体倒すたびにその背後の構造物が崩壊するというはた迷惑な代物。
さらにこの武器には「禁圧解除」というモードが存在し、この形態では通常状態での射出を喰らってもビクともしなかった巨大な敵が一発で消し飛ぶ恐ろしい威力を発揮する。
また身体能力もすさまじく、遠回りが面倒だからと高所から飛び降りたり、埋まった武器を取り出すために大岩を引き裂いたり、釘パンチみたいな連続打撃を繰り出したりする。
しかし霧亥の恐ろしさはその異常なまでの生命力にある。
基本的に敵の攻撃には無頓着、壁に頭がめり込む勢いで叩きつけられようが体中にビームを喰らおうが胸を刺し貫かれようが背後の壁を貫通する衝撃波を喰らおうが平然と起き上がり反撃する。もはやギャグ漫画のボケキャラレベルの不死身っぷりである。
周囲一帯を溶岩流に変えるような熱量攻撃を受けた際にはさすがにそうはいかなかったが、身体質量の半分近くを喪失したにも関わらず長い時間をかけて再生し、活動を再開している。
その他の面でも様々な便利機能を有しており、腰元のソケットによる相手の脳との直接的な情報のやり取りができるなど、サイバーパンクらしい特性も持つ。サナカンによる機能回復後はより顕著になり、網膜走査による相手の情報の取得、3000㎞先を見通す視力、透視、通信回線の傍受などが可能となった。
人物
無口。とにかく無口。弐瓶勉作品が文字ではなくビジュアルで語る作風であることを差し引いても無口である。
しかもアンドロイド系キャラのテンプレとは真逆に、物語が進むにつれセリフも表情も減っており、単行本一冊で二言ほどしか喋らないということもあった。ちなみに笑顔はたった四回(しかも敵への挑発や凶暴性の発露)しか浮かべたことはない。
無感情というわけではなく、危機的状況では焦りを見せることもある。また先述した、身体の大部分を失ってから復活を果たした際には激しい怒りを露わにし、禁圧解除状態の重力子放射線射出装置を周囲へ乱射するという恐ろしく危険な感情表現をした。また珪素生物に対しては憎悪を露わにしており、敵意のあるなしに関わらず見かければ攻撃している。
道義心や義務感もあるらしく、非道な真似をした者に容赦しなかったり、自分とは無関係な人々の危機であっても身を張って戦ったりすることもある。
最終巻で無二のパートナーの消滅を目の当たりにした際には、涙らしきものを見せていた。ただはっきり涙だと断言できるほど明確な描写はされておらず、読者によって意見が分かれるところである。
正体
霧亥が極端に喋らないため、正体不明と言っていいほどに情報がない。
はっきりしているのは珪素生物ではないことぐらいである。
ネット端末遺伝子を追い求めていたり、セーフガードにデータが登録されていたことからネットスフィアに関わる者であることは間違いないのだが、それ以上は憶測の域を出ない。
一度シボが統治局に霧亥に関して質問したことがあったが、その答えは「セーフガード以前の(保安?)システムの密使」というはっきりしないものであった。
セーフガードとは明確に敵対しており、行く先々で交戦している。ただ知性のあるセーフガード(サナカンなど)は霧亥を「異常をきたしたセーフガードユニット」として認識しているようだ。またセーフガード関連施設のセキュリティをパスしているシーンもある。
統治局を除いて唯一霧亥の正体を知っていると思われるのは、彼へ指示を出すために一度だけ登場した「犬女」のみである。