愛称は「ナイトホーク(Nighthawk=夜鷹)」
(ちなみに、夜鷹とはアマツバメの仲間で、名前から連想されるような猛禽類ではない)
概要
世界初の実用的なステルス機として1981年に初飛行を行ったアメリカ空軍の攻撃機。
レーダーによる探知を極力抑えるため、平面で構成された独特なフォルムをしている。
また、非金属素材を使い、兵装はウェポンベイ内に格納できるようになっている。
空気力学的に不安定な形状だが、フライバイワイヤによってそれを克服している。
試作機である「Have Blue」を含め、開発から生産、部隊での運用まですべてが極秘に行われた。
戦闘機を表すFナンバーでありながらステルス性を優先したため空戦能力は低く、実際は攻撃機に分類されている・・・が、パイロットの腕次第では克服できなくもない。かもしれない
とはいえ、実機は固定機銃は持たず、ガンポッドとして搭載することもできず、空対空ミサイルの運用能力を持たない(試験が行われていた時はサイドワインダーの運用能力を持っていたが、後の機体はランチャーそのものが排除されていた)、機上レーダーも搭載していない為に空戦能力は皆無となっている。
Fナンバーをつけるに至った経緯にはいくつかの説があるが、空戦能力を持った機体として作られてはいないのは確かである。
兵装はGBU-24などの1t級爆弾を2発のみ。
爆弾倉は中央から分割されているため、GBU-15のような大型の兵器を搭載できない。
1989年12月19日にパナマで行われたオペレーション・ジャストコーズ(Just Cause)の支援で投入されたのが初の実戦参加となっている。
そのスタイルは
レーザー誘導爆弾とともに、湾岸戦争で一躍有名となった。
黒く、航空機離れしたスタイルは「流行り」となり、トヨタのWillVSなどにも影響が見られる。
しかし、このスタイルは湾岸戦争当時でも既に旧式化していた。
当時開発中だったF-22などはずっと航空機らしいスタイルとなっている。
これはレーダー反射断面積(RCS)の計算のため、平面で繋げたスタイルとしたためだ。
F-117はいわば「飛ぶだけで精一杯」なのに対し、F-22では空力の研究が進み、ステルス性を確保しつつ、格闘戦まで可能になったのは世代の差と言える。
真っ黒なカラーリングが有名だが、実はこの色、昼間はもちろん夜間迷彩効果も低い。一般的な戦闘機のような「灰色」が昼夜両方において最も適した色なのだが、軍上層部の要請により真っ黒に染め上げられた。(上層部が厨二だった説と技術・機密的問題説がある)
2003年にはグレー系のロービジ塗装が施された機体が登場しており、「Dayhawk(昼の鷹)」という俗称が与えられている。
番号の謎
F-111から番号が飛んでいるが、これは「社内の開発コードをそのまま使用した」、「新型エンジンの型番と混乱させるため」、「アメリカが秘密裏に保有する旧ソ連製戦闘機にF-112~116が割り当てられた」等の説がある。
F-19
理由は不明だが欠番であるF-19がこのF-117であるといわれていた時期もあった。
模型メーカーのイタレリがもれ出たわずかな情報を元にプラモデルを作成し、F-19の名称を使用した。
なお、軍は否定も肯定もしなかった。(機密保持の問題と社内の内紛から公聴会に呼ばれるなど、スカンクワークス内でも問題となっていた)
一応、試作機であるハブ・ブルーとF-19は所々であるが類似点があるものの、実際の機体とは似ても似つかないものであった。
関連タグ
デ・ハビランド モスキート:第二次世界大戦でイギリス空軍が使用した爆撃機(攻撃機)。夜間戦闘で活躍した。また木製だったため、レーダーに映りにくかったらしい。