概要
通称「ブラ鎮」。24時間戦えますか?
旧仕様の「ブラック鎮守府」
サービス実装直後の仕様では、旗艦が赤疲労かつ大破状態であっても轟沈せずに進軍を続けることが可能であったため、敗戦前提の単艦進軍による経験値稼ぎを続けることができた。この様を「ブラック企業」になぞらえ、艦娘を過酷な条件下で酷使するブラック鎮守府と呼ばれるようになる。
運営鎮守府による対策
期間限定海域に参戦するには「出撃の勝率」が低すぎないこと(おおよそ7割以上)を条件とし、敗戦前提出撃を牽制している。
また2013年8月26日(夏イベント後)、アップデートにより旗艦大破での出撃・進撃が出来ないように変更された。これにより旗艦が轟沈しないことを利用した回復なしのレベル上げや強引な進撃は不可能になった。
しかしその後、回復など最初から考慮せず、艦娘を駒として使い捨てる悪魔の戦法が開発される。
捨て艦戦法
「かばう」システムの実装後に開発された玉砕戦法。
輪形陣で進軍し、高レベル旗艦の周りを拾ったばかりの「捨て艦」を囮として攻撃させることで旗艦を保護し、B勝利を狙うというもの。旗艦は轟沈回避されるが、捨て艦となった者はまず助からない。
かろうじて大破状態で鎮守府に帰還できたとしても、捨て艦は補給も修理もされず、そのまま解体されるか近代化改修の素材にされるかの運命しか待っていないのである。駆逐艦のみで挑む3-2や、秋イベント海域で猛威を振るった。
それ以外にも、1-1でキラキラ化を狙うために、拾ったばかりの駆逐艦1〜2隻をキラキラ化する艦の護衛として随伴させ、1-1が終わった後はまたそこで拾った艦にとって替えられ解体or近代化改修の餌にされる、というのも広い意味では捨て艦戦法といえるが、陸の上で武装解除(合成・解体)されているのならば、中の娘に救いはあるだろう、海底に墜ちるよりは。
(設定では解体、合成すると普通の女の子に戻るため)
しかし、消費資源を抑えられる、大破撤退のリスクが少なくなるという意味では、ゲームとしては理にかなった戦術であるといえるが、艦娘を「命ある部下」から「ただの駒」としか見られなくなったという、「国民総玉砕」を叫びだした大戦末期の軍部を思わせるようなプレイスタイルである。
この戦法を使ったクリア報告も次々上がっているがこれを使った提督からは「勝ったはずなのに別の涙が出てきた」、「クリアした日の夜に生け贄にした艦娘達の怨嗟の声が次々聞こえる夢を見た」などの凄まじい報告が上がっている。これが現実の戦争ならば、1隻につき200~1000人規模の乗組員を犠牲にしているのだ。
ただし轟沈は二隻まで。三隻以上沈めると後の敵を壊滅させても戦術的敗北(C)判定になる。四隻以上だと全滅まで追い込んでも敗北(D or E)判定になる。
この戦法は資源との相談においての最終手段であり、きっちりと資源を準備し艦娘たちを相応のレベルまで育て上げバケツを贅沢に準備さえしていれば犠牲無しでのクリアは十分に可能である。覚えていて欲しい。この戦法に不快感を示す人もいるので、所構わずネタを持ちだしたり他の提督への煽りネタに持ち出すのも厳禁である。
史実の捨て艦戦法
リアルの日本海軍もこの戦法を使用した。レイテ沖海戦である。
最終形態の千歳、千代田、瑞鶴、瑞鳳の迷彩衣装。これらは囮として沈められる定めを負った者の死に装束である。
今日も「特攻」の名の下に、電子の海に蘇った艦艇たちは再び鉄底海峡へと沈んでいく。
老兵の激怒
旧軍人
旧日本軍関係者のプレイヤーも多い艦これだが、「捨て艦戦法」に対して激怒した人物がいた。
上位クラスの艦戦として実装されている紫電改の開発者氏である。
同じく提督である孫より、E4特攻隊編成すると耳にして
「下士官に罪はない、潔く自刃しろ」と一喝、提督失格と一蹴したそうである。
実際の戦禍にいた老兵の言葉は、重い。
電子提督
また「老兵」は実際の旧軍関係者・自衛官ばかりではない。
当初PC-9800シリーズで発売された『提督の決断』シリーズの“提督”達にとっても噴飯ものであった。
同シリーズはハードなウォーシミュレーションゆえ、多少の被害、特に装甲が紙(その代わり建造コストが安い)駆逐艦はある程度消耗品として使わざるを得ない。
だが。
『艦これ』と異なり、同シリーズには確かに“見た目の”萌え要素はない。
しかし、特に『III』『IV』では設計の自由度も高く、加えて資材の確保・建造枠の確保・命名・練成と、建造される艦はまさに自分の子供と同義だった。
死地とわかって出撃させなければならないとき(特に日本軍プレイの序盤)の心苦しさ、大損傷を受けながら辛うじて生還したときの喜びは、なかなか例えようもない。
そんな提督にとって、必須ではない捨て艦・特攻戦法など言語道断の所業である。
中にはゲームと割り切ってそれに手を出した提督もいるが、かつての自分の愛娘たちへの追憶から心を折られ返上していった。