真奥貞夫
まおうさだお
CV. 逢坂良太
「いいか勇者エミリア、俺は、この世界で正社員になってみせるぜ!!」
「当然の顔して他人を踏みにじり、それを正義だと言って憚らないクズは魔界にだっていねぇよ」
「そうだ、俺達は悪魔。悪を為し、誰かを害さなければ生きられなかったクズの集まりだ!」
「己の科を負って生きる覚悟が無いなら、他人に文句なんかつけんじゃねぇ!ここは自分の為した全てを一身に背負って、必死に生きる人間達の世界だ!!」
概要
本作の主人公で、異世界エンテ・イスラを支配しようとしていた魔王。
本名は「サタン・ジャコブ」。
エンテ・イスラを支配する寸前の所で勇者エミリアによる反撃を喰らい、逆に追い詰められてしまい、部下のアルシエルともどもエンテ・イスラから逃げ出し、現代日本に流れ着く。
日本では魔力を回復する手段が無かったため、生活費を稼ぐためにアルバイトを始め、現在はマグロナルドの幡ヶ谷駅前店ではたらくフリーター生活を送っている。
しかし人間の負の感情から魔力が生成されることから、周囲が危機に陥っている時には颯爽と魔王モードになって見せ場を奪う生粋のヒーロー。
ただし獲得した魔力はその直後に現場の後片付けなどでほぼ使いきってしまうのがお決まりのパターンである。
東京都渋谷区笹塚にある「ヴィラ・ローザ笹塚」201号室(通称・魔王城)在住。
経歴
元々魔界の弱小種族に生まれ、両親のこともほとんど覚えていないらしい。
幼いころ、他の部族との闘争に巻き込まれ、大けがを負っていたところをある一人の女性の天使に助けられ、文字やこの世界の成り立ちなど、いろいろなことを教わる。天使の去り際、紫色のクリスタルのようなものを渡され、それを育てるように言われ、育てていた。
その後、アルシエルやルシフェルを仲間にし、魔界を統一し治め、魔王を名乗る。
本来の姿
性格
過去のつらい経験を乗り越えてきたためか、結構ポジティブな性格。敵愾心を向けてくる恵美に対しても、口げんかはするもののそれほど嫌ってはいない。
自分を裏切ったにもかかわらず行く当てのない漆原を家に入れたり、「魔力を取り戻すのに地球の人たちに迷惑をかけられない」と言うなど、部下想いで責任感の強い性格でもある。そのため、芦屋や千穂など、彼を慕うものも多くいる。まさに理想の上司である。
一方、他人の揚げ足をよく取ったり、失業中だったとはいえアラス・ラムスに渡すお菓子を恵美におごってもらおうとするなど、経済面に関しては非常に庶民的かつ小物くさい面もあり、そのたび周囲の魔王のイメージを崩している。
戸籍上は20歳だが実際は300歳を超えており、魔王に成り上がった経験からくるものか、表面上のイメージとは裏腹に論理的なものの考え方をしている。ただし、それでも登場悪魔の中では若輩なほうである。
能力
アルバイトとしてはかなり優秀で、入社半年での時給200円アップ、月間MVPクルー賞の受賞、時間帯責任者の登用などがある。さらにはアレルギーの人間に対しての対応も行えるなど、柔軟な顧客対応ができる人材へと成長した。その接客態度から、恵美や鈴乃をして「魔王らしくない」と言わしめている。
また、他人の陰謀や悪意に敏感な洞察力や観察力、地球に住んで1年程度ですっかりなじんでしまう適応力、さらには英語でコミュニケーションも行えるなど、総じて頭は良い。
しかし、細やかな気遣いができる反面、基本的に女心に疎いため、地雷を踏み、女性陣から反感を買うこともある。だがその気配りとさりげない素直さなどでフラグ乱立中。
つまり一級フラグ建築士。
戦闘能力は恵美や天使には及ばないが高い。また、彼は建物の創造・修復、ゲートの生成、結界や記憶操作が行えるなど、力の応用範囲が非常に広い。
8巻にて聖剣を得たばかりか、更には恵美より精神力が強いことと原作10巻の記述より(原作10巻時点で)恵美さえ凌ぐ戦闘力を手に入れ、大天使3人をたった一人でフルボッコにしている。
スピンオフ『はたらく魔王さま!ハイスクール!』では
原作とほぼ一緒の流れで日本にやってきたが、何故か高校生になっており、芦屋と共に理事長の志波美輝に拾われる。その後は高校に通いながら(2年A組所属)、普段は芦屋と共に用務員室で暮らしている。
学校では、「人を支配できる」+「学食がタダ」という理由から生徒会長を目指し、支持者を集めようと奮闘している(ここの高校は生徒会長は学食がタダになる特典がある)。それを阻止しようとする恵美と応援する千穂との関係は、原作とほぼ変わっていない。
また、学校では食券を支給してもらうため購買部で働き始める。
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※以降、ネタバレ注意
ここでは、彼がエンテ・イスラ侵攻を行った真の理由を記述する。
その理由とは、「民を救うため」の一言に尽きる。
悪魔は魔力を生命エネルギーに変換して生きている。その魔力は不安や絶望、恐怖などの負の感情から生成される。ところが、自身がよかれと思って行った魔界統一事業により、魔界から負の感情が減り続け、生きるために必要な魔力が減り続けたのである。その上、統一事業により人口は増え続ける一方。
このままでは悪魔は飢えで死に絶えてしまう。そう考えた彼は、「エンテ・イスラ侵攻」という苦渋の決断を行ったのである。
そういう経緯から人間を魔力生成源として飼うつもりだったらしく、各悪魔大元帥たちには「歯向かうものには容赦するな」と命じる一方「降伏するものは受け入れろ」と厳命していた。
エンテ・イスラ侵攻は四人の悪魔大元帥に任せ自身はと言うと、ごたごたしていた魔界の統治に戻っていたと当初は説明されていたが、その他にも人間を研究していたことがあかされる。多少の違いがあれど何故人間は上手く繁栄できたのかという疑問を研究していたが、それは皮肉にも、彼が人間界に来て三日後になって分かる。
また、魔王らしくないと周囲に言われている彼だったが、そもそもな話、彼は心根が優しい男で、また、王であると言う事が9巻のベルとの会話で明らかにされる。
王であるため、地球で学んだことを統治に生かそうとしているし、再度人間を支配しようとはしていても、仮に支配できていたら今度は悪魔と人間を対等に扱おうとしていた(悪魔の寿命の方が人間よりもはるかに長く、下手な禍根を産まないため)
正直、人間性や道徳性といった観点から見た場合、エンテ・イスラの殆どの教会関係者や天界のごく一部よりも魔奥の方が遥かにマシと言えばマシである。