CV. 伊藤かな恵
概要
突然真奥宅の隣202号室に引っ越してきた女性。常に和服を着ており、やや時代がかった口調でしゃべる。
その正体は、エンテ・イスラから来た大法神教会に所属する、異端審問会改め、訂教審議会筆頭審問官。
本名は『クレスティア・ベル』。
10代前半の少女に見えるが、実際は20代の成人らしい(原作2巻の履歴書欄と、原作5巻時点で2010年8月を舞台にしている設定より)。
なお、正確な年齢は不明。鈴乃本人は、さほど年齢を気にしてはおらず、尋ねられるとあっさりと答えるのだが、なぜか「にじゅう……」と言いかけた瞬間に何らかの邪魔が必ず入り、正確な年齢を知ることができない。
日本では、真奥や恵美たちと異なり、就職はしていない。もともと、長く日本で過ごす事を想定しており、換金可能な宝石や物資をエンテ・イスラから持ち込んでいるため、働かなくても生活には困っていないようである。ただ、聖職者らしく規則正しい生活は崩しておらず、同じ無職とはいえ、漆原とは全く違う生活を送っている。
経歴
エンテ・イスラの西大陸、サンクト・イグノレッドのベル司教領の娘として生まれる。ちなみに兄弟は、兄か姉が1人いる(原作2巻の履歴書欄より)。
地元の神学校を卒業後、大法神教会に入り、宣教部に配属され、オルバ・メイヤー直属の部下として異端審問を担当し、教会に対して都合の悪いものを始末する始末屋をしていた。
魔王サタンによるエンテ・イスラ征服失敗後、死んだと聞かされていた勇者エミリアが生きているという情報を得て、エミリアを連れて帰り、保身的な教会の暗部を洗い出すため、日本へとやってきた(ただし、教会から命じられた任務は、オルバが仕損じた恵美と真奥の抹殺を完了し、教会の名誉を守ること)。
最初こそ真奥に接近して有毒食糧援助などによる搦め手を使いつつ、恵美を説得して連れ帰ろうと穏便にことを進めようとしたが、警戒した恵美に説得を断られてしまう。
その後、大天使サリエルの聖剣回収任務に力を貸す羽目になり、関係のない千穂を巻き込むことになってしまう。自分の理想とする正義と行いに大きな矛盾が有ることを恵美や千穂から諭され、真奥からも自分が恥ずかしくて助けを求めたことを見抜かれたため、真奥たちに協力することとなる。
日本に来てからは、生活費はエンテ・イスラから持ってきたものを換金して生活しており、向こう数か月は働かなくてもよい上、テレビやバイクを余裕で購入するほどの莫大な蓄えがあるようだ。
日本に長居するようになってからも、隣の真奥たちには聖法気(堕天使の漆原を除く悪魔には有害)入りの食糧援助(という名の暗殺)を続けている(もっとも、真奥たちは家計節約のため、あえて食べ続けている)。
性格
性格は聖職者らしく品行方正。しかし、魔王など敵対している相手にのみだが暴力による折檻も度々行っている。また、生真面目な性格でもあり、周囲に比べて色々なことに思い悩む場面が多い。
日本に残って以降も、真奥たちには敵対感情を持っているが、元来面倒見がいいこともあってか、世話を焼くようになっている上、本人もまんざらではないようだ。(ただし、普段の生活態度が悪い漆原に対してだけは白い目を向けている)。
また真奥たちの良く言えば質素、悪く言えば貧乏な暮らしぶりを真横の部屋で直接見聞きしており、「あれを見ていると敵愾心が薄れそうになる」と述べている。
日本に来る前に日本の文化を勉強してきたのだが、着物という民族衣装をキーワードに時代劇や昭和時代の資料を参考に学習したため、suicaをスイカ(西瓜)と勘違いしたり、おせちを代表的な日本の弁当と勘違いしていたなど、ボケを連発している。また、家電も昭和のレベルで止まっている。ただ、日本に来てからは周りの影響もあり自分なりに勉強し、買い揃えた最新式の家電も(ときたま頓珍漢な勘違いをしながらも)問題なく使用しているようである。
先述のように聖法気入りの食事を出していたが、真奥たちが気づいているのがわからなかった、異国の地の調査のエキスパートを自称していながら知らない事が多かったり間違っている部分も多いなど、間の抜けている面もかなりある。
また恵美に都心部へ連れて行かれた時は最初こそその喧騒とジェネレーションギャップに戸惑ったものの、後に合流するころにはすっかりハメを外して堪能してしまったなど、存外子供っぽいところも多い。
好物のうどんに対して並々ならぬ思い入れがあるようで、初登場の原作2巻では真奥たちに聖法気入のうどんを大量に差し入れ、原作5巻で「まんまるうどん」のうどんを堪能していた。2chでは「うどんさん」の愛称で呼ばれている。
アニメ放送後に出たキャラクターソングのタイトルも「うどん賛歌」であり、タイトル通りうどんの美味しさを熱唱している。
またエンテ・イスラに居た頃に食したトカゲ料理を甚く気に入っており、そのことで上司であるオルバに反発したり、熱弁を垂れ流すなど、好きなものに対しては歯止めが利かなくなるタイプ。
聖職者であり、信仰を守る敬虔な信徒である。ただし、ガブリエルのような、おちゃらけた天使を目の当たりにしたときは、さすがに信仰が崩れそうになったこともあるようだ。また、教えの解釈などにはドライで現実的な見解を示すこともあり、他の面々を驚かせることもある。
外見
長い黒髪をサイドテールにまとめており、花柄の簪で結び目あたりに差している。
日本の日常的な服装が和服であるという誤解と、露出のある服装が苦手であることから、日本ではほぼ着物姿である。着物そのものも気に入っているらしく、作中ではカタログなどを眺めている場面がある。料理をする時は、割烹着に三角巾を身につけるなど、和風を貫いている。
ただ、洋服にも興味が無いわけではなく、洋服姿や水着姿を披露したことがある。
故郷のエンテ・イスラでは、着物ではなく、全身を覆う形のローブを身に着けている。
また、恵美や千穂が驚くほど綺麗肌である。聖職者らしく、規則正しい生活をしているためのよう。当初は化粧品を、エンテ・イスラの常識から「貴族でもなければ常用しない高価なもの」と思っていたため使っていなかったが、のちに恵美たちから勧められて使うようになる。
現在でこそ綺麗な長い髪だが、修道僧時代は剃髪していたことを本人が語っており、千穂を驚かせている。大法神教会の修道僧は原則として剃髪が義務付けられており、修行後の髪型は自由だが、オルバのように世俗を離れたけじめとして剃髪を維持している者もいる。
余談
彼女が地球で好んで着用している着物の柄は「かまわぬ」と言って手ぬぐいでは由緒あるブランドだ。
決してところ天の助ではない・・・はずだ。
ちなみに、アニメでは「かまわぬ」以外の着物も、いくつか披露している。ベースの色合いは同じなので気づきにくいが、チェックしてみると面白いかもしれない。
外部サイト
武器
大槌
頭に付けている簪を増幅器として作り出す武器。なお、この簪は特別なものではなく、地球に来たとき購入したもの。
能力
家事は万能で、炊事、洗濯、掃除すべてができる。原作4巻では海水浴場の砂で、本物そっくりの日本の城を作ってしまうという意外な特技を見せている(宣教部の聖職者なので彫像建築などに慣れているためと思われる)。また、教会で大勢の子供の面倒を見ていた経験もあり、育児もできる。
先述のように地球の文化に関してはボケを連発しているが、エンテ・イスラのことに関しては知識は豊富で、教会内部や法律、地理、政治情勢など多岐にわたる。
戦闘力は特別高くはないが、ガブリエルの天兵連隊程度なら4対1でも圧勝するほど。また、恵美が使う法術は戦闘にやや特化しているが、鈴乃は不完全ではあるがゲート術などの高度な法術も扱うことができる。
スピンオフ漫画『はたらく魔王さま!ハイスクール!』では
2巻で後輩(1年生※あくまで自称なので実際は不明)として登場する。
アラス・ラムスとの関係から、真奥を「パパ殿」、恵美を「ママ殿」と呼んでいる。
ここでもうどん好きは変わらないようで、昼休みに校内の購買の隣でうどんを売っていたり(本人曰く「生活がかかっている」)、原作同様真奥と芦屋に大量のうどんを渡したりしている。
また、生徒であるはずなのに一人だけ制服ではなく着物を着ている(ifストーリーの小説『はたらく魔王さま!ハイスクールN!』では制服を着ているイラストがある)。