「もう少し計画的にお金を使ってはいかがですか、魔王様。」
概要
CV:小野友樹（アニメ）、子安武人（『電撃文庫MAGAZINE』Vol.18付録ドラマCD）
魔王とともに勇者エミリアに追い詰められ、現代日本に流れ着く。真奥（後に漆原も）と同居しながら、日本では「芦屋四郎」と名乗り、専業主夫として彼らの生活を支えている（真奥とは、労働と元の世界に戻るための情報収集との役割分担をしている。主夫業の傍ら、空いた時間などで都内の博物館などを回り、魔力回復の手段を探している）。
戸籍上は20歳だが、悪魔としての実際年齢は1500歳以上。
ちなみに元々なのかそれとも清貧生活を極めすぎたせいなのか、人間体では非常に胃腸が弱っており、よくトイレのお世話になっている。
経歴
元々は魔界の北方で、将来の悪魔大元帥アドラメレク率いる「蒼牛族」と対立しつつも権勢を誇っていた「鉄蠍族」の長。当時は真奥が蒼牛族と手を組んだため、敵対関係にあった。
当時の魔界では絶滅危惧種もいいところの「兵法」を扱える智将であり、その頭脳を買われ、紆余曲折の後に魔王の配下となり、悪魔大元帥を拝命する。エンテ・イスラ侵攻の際は、東大陸方面の指揮を担当。唯一勇者エミリアに占領地を奪還されなかった。
そのことが後にある大事件を引き起こしてしまう。
日本では、同居人（特に漆原）の無駄遣いのおかげで、家計は常に赤字続き。それを補うため、節約生活をより一層心がけ、単発のアルバイトに行ったりと、苦労している。単発のアルバイトなのは主夫なのもあるが、漆原が家事に関しては役に立たず任せられないため。
また、恵美のドコデモ勤務時代の同僚・鈴木梨香ともフラグが立っている。
元々はお互いの相方のいざこざで真奥側／恵美側の付き添いとして一堂に会したことから接点ができ始め、双方の接点となった真奥と恵美の関係について互いにあれこれ心配し、時に相談も交わす立場であったこと、「勇者に対する悪魔大元帥」ゆえに悪態のぶつけ合いもしばしばだった恵美と違い、あくまで梨香とは「日本の一社会人同士」という関係性であったために礼儀正しく接していたこと、芦屋自身の容姿や専業主夫スキル・知性の高さ、機械に詳しくない芦屋の携帯電話関連の相談で梨香がその携帯電話会社の社員ゆえに的確に応じてあげられたことから、梨香も芦屋自身に興味を持ち、急速に親しくなっていった。
原作小説８巻で、とうとう梨香も恵美の行方不明や、エンテ・イスラから現れた天使ガブリエルたちによる恵美の父・ノルドと芦屋の同時拉致事件などに直面したことでエンテ・イスラ絡みの事情および恵美や真奧・芦屋の正体を知ることになるのだが、それでも驚きこそしたものの三人への態度も付き合い方も変えない梨香には、変わらず想われ続けている。
本来の姿
性格
基本的に誠実で紳士的、真奥の忠臣である。現状に不満を持ちながらも、真奥に仕え続けている。必要とあらばあえて真奥に厳しく接することもある。几帳面な性格でもあり、真奥がバイト先で食べる弁当を作っているのも彼。普段は丁寧な言葉遣いで喋るが、無自覚に毒舌な面がある。
一方、恵美や鈴乃など敵対関係にあるものには敬語を遣わず辛辣な態度で接する。しかし、元々律儀な性格もあり、必要とあらば協力し、恩を仇で返すようなことはしない。
日本に来てからの貧乏生活で苦労続きのため、よく言えば倹約家、悪く言えばケチである。それは徹底しており、家計を助けるため体を壊すとわかっていながら、鈴乃の出す聖別食材のうどん（漆原を除く悪魔には有害）を食べ続けているほど（現に芦屋は食べておなかを壊している）。
また、真奧がマグロナルドで働き始め、まかないメニューとしてハンバーガーやポテトを持って帰って食べることが多くなったことで食生活についても心配（自分は上述のうどんの件のような有り様なので、多分に真奧のことだろう）することもあるようで、そちら方面で真奧に長いお小言を言う事も（その際に映画「スーパーサイズ・ミー」も引き合いに出している。見たのか映画。地球に来て数ヵ月かつこの貧乏暮らしの中で）。
時々無駄遣いをする真奥や無断で買い物をする漆原に対して小言を言う。それもあり、鈴乃からは「口やかましい主夫」と評されている。しかし、単なるケチではなく、必要（例：真奧のお出かけ用の服の調達や、海の家でのバイトに必要な作業用の服・履物など）とあらば、必要十分な質のものを揃えるための出費は躊躇しない。
能力
人間としての見た目は、長身で細マッチョの銀髪の美青年（原作・コミカライズとアニメ版でキャラデザインが異なる）。
主夫をやっているだけあり、掃除、炊事、洗濯が非常にうまい。また、原作1巻の履歴書欄を見てもらうとわかるが、パソコンで打ったと見間違うほど字が綺麗（彼はパソコンがほとんど使えない）。この特技を活かし、図書館の書物を写経しており、日本での生活の貴重な財産となっている。
「魔王軍一の知将」と言われるほど頭もよく、梨香にもっともらしい自分たちの過去を瞬時に語るなどの口のうまさもある（主夫業においてはその頭脳を家計簿の計算に役立てている）。アルバイトで英会話の講師などをしていたことから、語学力も高いと思われる。また、人生経験からか、真奥よりもずっと女心がわかる。
戦闘面では攻撃力では真奥に及ばないが、念動力を得意とし、漆原半蔵ことルシフェル程度となら互角以上の戦闘を可能にする。特筆すべきは防御力。ほぼ全身を甲殻に覆われた悪魔体は魔王軍最硬と言われるほど硬く、大天使「ガブリエル」の聖法気で鍛造した剣「デュランダル」すら刃が通らなかった。また、その防御能力はフィジカルの頑丈さだけに頼ったものでもなく、10巻においてオルバ・大天使・魔王軍マレブランケ一派の策略により恵美と戦わされた際にも、アラス・ラムスの宿った聖剣ベター・ハーフ（上述のデュランダルの刀身さえも容易く斬ってのけており、デュランダルよりも明確に格上）を振るい、勇者の力を解放し本気で斬りかかってくる恵美の猛攻を的確に捌いて凌ぐなど、無手での体術の練度も相当に高い模様。
魔力や聖法気を用いた術の類にも耐性は高いようで、アニメ第一話冒頭の魔王と勇者の最終決戦の中で、勇者パーティの一人（おそらくはエンテ・イスラ最強の法術士でもある）・エメラダに術をかけられ石化するも、ほんの数瞬でそれを打ち破って戦闘に復帰している。
スピンオフ『はたらく魔王さま!ハイスクール!』では
真奥と同様志波美輝に拾われ、高校の用務員として働いている。（「二人のうちどちらかが用務員として働くことで、用務員室を住居として利用してもよい」と言われ、そうしている）。
真奥に対する忠誠心が増しており、その影響か犬耳と尻尾が描かれていることが多い。機械の操作が苦手という設定が追加されている（原作では、少なくとも家電については苦手とする描写はない。ただし、パソコンや携帯電話などの電子機器は、持っていないために詳しい操作方法を知らない）。
また、イケメンぶりは健在で、女子高生から「かっこいい」と言われていた。
関連イラスト
余談
ドラマCDキャストの子安武人はアニメではガブリエルを担当している。
関連タグ
ウルトラマンベリアル：声優繋がりと悪魔キャラ（しかもベリアルは光側から闇に墜ちている）繋がり。
※以降、ネタバレ注意
原作8巻でオルバと天使たちにエンテ・イスラ東大陸に連れ去られてしまう。
以前から起こっていた新生魔王軍の旗頭として祭り上げられ、恵美と戦い、結果恵美に殺される計画に利用されそうになっていた。
しかし、自身の知力と防御力を活かし、真奥が来るまでの時間稼ぎを行う。
更には統一蒼帝の説得や兵の移動を指揮し、兵の被害を最小限に抑え、天使達の陰謀を阻止する影の功労者となった。
また、状況に振り回されるばかりで意気消沈していた恵美に覇気を取り戻させ、主導権を自分たち（真奥たち）の手に奪い返す為に彼女に送った書状の文面は必見である。
