概要
日本を代表するUMAであり、イギリスのネッシー、アメリカのビッグフットと並んで「UMA界のスター選手」といえる存在。その日本では昭和40年代~50年代(1960~70年代)頃に一大ブームを巻き起こし、ブームが落ち着いた後も各地で様々な"ご褒美"を用意した上で目撃・捕獲が試みられている。
例えばある地域では数百万もの賞金、またある地域では100坪にも及ぶ土地の所有権、といったように。
特徴
一般的には「蛇のようだが頭が大きく胴体が太短い奇怪な姿をしている」と言われ、ツチノコの名はこの太い胴体を藁打ち用の木槌になぞらえたもの。ハンマーではなく太い棍棒のような形をしている。
蛇らしく猛毒を持つとされるが、他にも芋虫のような動きで進む、ジャンプする、寝る時にいびきをかく…などの行動もするという。
正体?
そんなツチノコの正体についてはいくつか説があり、アオジタトカゲやマツカサトカゲ、ヒメハブないし獲物を飲み込んでぷっくり膨れ上がった状態の蛇の誤認、オオサンショウウオなどを誤認した目撃証言が複合したもの……とされている。
特にアオジタ・マツカサは足が短いので草むらなどにいると足が無いように見え、「太短い蛇のような姿」という特徴はそれで説明できる。サイズも近いので尚更だ。
ただ仮にアオジタ・マツカサが正体だったとしても、彼らに毒はないし、イビキもジャンプもしないため矛盾するが、まあ珍しいこと・既存の種類とは異なる事をアピールするために噂が広まるうちに尾ひれがついていったのだろう。
なおツチノコブームと同じ頃、アオジタトカゲなどの海外産トカゲの流通が安定してきていた事も、ツチノコの正体は「アオジタトカゲの誤認」という説に説得力を与えている。
とはいえこれは"人間の理屈"であり、自然界には我々人類の想像をはるかに超えた珍生物がいたりもするように、「本物のツチノコ」がいる可能性だって十分に残されている。
現在までに知られる生物は数百万にも及ぶが、それでもその全てを解明できているわけではないし、一説には地球上には未だ知られていない種が星の数ほどいるという見解もある。
ツチノコの発見者として歴史に名を残すのはアナタかもしれないのだ。
余談
- 過去にはツチノコとして捕獲された個体を精査したところ、デスアダーという外国産の猛毒の蛇であった事例があった。このデスアダー、姿形もツチノコそっくりのずんぐりした愛嬌のある蛇だが、一瞬で人間を天国送りにできるほどの凄まじい猛毒を持っている。ツチノコを見つけた場合はこうした毒蛇である可能性も考え、細心の注意を払って取り扱うよう肝に銘じておく必要がある。
ツチノコは東白川村の村おこしのきっかけとなった存在なのである。
- 江戸時代の文献にはツチノコについて「顔には目・鼻・口などが無い」という記述があり、江戸時代の人々が考える「ツチノコ」は現代で考えられているそれとは違い、より妖怪めいた姿、または「巨大なイモ虫」のような姿だった可能性が高い。
しかしこの記述にほぼ合致する妖怪として野槌というのもいる。蛇のような姿だが、長さ1メートル程で直径15センチもあるイモムシ体型で、顔は口以外のパーツがないらしい。
別名・表記揺れ
漢字では「槌の子」「槌子蛇」と表記する。「ゴハッスン(横五寸縦八寸の意)」「バチヘビ(「バチ」は東北地方の方言で「短い」の意)」「トッタリ」「トックリヘビ(徳利型の蛇)」「ツチヘビ」「ツチンボ」「土転び」などの別名も多数存在する。
登場作品
幻の怪蛇バチヘビ
1973年の矢口高雄の漫画。バチヘビ(ツチノコ)が一躍有名になった。
ドラえもん
TC9巻収録「ツチノコ見つけた!」にてツチノコが登場している。
いつものように昼寝をしているのび太。ドラえもんが22世紀からもってきた偉人に関する本をもってきた。すると“ツチノコを発見した「剛田武」という項目を見る、そう剛田武とはジャイアンの事を指す。
なかなか見つからないツチノコを手に入れるために近未来から調達。
しかし記者発表の際、肝心のツチノコがどこかへ行ってしまい、ついにジャイアンの手に渡ってしまう。
また、藤子・F・不二雄大全集3巻収録「ツチノコさがそう」でもツチノコが登場している。
ツチノコブームでにぎわう中、のび太が山中必死で探すもののなかなか見つからない。
陰ながら応援するドラえもんはお弁当をこっそりおいて帰るのだった。
やっとの思いで見つけたもののヘンチクリンなマンガみたいなツチノコ。
同級生等に見せて自慢するものの、「ドラえもんが用意したものだろ?」と誰も興味を示されず、のび太自身も内心「ドラえもんが用意したモノ」だと疑心暗鬼になって捨ててしまう。
しかし当のドラえもんを問いただすと本物だった事が判明した。
ツチノコのデザインが好評で近年商品化された。
あまり蛇っぽくなく、むしろゆるキャラのような可愛らしいデザインになっている。
なお、ドラえもんの21世紀では、ツチノコはペットとして人気であり、ペットショップでも一匹200円で販売されている。が、犬猫同様に勝手に捨てる飼い主も少なくはなく、野良ツチノコが増える社会問題が起こっている。
上記で調達したのは、捨てようとした飼い主から譲り受けたもの。現在にもどったのび太はそれをマスコミに発表しようとしたが、檻の掛け金をかけ忘れたため逃げ出してしまった(ジャイアンはそれを捕まえたため、発見者として有名になった)。
ブラッドラッド
作中でツチノコのステーキなるメニューが出てくる。
キャッスルヴァニア 暁月の円舞曲
特定の小部屋にしか出現しない。ソウルの効果はアイテム購入時の割引。何故か、蒼真のいる時代ではペットとして飼われている。
メタルギアソリッド3
遠く離れたソ連の地に出現。後年ではさらに離れたアンゴラでも発見された。
通常の食料となる動物と違い、出現エリア内でも見つけることは出来ず、マウストラップでのみ捕獲可能。
生きたまま持ち帰る(ゲームクリアする)ことで次の周回から武器の弾数が無限となるペイントINFINITYを入手可能
ただし所持状態で捕虜となった場合のみ、脱出後にティホゴルヌイの滝のそばで這っている姿を見ることが出来、このイベント前に捕獲してなければ出現しない、そしてその後ツチノコの取れる場所までは戻れないため、「一週で二度捕まえる」必要がある
なお、捕獲後に無線すると、向こう側では興奮しており、その後上官から無茶な事(さっさと任務を終わらせて連れて帰ってきてくれ=さっさとザ・ボスを殺して帰ってこい)を言われる、後の世紀で言葉の解釈一つで仲違いしたり全世界を巻き込んだ陰謀を企んだりしたとは思えない態度である。
ちなみに味は「最高にうまいもの」となっている。
EVAとともに行動する際に、彼女の食の履歴が見れるのだがその中に「ツチノコとフカヒレスープ」を食べていたことが判明する。
妖怪ウォッチ
『妖怪ウォッチ』に登場する妖怪。
ツチノコ(妖怪ウォッチ)の項を参照。
ゲゲゲの鬼太郎
アニメ第5期にて「槌の子」という名前で登場。こちらは全身ありとあらゆる場所に猛毒を持つ一つ目の蛇妖怪として描写されている(妖怪図鑑のデザイン準拠)。一般イメージのツチノコは、目玉おやじ曰く「獲物を飲み込んだ蛇を人間が誤認した」と断じている。執念深く、一度狙いを定めた相手をどこまでも追い回す。
その猛毒の威力は凄まじく、蹴り飛ばした蒼坊主の草履が一瞬にして溶けてしまい、一度噛み付いただけで鬼太郎を戦闘不能に追い込む程だった。また、いざという時は自分の尻尾を外して頭だけで動くこともできる。古今東西妖怪図鑑によると火に弱いようだが、後述の執念から克服している。
作中ではツヨシという人間の少年を執拗に狙うが、これは過去に彼の祖父に一度撃退された事がある(この時、火の付いた薪を投げつけられ、長年の成長を経て火に耐性が付いた)為、かつての祖父と容姿が瓜二つのツヨシを本人だと勘違いして襲っていたからだという。しかし、槌の子は彼の祖父が既に他界している事など知る由もなくツヨシを襲い続ける為、鬼太郎達はこれを退治する事にした。
鬼太郎は井戸仙人の手当てで回復しつつあるものの、未だ全快の状態ではなかったが、勇気を出して単身無謀な戦いを挑んだ呼子や他の仲間、そして偶然近くを通りかかった夜道怪の助けもあり、髪の毛針の槍で槌の子の目を貫く事でついにこれを撃退できた。
また、この戦いがきっかけで呼子と夜道怪が妖怪四十七士に覚醒した。
ズッコケ中年三人組
「age44」にてハカセが山中で発見している。
グランブルーファンタジー
CV:白石稔
まさかの空の世界にまでツチノコは迷い込んでしまったようである。2020年12月31日(大晦日)更新のグランデフェスで追加。大晦日昼のtwitterトレンド及びYahoo!トレンドで急上昇したのは言うまでもない。
ちなみに、このツチノコは喋る。それに加えて、デザインは実在のツチノコのまま。
その理由は「実在のツチノコでお願いします」(意訳)とデザイン発注の際にも書かれていたためでもある。それ以外にも思わぬ出番がやってくるのだが、詳細はリンク先を参照。
未確認少年ゲドー
地獄先生ぬ~べ~でお馴染み、岡野剛作の未確認生物(UMA)を題材にした漫画。
作中世界においてツチノコは『蛇に似たトカゲの仲間『アシナシトカゲ』の一種』とされ、『ハバヒロアシナシトカゲ』という和名と『オフィサウルス=クラッスス(太いアシナシトカゲ、の意)』という学名が付けられており、『胴体の肋骨を折り畳んで普通の蛇に擬態する事ができるため、めったに見つからない』と解釈されている。
※他にも「逃げろツチノコ(読破すると「ツチノコ二級鑑定士」なる謎資格が得られる)」や「幻のツチノコを捕縛せよ」といった専門書がある。
モンスターストライク
火属性の降臨モンスターとして登場。
わんだふるぷりきゅあ!
第27話で、ツチノコのガルガルが出現し、プリキュアと対峙する。
犬飼いろはたちが「ツチノコ大捜索大会」でツチノコを捜索する途中、アクシデントによりニコの卵が穴に入ってしまった。その穴のなかでガルガルの卵があり、プリキュアの前で孵化して凶暴なガルガルになった。
このツチノコガルガルは、ニコの卵を飲み込んだり、目を見ると、石化する能力を持つ。
その後、穴をほって光がさしたときに石化が解け、キュアニャミーとキュアリリアンが浄化した。
もとに戻ったツチノコのニコアニマルは、ニコガーデンに戻った。詳しくはエピソードを参照
がんばれ酢めし疑獄!! (作:施川ユウキ)
「ツチノコさん」が時折出てくる。
人間の子供と同じくらいの大きさ。
半円形の体に目と口と尻尾が付いており、形が変わったり膨らんだりする事がある。鳴き声は「にゅ」。
三つ編みの少女といっしょにいる。
ツチノコをモチーフとしたキャラクター
ノコッチ/ノココッチ(ポケットモンスター)
「つちへびポケモン」に分類されるポケモン。詳細はノコッチとノココッチの項を参照。
「けものフレンズ」のツチノコ
ツチノコがフレンズ化したもの。詳細はツチノコ(けものフレンズ)の項を参照。
ツチノコ原人
1973年に放映された特撮番組『鉄人タイガーセブン』の、第10話「大爆発!!ツチノコ原人」に登場する敵怪人ムー原人の一体。
ツチノコのト稀ヅ
『天装戦隊ゴセイジャー』epic17(第17話)・「新たな敵!幽魔獣」に登場する怪人。ダンゴムシもモチーフ。
ツチノコの正体らしいが、怪人なので手足がちゃんとある。
遊戯王OCG
「未界域のツチノコ」として登場。
トレジャーガウスト
背中にドクロの模様があるツチノコ「スカルツチノコ」として登場。ツチノコの正体らしい。
モンスター娘TD
ツチノコ娘がゲーム中に登場する。ガチャではなくイベント配布だったのだが、現在は該当イベントの復刻待ちである。→【槌の子娘】ヤノ
ツチノコ怪獣モグロン
1973年に放映された特撮番組『魔人ハンターミツルギ』の第8話「黒い悪魔が赤い血を呼ぶ!」に登場する、敵宇宙怪獣の一体。
つちのこ怪人
テレビマガジン1979年3月号に掲載されたコミカライズ版『ミクロマン』の第24話「つちのこ怪人をたおせの巻」に登場する、敵漫画オリジナル怪人の一体。
わんだふるぷりきゅあ!
ツチノコのニコアニマルが存在する。