- 何も知らぬ無知なる者を自分の利益だけのために利用する事。
- 1から転じて、とりあえず吐き気を催す悪だと受け手が感じた事象の事。
本記事は1を説明する。
概要
出展元は「ジョジョの奇妙な冒険」第5部のシーン
吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!
なにも知らぬ無知なる者を利用することだ……!!
自分の利益だけのために利用することだ…
父親がなにも知らぬ『娘』を!!
てめーだけの都合でッ!
ゆるさねえッ! あんたは今 再び オレの心を『裏切った』ッ!
からのセリフである。
なお「再び」とあるが、これはブチャラティの『過去』が関係している。
ブチャラティが12歳のとき、漁師を営んでいた父親が麻薬取引の現場を目撃してしまい、口封じの為に瀕死の重症を負うという事件が起こった。
当然、口封じを完全なものにするためにゴロツキたちは再び襲って来たのだが、ブチャラティは父親を守るために彼らを殺害。なんとかその場を切り抜けるものの、終わらない報復から父親を守るために、街を治める真の正義である「組織」に忠誠と奉仕を誓う決断をした。
(本作におけるイタリア警察は汚職まみれで、麻薬取引で私腹を肥やす悪徳警官までいる有様であり、頼ることが出来なかった)
しかし正義であるはずの「組織」は、ブチャラティの父親が殺されかけた原因である麻薬に関わっており、後にブチャラティもそれに利用されていたことを知ることになる。
それが「『再び』俺の心を裏切った」と言う理由である。
なお、これはパッショーネのボスであり第5部のラスボスであるディアボロだけに当てはまらず、ジョジョのラスボス格は同じように「何も知らぬ無知な者を自分の利益のために利用する」人物が多く、ジョジョのテーマである「人間賛歌」とは対となっている。
似たようなセリフに第3部の主人公・空条承太郎の
「だがこんなおれにも はき気のする『悪』はわかる!!
『悪』とはてめー自身のためだけに 弱者を利用し ふみつけるやつのことだ!!」
というものがある。
pixivにおいて
上記の元ネタを見れば大体想像つくだろうが、主に悪役キャラ・またはそれに近い行動をとっているイラスト・漫画作品につけられる。
単に悪人全てがそうではない。
邪悪さを持つ者は総じて物語において最低最悪の行為を行ったり、あるいは黒幕や元凶で、身勝手で傍迷惑な存在である。
- その1
終始自分の為だけに周囲を犠牲にする利己的な性格の持ち主。
- その2
善意からの行動や何らかのきっかけ(使命感、被害意識、怨讐など)があろうとも、それによって発生する周りへの影響を顧みない者。
- その3
自分の都合を制限無く他者に強要し続ける。
- その4
過去のトラウマから逃げ出せず、その影響で他者を巻き込むことを平気で行うようになる。
- その5
己の矮小な正義感を満たしたい。
これらの傾向が特に強い外道が「吐き気を催す邪悪」と呼ばれる。
その過激すぎる行動のために、往々にして人気を高めたり、ネタキャラ要素と表裏一体である部分もある。
pixiv内における定義
- 【 ディアボロ型 】
主に組織のトップまたは黒幕。持ち前の弁舌や正体を見せない神秘性で人々の心を掴み、いつの間にか自分の駒に仕立てていく。 大抵の悪のトップは悪人・粗暴な人間を従えるのに対し、優しい人間・正義感の強い人間を悪に染め上げていく (あるいは、そのことに異常な執念を燃やす)のがポイント。
更には、そのカリスマ性でさえ、個人の野望・欲望を叶える道具に過ぎない。
- 【 プッチ神父型 】
(キュウべぇ、アドヴェント、ストライカー(翠星のガルガンティア)、アルバ(マギ)、総統メビウス、笛木奏(白い魔法使い)、(ダークルギエル) (人類軍(蒼穹のファフナー))[等)
世界規模、宇宙規模の利益・平和を語るが、その為には個人の生死・尊厳などは一切問題にしない。
つまり、歪んだ正義、狂った正義に近い考え。
揚句の果てには、「文明の一つや二つ滅んでも構わない」といった思想さえ持っている。
また、相手の被害・負担を軽減する為の工夫等は一切行わないが、 本人は相手を尊重していると思い込んでいたりするので質が悪い。
要するに、極端な独り善がり。
- 【 吉良吉影型 】
(チョコラータ、グロンギ、シーザー・クラウン、剥切燐一郎、プロフェッサー・C、柳亜貴穂等)
大抵の悪役は、金銭や出世など普通の目標の為の「手段」として、悪事を働く。
これに対し、欲しがっている利益・快楽そのものが、異常で非人道的なタイプ。
シリアルキラーはこれに当てはまる。
- 【 ファニー・ヴァレンタイン型 】
(世界貴族、アルゴス小隊(蒼穹のファフナー EXODUS) 囚人リクの鬼道院の幹部や看守など)
強盗まがいの行為や殺人、社会的抹殺など、度を越えた職権濫用を行うタイプ。
簡単に言えば独裁者
「自分は偉いから、やりたい放題やっても許される」といった思い込みと、 それを許容する、あるいは許容するしかない社会構造に問題があるともいえる。
なお、あくまでpixiv内での定義・傾向なので、pixiv以外では【ディアボロ型】のみを使うことを奨励する。
ジョジョの奇妙な冒険シリーズにおいての該当キャラ
ディオ・ブランドー(1部)/DIO(3部)
元祖。そして長きに渡る因縁の始まり。第1部及び第3部ラスボス。
ロバート・E・O・スピードワゴン曰く「生まれついての悪」。元を辿れば不幸な生い立ちがあるものの、ジョースター家を訪れて以降は、他者を犠牲にすることになんら良心の呵責が無い性格であり、スピードワゴンの指摘も強ち間違っていない。そしてそのツケはジョースター家の末裔の手で一気に払わされることとなる…。ファンから絶大な人気を誇る悪のカリスマでもある。
余談だが、3部のDIOは承太郎に頭を破壊されて吐き気を催している。
「おれは人間をやめるぞ、ジョジョーーッ!!」
「お前は今まで食べたパンの数を覚えているのか?」
「『勝利して支配する』!それだけよ…それだけが満足感よ!過程や…方法なぞ…どうでもよいのだァーーーッ」
カーズ
第2部ラスボス。
柱の男と呼ばれる、人類とは別の生物で、古代において石仮面を作った張本人。すなわちジョースター家とディオの長きに渡る因縁の遠因となった人(?)物でもある。同じ柱の男でありながら、戦闘に美学を持つワムウとは対照的に、こいつは究極生命体になるためには手段を選ばない卑劣漢。最初は取り澄ましていたが、対リサリサ戦からは「畑に捨てられカビが生えてハエもたからないカボチャのように腐りきった」本性を露わにする。そのツケは宇宙を彷徨う事に・・・
「どんな手をつかおうが……最終的に…勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」
鋼入りのダン (スティーリー・ダン)
第3部のディオの手下
自分のスタンドをジョセフに潜り込ませジョースター一行に手を出せないようにし承太郎をこき使った。
そして、花京院たちに自身のスタンドを取り除かれた後は醜く下手に出たり許してもらったとたん無関係の少女にスタンドを取りつかせたようとしたりし、承太郎からは「正真正銘史上最低な男」と評された。
最終的にはそのツケを3ページにも及ぶオラオララッシュで払わされた。
「史上最弱が・・・・・・・・・・最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も最も 最も最も最も最も最も最も最も恐ろしいィィ マギィ─────ッ!!」
吉良吉影
第4部ラスボス。
野心も野望もなく、「植物のような心で平穏に暮らしたい」と願う一方で、殺人衝動が抑えられず、長年に渡って多くの人間の命と平穏を奪い続けてきた殺人鬼。自分の所業も棚に上げ、「幸福に生きたい」と平然と口にする様は、正に邪悪そのもの。
「これで今夜も………くつろいで熟睡できるな」
「わたしは人を殺さずにいられないという『サガ』を背負ってはいるが………『幸福に生きてみせるぞ!』」
「激しい「喜び」はいらない...そのかわり深い「絶望」もない.........「植物の心」のような人生を...そんな「平穏な生活」こそ私の目標だったのに.........」
吉良吉廣
息子の吉影が殺人鬼と知っていながら溺愛し、12年前に死亡して幽霊になってもなお、吉影を守り、スタンド使いを増やし、邪魔者を排除していた。その愛情は息子にのみ向けられ、他人の苦痛も死も全く顧みない最悪の父親。
「おまえは少年の頃から『女を殺さないではいられない性格』………それは誰にも止められない…
でも…それがお前の幸福というのなら、わしは守ってあげるよ……」
片桐安十郎 (アンジェロ)
第4部の最初の敵
12歳のころ強姦と殺人を犯し東方仗助の祖父、東方良平に施設送りにされた
その後、3人の少年を強姦殺害し死刑になったところを虹村形兆によってスタンドに目覚め脱走
最後はクレイジー・ダイヤモンドによって岩と融合させられ、アンジェロ岩と言う名所となった
いい気になっている奴を破滅させることに生きがいを感じ、自分の気分次第で犯罪を犯すという性質はある意味ラスボスの吉良以上に邪悪と言える。
「いい気になってるやつが絶望の淵に足をつっこむのを見るのは・・・・・・ああ~~~っ気分が晴れるぜェェェェェ~~~~ッ」
ディアボロ
第5部ラスボス。
『頂点』へ居続けるために数多の命を侮辱した男。ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムによって、「死んだ」という結果に到達できず永遠に死に続けるという末路を迎えた。ブチャラティが彼に言い放ったセリフがこのタグの元ネタとなる。
「誰だろうと、わたしの永遠の絶頂をおびやかす者は許さない。決して。確実に消え去ってもらう」
「『帝王』はこのディアボロだッ!! 依然変わりなくッ!」
「オレのそばに近寄るなああ―――――――ッ」
チョコラータ
ボス・ディアボロですら「最低のゲス」と言わしめるほどの悪党。ボスの命令というより、自らの快感のためにジョルノ達がローマに来る前に無関係の市民を大虐殺した、吉良吉影よりもタチの悪い殺人マニア。結果、ジョルノに怒涛の勢いでフルボッコされてゴミ収集車逝き。
「よおーく見せるんだッ! 希望が尽きて…命を終える瞬間の顔をッ!
絶望をわたしの方に向けながら、落下していけえええええええええええ」
エンリコ・プッチ(プッチ神父)
第6部のラスボス。
作中にて「自分が悪だと気付いていない 最もドス黒い悪」と評される。押し付けがましい善意で他者の都合を顧みないタイプの邪悪。だが、行動力の源は過去のトラウマを乗り越えられない彼の心の弱さにある。ちなみに、DIOと面識があり、仲が良かったらしい。
「悪い出来事の未来も知る事は『絶望』と思うだろうが逆だッ!明日『死ぬ』とわかっていても『覚悟』があるから幸福なんだ!『覚悟』は『絶望』を吹き飛ばすからだッ!」
「人類はこれで変わるッ!これがわたしが求めたものッ!『メイド・イン・ヘブン』だッ!」
ファニー・ヴァレンタイン
第7部のラスボスのひとり。
アメリカ合衆国大統領であり、国家の繁栄と平和の為、多くの人物に策略と刺客を差し向けて、アメリカ大陸に眠る謎の遺体を収集しようとした。プッチ神父に通じる何かがあるが、スタンドはまさに真逆(いともたやすく行われるえげつない行為)。
「ナプキンを取るときはどちらから取る? ……正解は、『最初に取ったもの』に従う」
「我が心と行動に一点の曇りなし・・・・・・・・・・・・・・!全てが『正義』だ」
アクセル・RO
ヴァレンタイン大統領の送り込んだ刺客。
戦争の中で仲間や民間人を不注意で見殺しにしてしまった過去があり、それを後悔し引きずっている・・・と書けば聞こえは良いが、実際は過去の罪をスタンド能力で他人におっかぶせて早く楽になりたいとしか考えていないゲス野郎。最期は正反対の思考を持つ大統領自らの手で粛清された。
上記のラスボス達の陰に隠れがちだが、シリーズでも屈指の最低な根性の持ち主である。
「これでわたしの過去は『清め』られた」
他作品における邪悪
あくまでこの概念はジョジョの作中におけるものであるが、他作品にも上記のキャラに通じる邪悪の要素を持つキャラクターが多々存在するために、吐き気を催す邪悪の称号を与えられることが多い。
しかし、外道ではあるが魅入られるほどの強い個性を持つ者や圧倒的な悪のカリスマ的存在は邪悪と呼ばれない傾向がある。
また、闇堕ち・洗脳であったり心や自我がまるでないような悪役もこれには含まれない。
ベクトルの違う正義の持ち主は定義の判別が難しく、小物に至っては無視されがちである。
こうしたことから悪役にもかかわらず、逆に人気を高めたり、ネタキャラとして好意を持たれることがある。
だからと言って彼らの悪行が許されるわけではないが…。
それでも、あまりの外道っぷりから視聴者・読者の反感を強め、蛇蝎の如く嫌われるキャラクターも少なくは無い。
他の登場人物や作品についてはこちらで。
注意
基本的にキャラクターに対し、侮辱の意味合いを持つ言葉なので
誤解を招くなどのトラブルになる可能性が高いタグである
故に、このタグを使う際は場の空気を読み最低限のマナーを守った上で使うようにして欲しい。