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カローラの編集履歴

2020-07-27 20:33:46 バージョン

カローラ

かろーら

トヨタ自動車が1966年より製造・販売している乗用車のブランド(商標)、およびディーラー名である。

概要

トヨタが1966年から製造・販売を続けている、いわゆる大衆車。


国内外問わず、販売でブイブイ言わせているトヨタの代名詞的存在で、世界での累計販売台数はVWビートルを抜いてギネス記録、国内の33年連続車名別登録車販売台数1位もダントツの金字塔である。


日本以外にも中国イギリスベルギーメキシコブラジルタイトルコなど各地で現地生産を行っており、往年の日本のような「国民車」的な扱いを受けている国も少なくない。西欧米国のような先進国でも好評であるが、特に新興国ではトヨタならではの高品質・高信頼性が絶大な支持を受けている。


「80点+α主義」思想に基づき、クラスを超える豪華装備と先進的なメカニズムをふんだんに投入するのがカローラのコンセプトである。例えば、マクファーソン・ストラット式の前輪独立懸架、後退灯、それまでトラック専用と思われていたフロア式マニュアルトランスミッションなどなどを日本車としては初めて搭載したのは初代カローラであった。

一方で「+α」の抜けたトヨタの「80点主義」の象徴として、欧州の大人気車番組トップ・ギアでは冷蔵庫(=白物家電)と間違われる冗談を言われるなど、車好きからは退屈の代名詞でもあった。だが実際には古今東西、AE86型をはじめモータースポーツでの採用例は多く、2020年現在も稀少となったMTを設定するなど、印象ほど退屈な車では無い。


歴史

高度経済成長期、やがて全国民に自動車が普及すると予測したトヨタは、最も台数が見込めるであろう「標準的な車」を作ることで、業界の覇権を握ろうと目論んだ。まずできたのがパブリカであったが、質実剛健さを追求した結果、内装は当時の軽自動車を下回る質素さとなってしまい、クルマに「便利さ」だけではなく「夢」を求める大衆には受けず、思ったほど売れなかった。そこで、逆に豪華装備や先進技術をふんだんに盛り込んだカローラが作られた。


ライバルであった日産自動車ダットサンサニーの排気量が1000ccであったのに対し、カローラは1100ccに設定し「プラス100ccの余裕」という有名なキャッチコピーで日産に対する優位性をアピール。サニーよりも2.2万円高い価格設定ながら飛ぶように売れてしまった。


これに対し、日産もサニーをモデルチェンジした折には、排気量を1200ccにアップし、「隣りのクルマが小さく見えます」というコピーで対抗した。それぞれの車名のイニシャルを取って「CS戦争」と名付けられたこの販売競争は、終始トヨタがリードした。


もともと日本国内向けに開発されたカローラだったが、1968年から対米輸出を開始。初代クラウンの対米輸出が失敗した10年前とは打って変わり、その高品質・高信頼性から好評で迎えられた。のちには米国、オーストラリア、ブラジル、タイ、中国など世界各地で現地生産が行われている。


初代発売から20年以上はエンジン前置きの後輪駆動に前輪マクファーソンストラット+後輪車軸式のサスペンションという構成であったが、前輪駆動が流行し始めると「遅れている」と批判されるようになったため、1983年の5代目のE8型から当時最新とされていた前輪駆動と四輪独立懸架に移行した。なおこの代のクーペモデル・カローラレビン(およびスプリンタートレノ)だけは後輪駆動が守られていたため、6代目クーペが前輪駆動化されると分かると車好きたちからの注文が殺到した。この5代目の後輪駆動があのAE86である。


日本国内でのカローラの隆盛は年間新車販売台数30万8台(1990年)を記録した6代目E9型でクライマックスを迎える。次のE10型は、高品質で知られる歴代カローラの中でも異常なまでの耐久性で知られ、特にツーリングワゴンとバンは2002年まで生産されたこともあり、2010年代末になってもよく見かける。


長く国民車の座に君臨したカローラも、1995年の8代目 E11型で陰りを迎える。同車は基本構造は先代の流用であるが、全体に過剰品質であった先代の反省から大幅なコストダウンを図られ、カローラらしからぬ質素さから「分かりやすい豪華さ」「お値打ち感」を重視するユーザーからそっぽを向かれてしまったのである。そしてホンダ・フィットへ登録車販売台数第一位の座を明け渡し、黄金時代に終わりを告げた。なおカローラの販売記録には多数の派生車種を含めていることから、疑問を呈する声も少なくない(軽自動車を含めると売上はずっと前からワゴンRに抜かれていた)。


以降、E12/13型では豪華装備と先進技術満載のコンセプトへと回帰が図られるが、大衆のセダン離れもあり、カローラは国民車の座に返り咲くことはなかった。無印のカローラはこの代で終わりを迎え、日本向けセダンは「カローラアクシオ」として海外向けカローラとはプラットフォームから異なる別物となった。


一方で世界では相変わらず人気で、やはり派生車を含めてではあるが、2018年になっても世界で最も売れる乗用車種として君臨している(トラックを含めるとフォードのFシリーズが1位である)。


2019年9月17日に販売開始された12代目カローラは再びプラットフォームを海外仕様と統一。遂に小型車規格からの決別とミドルクラスへの移行に踏み切り、セダンとワゴンタイプでは初めて3ナンバー仕様となった。ただし可能な限りダウンサイジングが図られ、セダンとワゴンの国内仕様はプリウスよりも僅かに小さいサイズに納めている。


バリエーション

一番ボディバリエーションの多かったAE100系ではカローラ/スプリンターの各々にセダンクーペ(レビン/トレノ)、ステーションワゴン/ライトバン、4ドアハードトップ(セレス/マリノ)、ハッチバック(カローラFX)と5タイプも用意されていた。

逆にE140系ではセダン(アクシオ)とステーションワゴン(フィールダー)、ハッチバック(オーリス/ブレイドという程度に留まった。


なおブレイドに関しては、オーリスのボディ(見た目は多少アレンジしてはいるが)に2400cc/3500ccエンジンを搭載しており、もはや「メーカー純正スワップチューンド」のような様相を呈していた。よくよく考えれば、メーカー純正状態で3.5L・280psでFFのカローラだなんて恐ろしくて仕方がない。


現在のE210系では、セダン/ステーションワゴン(ツーリング/ツーリングワゴン/トレック)、ハッチバック(スポーツ)がラインナップされており、さらに2020年7月にはタイにて、カローラ史上初となるクロスオーバーSUVモデルのカローラクロスが発売されている。国内ではワゴンのツーリングが売上の過半数を占めている。

また欧州ではライトチューンのコンプリートカーであるGR SPORT仕様が発売されているが、日本ではパーツも含めGRブランドでのカローラの取り扱いは未だ無い。


兄弟車種

近年、コスト削減の動きの中でプラットフォームを共用する動きが広がっているが···近年のモデル(E120系以降)と共用するクルマ(カローラ/スプリンターシリーズ、オーリスアレックス以外)を例に挙げると···

  1. カローラ店

セリカRAV4/ヴァンガード

  1. ネッツ店

ウィッシュWill VSビスタアベンシスヴォルツ

  1. トヨペット店/トヨタ店

ブレイドアリオン/プレミオアイシスOpaマークX Zio

  1. トヨタブランド複数併売

プリウスSAIプリウスα

  1. レクサス

CTHSNX

  1. ダイハツ

メビウス

※備考1:アリオン、プレミオ、アベンシス、カルディナはカリーナ/コロナ系統にあたる。

プリウス、プリウスα、CT200h、メビウスはプリウス系統にあたる。

※備考2:ヴォルツはスプリンターカリブ後継。ブレイド、マークXジオのベース車はオーリス。


なお前出のプラットフォームは、ミドルサイズの車種を主眼に置いて開発されているため、カローラ自身もいつの間にかミドルセダンの下限値に当たるサイズにまで膨れ上がっていた。これを受けて、11代目カローラでは日本仕様車のみ(重要)がヴィッツと同じプラットフォームに乗り換えることとなり、ダウンサイジング化が図られた。


また11代目カローラには2018年から発売されている教習車バージョンが存在するが、トヨペット店で取り扱っている(一部例外あり)ため、カローラと名乗ることを許されず、「トヨタ教習車」と言う名称で発売されている。その一方で通常のカローラアクシオを教習車として採用している自動車学校も少数ながら存在する。


進むハイブリッド化

近年ではスクラップインセンティブの影響で、とりわけ日本ではプリウスSAIHSなど同社製ハイブリッドカーがバカ売れする一方でカローラは存在感を失い、ついにキングの座をプリウスに譲り渡してしまった。またプラットフォームを共用する新型プレミアム(?)ハッチバック、CTのデビューにトドメを刺されてブレイドも生産中止となってしまった。


2013年8月にフィールダーとアクシオにハイブリッド仕様車を設定した。絶好調のアクアやプリウスが存在する状況では、明らかに同社内での食い合いとなっており、端から見れば自傷自爆行為と取られても仕方のない状況になっていた。だが、ハイブリッド仕様のステーションワゴンやセダンを設定する事によって選択の幅を広げる事の方が、トヨタにとっては重要であるがゆえ(ほかにも様々な事情もあろうが)、こうなってしまうのは承知と覚悟の上ではあった。プリウスと同じミドルクラスに移行した現行12代目にもハイブリッド仕様車が設定されているのも同じ事情からである。


なお、元々安価で低燃費な部類であるCセグメント以下の車両をHV化すると一般に「値段は跳ね上がり、車両価格差の回収が難しくなる」事態に陥りがちである。最新型のカローラの場合だと低コスト目的「のみ」でHVを選ぶのは「手放すまで10万キロは乗る」というような人でないと効果は期待できない((ガソリン価格が¥150/L前後で推移すると仮定した場合、10万kmを超えないうちはHVを選んでも赤字(差額>節約できたガソリン代)となってしまう可能性が高い。さらに先代カローラアクシオだと14万キロを要する)。

よって実際にはパフォーマンス面(走りの質感や静粛性、緊急時に使える1500Wプラグなど)も考慮し、総合的に自分に合うかどうかを検討する必要があるだろう。トヨタのハイブリッドは信頼性が高い(20万キロノートラブルが当たり前になってきている)ため、中古車を買うのも一つの手である。


モータースポーツ

大衆車の代名詞だが、クーペ/セダンを問わず意外にも結構モータースポーツで活躍した車種である。


2代目のクーペは発足当初の世界ラリー選手権(WRC)に参戦しているが、どちらかというとセリカのサポート役的存在だった。ただしトヨタのWRC初勝利は、このカローラだった。しかもDOHCエンジン搭載の、いわゆるレビンではなく、OHVエンジン搭載のいわゆるレビンJだったというから恐れ入る。


5代目の途中に追加された(初代)FXは、いわゆるグループAのカテゴリのレースで活躍しており、そのカテゴリが採用された全日本ツーリングカー選手権では、1度だけだが前輪駆動でありながら優勝したことがある。


8代目では欧州専売のハッチバックをベースにしたものがWRCに参戦し、1999年にスバルインプレッサ・三菱ランサーエボリューションを破ってマニュファクチャラーズチャンピオンとなっている。


10代目カローラアクシオはSUPER GTのGT300クラスに参戦してエヴァンゲリヲンとコラボした他、富士で優勝を飾っている。


12代目はハッチバックのカローラスポーツがBTCC(英国ツーリングカー選手権)やフォーミュラ・ドリフトのベース車両として採用され、優勝争いの常連となっている。


車名

「花冠」を意味する英語のコローラ(Corolla)に由来する。花弁(花びら)の集合を意味する。クラウン(Crown=王冠)、カムリ(Camry=冠)、コロナ(Corona=太陽冠)などと由来および頭文字の「C」を揃えたネーミングである。


販売店について

発売にあたってはトヨタパブリカ店とトヨタディーゼル店で扱う事になったが、これはどちらも取り扱い車種(トヨタパブリカ店はパブリカ、トヨタディーゼル店は4トントラックや中型バス)が不振だったためである。いずれの店でも主力車種となり、トヨタパブリカ店はトヨタカローラ店に転換(ただし宮城県ではさらにトヨタオート店→ネッツディーラーに転換)、トヨタディーゼル店は一部はトヨタカローラ店に転換する事で生き残った(ただし別のトヨタカローラ店に吸収合併されたケースや、トヨタビスタ店→ネッツディーラーに再転換したケースも存在)。


なお、石川県は2020年3月をもってトヨタカローラ店が消滅してしまった(トヨペット店に吸収合併されてしまった)。2020年5月から実施されたトヨタブランドの(原則)全車種併売化の煽りを喰らった格好である。


関連タグ

トヨタ 自動車

AE86 AE85 AE92 TE71


カローラシリーズが重要なキャラクターとなる作品・キャラクター

頭文字D

初音ミク(ワールドイズマイン)···北米仕様車のCMに出演→ 北米トヨタ販売公式



銀魂 341話にて「カローラじゃないカツーラだ」という名称の、桂の守護霊として登場

している。

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