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東映アニメ不正アクセス事件の編集履歴

2023-02-10 21:21:37 バージョン

東映アニメ不正アクセス事件

とうえいあにめふせいあくせすじけん

2022年3月に東映アニメーション内にて発生した不正アクセス事件。

概要

2022年3月6日東映アニメーションは同社内のネットワークにて第三者による不正アクセスを確認した。これは翌日3月7日に東映アニメーションから発表された(参考リンク)。4月7日には、原因について身代金要求型のコンピューターウイルス「ランサムウェア」によるサイバー攻撃を受けたためである旨が報道された4月28日に東映アニメーションから発表された調査結果によると、東映アニメーションの従業員が業務上必要なソフトウェアを外部ウェブサイトからダウンロードしようとした結果、その外部ウェブサイトがランサムウェアの侵入の起点となるソフトウェアが同時にダウンロードされるよう改竄されていたために、ランサムウェアに感染したことが判明した(つまり、元の原因は、改竄された外部ウェブサイトだったのである。これらはウイルスバスターなどのウイルス対策ソフトでほとんど対処可能であるため、「事件」というより「事故」に近いか。)。


これにより社内システムの一部が停止した影響で、当時制作・放送中であった下記の作品に、制作の遅延発生等による放送スケジュールへの悪影響が出るに至った。なお、個人情報をはじめとする情報漏洩や顧客などへの被害は確認されていないとのこと。


当然一番被害を被ったのは東映アニメーション自身であり、該当作品の視聴者もよりコアなファンである程真っ赤に憤慨。

特に『ダイの大冒険』は恩師の復活と宿敵の最期を描く第73話が、『デパプリ』は3人目のプリキュアの初登場がそれぞれ1ヶ月以上先延ばしとなってしまった為、TOP画像の様に多数の遺憾が燃え上がった。


影響

テレビアニメ

放送時間:テレビ東京系列にて土曜9時半から放送中(びわ湖放送テレビ和歌山熊本放送は遅れネット)

同月12日に放送予定であった第73話の放送を延期し、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険 ベストセレクション」として第31話の再放送に差し替えられた。

その後、同月19日から4月2日までの3週分も過去話の再放送を行い、4月9日に最新話の1話前である第72話を再放送、16日より第73話から放送再開となった。


急な出来事に各所の全てが対応出来る筈もなく、スケジュールの決定していた一部キャンペーンなどは延期が不可能ということもあり、ゲーム「魂の絆」では本来の進行通りに進めざるを得ずアニメ未放送分のネタバレが発生してしまった。


なお、話数の短縮は行われず、第73話からは本来のスケジュールから約1ヶ月遅れで放送、最終回の放送やそれに伴う改編(後座の『シャドウバースF』とその後の『ニンジャラ』の放送時間繰り上げ)も10月下旬に行われることになった。


放送時間:ABCテレビ朝日系列にて日曜8時半から放送中(山陰放送は遅れネット)

同月13日に放送予定であった第6話の放送を延期し、「おさらいセレクション」として第4話の再放送に差し替えられた。

放送分の終了後には、代替措置として『映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』を、翌週の20日から4月3日にかけて3週にわたって放送することが発表された。


4月10日は「おさらいセレクション」として最新話の1話前である第5話を再放送し、17日に第6話の放送再開。


また、上北ふたご著の漫画についても、設定からやり直しを余儀無くされたほか、関連商品(キュアヤムヤム関連商品、ハートジューシーミキサーキュアフィナーレ関連商品の一部)については当初の予定通り発売されたため、本編と販促のスケジュールに約1ヶ月程度のズレが生じる状態になってしまい、バンダイによる第1四半期の玩具売上も前年度より20%ほど低下する結果に。


また、この影響で話数も5話分短縮となり、全45話となった(これにより、次のシリーズ『ひろがるスカイ!プリキュア』は従来通り2月第1週開始となる)。


放送時間:フジテレビ系列にて日曜9時から放送中(一部系列局は遅れネット、ただし福島テレビテレビ大分沖縄テレビ放送自体無し

同月13日は名古屋ウィメンズマラソン2022の中継により、当初から事件に関係なく休止。

20日からは第1話を皮切りに4月10日まで「デジモンゴーストゲームセレクション」を放送。


4月17日から放送再開。番組は2023年3月26日まで放送予定だが、この休止で放送期間が延長されたかは不明(デジモンシリーズは基本1年間の放送である)。


放送時間:同じくフジテレビ系列にて日曜9時半から放送中(一部系列局に加えて山口放送は遅れネット、その一方で系列局でもテレビ大分は放送自体無し

13日は同上。20日から4月10日までは「ワノ国編ベストセレクション」を放送。


4月17日から放送再開。なお、こちらは原作の連載ペースが遅いという事情もあるため、休止による影響は一番少ないものと思われる。


映画作品

4月22日に公開予定だったが延期され、後日6月11日に改めて公開されることが発表された。


宣伝面においては、当初の公開時期に合わせて発行されたホットペッパーの表紙が結果的にフライングという形になってしまっている。


その他

  • 東映アニメーションオンラインショップ

3月中旬にリニューアルを予定していたが「諸般の事情により」延期することが発表された。

その後、公式ツイッター上で4月12日より「東映アニメーションオフィシャルショップ」として、4月14日13時よりリニューアルオープンすることが発表された。


  • Sailor Moon Store ONLINE

事件を受けて、サービスを一時停止した。なお、決済情報の漏洩については認められていないとの事。


例外(?)

Eテレにて放送されているふしぎ駄菓子屋銭天堂おしりたんていは現在の所、目立った被害は無い模様である。また、劇場版『映画おしりたんてい シリアーティ』は予定通り3月18日に公開されたことから、事件前に映像が納品出来たもしくは別ラインで制作されていたと思われる。


事件の経過

  • 3月6日:不正アクセスを確認。翌3月7日にその旨を公表。
  • 3月11日:上記の理由によりアニメ制作が困難になっているとして、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』と『デリシャスパーティ♡プリキュア』の次回話を再放送に差し替える旨および『デジモンゴーストゲーム』と『ONEPIECE』についても、放送スケジュールに影響が出ることが発表された。また、オンラインショップのリニューアルの延期も発表された。
  • 3月13日:『デリシャスパーティ♡プリキュア』の休止が、少なくとも4月3日まで延長されることが発表される。
  • 3月15日:『デジモンゴーストゲーム』と『ONEPIECE』も、新作放送を休止し、再放送に差し替えると発表。
  • 3月17日:『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の放送休止も、少なくとも4月2日まで延長され、再放送に差し替える旨が発表される。
  • 3月18日:『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の公開延期が発表される。
  • 4月3日:『デリシャスパーティ♡プリキュア』について、4月10日も「おさらいセレクション」として最新話の1話前である第5話を再放送に差し替えることが発表された。
  • 4月6日:テレビアニメ4作品が16日・17日からの放送再開決定。
  • 4月7日:事件の原因がランサムウェアであったことが報道された。
  • 4月14日:『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の新たな公開日が6月11日と発表した。
  • 4月16日:『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』が放送を再開した。
  • 4月17日:『デリシャスパーティ♡プリキュア』、『デジモンゴーストゲーム』、『ONEPIECE』が放送を再開。
  • 4月28日:東映アニメーションから当事件に関する詳細な調査結果が公表された。
  • 6月11日:『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』が公開。

犯人について

東映社内の話によれば発生時点で「現在調査中」としていた。後にランサムウェアの侵入の起点となるソフトウェアが同時にダウンロードされるよう改竄されてしまった外部サイトに、偶然業務目的でアクセスしてしまったのが原因であることが判明しているため、今回の事件で直接不正アクセスを行った犯人は存在しなかったことになる。


なお、その外部サイトを改竄した犯人については目的も正体も未だ不明である。


詳細な調査結果が公表されるまでは、ネットユーザー間では様々な解釈違い陰謀論、憶測記事などが飛び交っていた(参考記事)。


個人による悪意説

前述の通り、原因が第三者による不正アクセスとあるが、第三者とは、会社や団体ではなくあくまで関わりのない個人のことを指す言葉である。この事から、一個人が東映アニメ作品のネタバレ情報を盗み見るために不正アクセスを仕掛けたという説があった。


ロシアによる報復説

この時期は2022年2月24日から始まったロシアウクライナ侵略に対し、日本を含めた西側諸国が強い経済制裁を表明しはじめた直後であり、他業種の企業(後述参照)も相次いで攻撃を受けた(参考記事)。

侵攻開始後にサイバー攻撃が増えたという調査結果もある(参考記事)ことから、ロシア側の報復のサイバー攻撃やその便乗犯罪である可能性を疑う声も出ていた。


類似案件

サイバー関係

2011年に不正アクセスを受け長期間利用ができなくなった(その後順次再開し日本では7月に全面再開)。

この影響を受けSCEはユーザーに対する感謝とお詫びのパッケージの配布(外部リンク)が行われた他、週刊トロステーションではPSNが利用できない間はニコニコ動画内の公式チャンネル「とろちゃ」で配信が行われ、全面再開時には全ユーザーに対し30日間有効のプラチニャ会員証が配布された。外部リンク(Wikipedia)

グランツーリスモ5プロローグのオンラインサービスも当初は2011年6月30日終了予定だったのが、PSN不正アクセス被害やそれ以前の3月に東日本大震災があったのもあって「依然としてたくさんの皆様にご利用いただいているため」との理由で2011年9月30日に延長された(外部リンク)。


2014年に不正アクセスを受けておりほとんどのセガのサイトが一時的に閉鎖に追い込まれた(中にはそのまま閉鎖に追い込まれたものもある。外部リンク(アーカイブページ))。

2019年にはアーケードゲーム「maimai」の動画作成サービスが不正アクセスを受けてICカード「Aime」及び「バナパスポート」のアクセスコードを含む個人情報の流出を受けている(外部リンク)。


2020年4月上旬に不正アクセスを受け、約16万アカウントが不正ログインの被害を受けた。

これにより、NNID経由でのログインが廃止となった。(参考記事


  • NHK厚生文化事業団

2021年8月、専門学校生の男性(俗に言う「ハッカー見習い」)が、自宅マンションの近隣住民の無線LANを不正に利用し、NHK厚生文化事業団に対しおよそ3万4000回にわたりネットで架空の寄付申請を行った。男性は2022年6月に逮捕されたが、男性は容疑を否認する一方「ホワイトハッカーになりたい」とも話していた。なお、男性の自宅からはハッキング関連の本が20冊以上押収されている。


  • 複数の医療機関

2021年10月31日につるぎ町立半田病院(徳島県美馬郡つるぎ町)にて、本事件と同様ランサムウエアによるサイバー攻撃を受け、患者の電子カルテの閲覧ができず会計もできなくなるなどの被害を受けた。2022年6月には、当院のセキュリティー対策ソフトがサイバー攻撃時に停止していたことが判明した上、ウィンドウズの定期更新もしないよう設定していたことが判明。不正アクセスを受けやすい環境が出来てしまったのである。さらに、修理を依頼した業者が町の公費で身代金3万ドルをロシアのハッカー集団に支払っていたことも判明している。

大阪急性期・総合医療センター(大阪府大阪市住吉区)では、2022年10月31日から当事件と同じランサムウエアによるサイバー攻撃を受け、電子カルテシステムに障害が発生し通常診療を停止するなどの問題が生じた。

2022年10月27日には、静岡県沼津市の医療機関でも、ランサムウエアによる被害を受けた。


2022年2月28日に下請けの部品工場のサーバーに障害が起き、同年3月2日トヨタグループの全工場が終日操業停止となった。またその約2週間後に子会社のデンソーでも不正アクセスが発生したが、被害は軽微で済んだ模様。


2022年3月13日の夜、社内の複数のサーバーに障害が起き、その後の調査で外部からの不正アクセスが確認された。東映アニメの確認からちょうど1週間後に発覚したが、当社との因果関係や同一犯かは不明(外部リンク)。


2022年4月2日にサーバーへの不正アクセスが確認された。これにより通販サイトの顧客や取引先、株主、従業員の住所、氏名、電話番号など最大約3万件の個人情報が流出した可能性があるという。こちらも東映アニメーションと同様ランサムウエアによる被害である(外部リンク)。


2022年9月7日夜、親ロシアハッカー集団「キルネット」が東京メトロと大阪メトロのサーバーへの不正アクセスを行い、両社のホームページが一時的に閲覧不可になった。


2023年1月3日より、東京都渋谷区の公式Webサイトが閲覧しにくい状態となった。この件については、国際的なハッカー集団「アノニマス」が「渋谷区が路上生活者のシェルターを閉鎖するため、我々は渋谷区のWebサイトを閉鎖する」旨の犯行声明を出している。路上生活者が寝泊まりしていた区立美竹公園を同区が2022年12月に封鎖したことへの抗議とみられる。


番組の休止関係

第一次オイルショックによる製作費削減の影響により、1975年2月2日から3月2日まで、放送済みの作品の再放送が行われた。


1997年12月16日に発生し、アニポケが4ヶ月に亘って中断。但しこちらは放送事故。


2002年6月8日の第49話放送後、主演の杉浦太陽が2000年に起こった傷害・恐喝事件の容疑者として誤認逮捕された。

この影響で番組は一旦は打ち切りとなり、後に被害者側が事件の一部を虚偽と認めた為、放送が再開されたものの、一部話数のカットを余儀無くされてしまった。

一個人の悪意が番組に多大な被害を与えた点が本事件と共通している。


2020年に新型コロナウイルスが流行し始めた事により発生。当時日本国内で放送されていた大半のアニメ作品が、コロナ禍の影響で長期の放送休止を余儀なくされた。


その他

実在しない事件である為、ここに含めるべきかは微妙なライン。


ほんにゃら産業が不正アクセスされ、仕返しとしてかりあげが作った「ボクかりあげ」なるコンピュータウイルスハッカーに送り付けるネタが存在する。


本作ではとある天才ハッカーが、個人的なヘイトを抱いたゲームにコンピューターウイルスを送りつけるという展開が存在する。ダイの大冒険関連でこれを思い出した人もいた模様。


関連タグ

東映アニメーション ハッキング サイバー攻撃

ランサムウェア 事故


京都アニメーション第1スタジオ放火事件: 同じくアニメ会社を襲った実際の事件。但しこちらは犯人の放火によるもの。


関連リンク

東映アニメーション公式サイト

東映アニメーションオンラインショップ公式Twitter

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